【第128回】オーディション番組から考察!読者に「好きになってもらう」キャラの作り方

いつも編集部ブログをお読みいただき、ありがとうございます!
少年ジャンプ+編集部のT橋です。

さて、皆さんは「オーディション番組」はご覧になるでしょうか?
「なぜ『ジャンプルーキー!』の編集部ブログでオーディション番組の話を…」と思われるかもしれませんが、
「見ず知らずの状態から出演者を応援してもらう」というオーディション番組の見せ方は、
「見ず知らずの状態からキャラクターを好きになってもらう」という漫画の見せ方にも通ずるところがある…と私は思っています。

今回は昨年から今年にかけて大きな話題を呼んだオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』を参考に、「『読者に好きになってもらう』ためのキャラの作り方」について考察していきたいと思います。特にキャラ作りに難しさを感じている新人作家さんの参考になれば幸いです!
(なお本記事は、『timelesz project -AUDITION-』の番組終盤の展開についても一部言及しています。完全なネタバレを避けたい方は、番組をご覧になってから本記事をお読みいただくことを推奨いたします。)

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www.netflix.com
※『timelesz project -AUDITION-』(以下、略して『タイプロ』)
STARTO ENTERTAINMENT所属の男性アイドルグループtimelesz(旧名:Sexy Zone)の、追加メンバー決定オーディションの様子を描く番組。
Netflixにて配信中。オーディションへの応募総数は18,922件。
結成12年超えの人気グループとしては異例となるオーディション企画は、国内で大きな話題を呼んだ。


ダンストレーナーの描写から「ギャップ」を考察する
まずはtimelesz候補生にダンスのレクチャーをしていたダンストレーナー、NOSUKEさんに注目してみたいと思います。

NOSUKEさんは数々の人気アーティストのライブに出演経験のあるダンサーで、
timelesz/Sexy Zoneの多くの楽曲の振り付けを担当するなど、timeleszとの関わりの強い振付師でもあります。

『タイプロ』内でも、候補生に対して「僕が一番 より厳しい目で見るつもりでいます」「もう入れさせない目で見てます」と、
長くtimeleszと関わり、グループへの強い愛情があるからこその厳しい思いを語ったNOSUKEさん。
番組内でも、厳しい言葉で候補生たちを叱咤激励するシーンが目立っていました。

そんな中話題になったのが、五次審査終了後の NOSUKEさんの涙でした。
五次審査の通過者と非通過者が発表された後、timeleszメンバーや候補生たちからは見られない場所で、NOSUKEさんは声を押し殺しながら激しく涙を流します。
長い審査を経て、厳しい課題を乗り越えてきたtimelesz候補生たちへの想いが溢れたであろう瞬間は、大きな驚きと話題を呼びました。

このシーンについては、
・候補生に対して厳しい態度を取ることの多かったトレーナーが
・審査結果の発表後に激しく泣いている

ので、そうではない人が泣いているのと比べて意外性が生まれたのかと思います。

このように「その人が持つイメージと真逆の行動をさせる」ことは、その理由がしっかり読者に共有されれば、漫画のキャラクターにおいても魅力的な「ギャップ」に繋がることは多々あります。

『タイプロ』内ではその他にも強い「ギャップ」を持つ出演者が数多く登場しますので、
「その人のどのようなギャップが魅力につながっているか」を考えて言語化すると、漫画のキャラクターにも活きるかもしれません。


候補生の描写から「共感」「憧れ」を考察する
今回は見事timelesz の新メンバーとしてデビューを果たした、元候補生の寺西拓人さんに絞って考察していきたいと思います。
『タイプロ』への参加発表前は5.5万人ほどだった寺西さんのInstagramのフォロワーは、現在は130万人を突破しました。

寺西さんは2008年、事務所に入所。timeleszメンバーの菊池風磨さんとは同期入所でした。
バックダンサーの仕事を中心にキャリアを積んだ後、『タイプロ』までグループに所属することはなく、俳優としての仕事をメインに活躍されていました。

一方で菊池さんを初めとする同年代がグループでアイドルとして活躍していく中、
「芝居をやりたいという気持ちも嘘ではないが、やはり歌って踊るアイドルへの想いも捨てきれない」と今回のオーディションに参加。

オーディション中はバックダンサーや俳優の経験で培った圧倒的なスキルで他の候補生をリードし、
芸歴十数年の経験値からくるアドバイスで悩める10代の候補生を導いたり…とそのスキルのみならずリーダーシップも高く評価されていました。

このように
共感できるポイント:同期が活躍していく中、かつての夢に未練を感じている
憧れられるポイント:とはいえ目の前の仕事には全力で向き合ってきたので、スキルも自信もしっかり身についている

と「共感」「憧れ」どちらもしっかり立っているのが寺西さんの魅力の一つだと感じています。

このような「共感」「憧れ」を軸としたキャラの立て方は漫画内でもよく見られるものです。
『タイプロ』をはじめとしたオーディション番組で、
好きな出演者の「共感できるポイントはあるか」「憧れられるポイントはあるか」を探してみるのも、良い思考実験になるかと思います。

*****

最後に
ここまで読んでいただいた方には、現実世界の人気者には「ギャップ」「憧れ」「共感」など、
漫画のキャラクターにも活かせそうな好感度の上がるポイントが少なからずあることが少しでも伝わったのではないか、と思います。
キャラ作りで迷ったら、自分の好きな実在の人物の「どこが好きなのか」を突き詰めて考えるのもいいかもしれません!



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【第127回】ギャップで魅せろ!『半人前の恋人』川田大智先生の魅力的なキャラの描き方

いつもジャンプルーキー!への訪問ありがとうございます!

今回は漫画賞の投稿を目指す方々へ向けて、『半人前の恋人』川田大智先生にインタビューをしました。

キャラや魅せ場の創り方などを中心にお聞きしています。
ぜひ漫画創作の参考にしてください!

『半人前の恋人』(作者:川田大智)
ある日、美術室で学校の備品を制作していると、すごく怖そうな女子がこちらを睨んでいて…⁉ 職人女子×美術男子 青春グラフィティ──

第1話を読む


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――『半人前の恋人』の魅力の一つに、杉崎響子のかわいらしさがあると思います。職人としての真剣な表情と、進太郎の前で見せる柔らかい表情のギャップが印象的です。前作や読切でも、女の子の描写がとても魅力的でしたが、そのような表現をするうえで大切にしているポイントがあれば教えてください。

響子に関しては「職人で女の子」という設定が浮かんだのがスタートでした。

性格のギャップや展開の意外性には「深部にある必然性」が重要だと常々考えています。職人女子というキャラクター像をイメージした時に「必然性のある意外」「筋の通ったギャップ」のイメージも同時に湧いてきたので、イケるかも…と思い描くことにしました。

そのイメージから「職人肌の負けず嫌いっぽいから太眉がいいな」「耳に太鼓鋲みたいなピアスつけてたらかわいくてかっこいいな」「職人仕事はアクティブだから動きを表現しやすいように、且つ女性らしさも出るから髪は長くしよう」といったキャラクターデザインに繋がりました。キャラの造形は内面との繋がりや演出意図を元にして決めています。

表情に関しても、キャラの感情理解が大切です。
私はネーム前のキャラ表や表情バリエーション等はほとんど描きません。というか、描けません。少なくともネームで具体的なシチュエーションや時間軸が与えられないとそのキャラの具体的な感情をイメージすることができなくて、感情理解がなければ表情を描くことができません。

また、それらを漫画として表現するために必要なのが「画力」です。人が視覚的に「かわいらしい」と感じるための要素は、目鼻口の大きさとバランス・頭身・丸っこいフォルム等々、分かりやすい条件があります。それらを踏まえつつ、日頃の人間観察や様々な二次元表現の中から自分が「かわいい」「美しい」と感じる要素を取り入れたりしながら作画しています。


――少年ジャンプ+掲載中の読切『前川さんの後ろから』はテンポ良くサクサク読めて可読性の高い物語でした。冒頭の疑問がフックになっており、最後まで引き込まれます。読切を描く際に意識していることを教えてください!

『前川さんの後ろから』を読む

『スマホ脳』(新潮新書、アンデシュ・ハンセン著)という本を読んで、「報酬を得られそうになる直前に人の脳内では最もドーパミンが分泌される」ことを知りました。そのメカニズムがあるから人はスマホ画面のスクロールがやめられない、本能的に無意識に脳がドーパミンを求めてしまうのだ、と。

ならばその仕組みを取り入れて漫画を描いてみよう、と思ったのが『前川さんの後ろから』を描くキッカケでした。何度も続けると飽きが来てしまうので連載には向かない仕掛けですが、読み切りの試みとしてはうまくいったと思います。

私の場合、言葉を使い過ぎると小難しく説明過多な漫画になってしまう傾向が強いため、漫画を描くときにはいつも言葉を少なくするように心掛けています。冒頭の絵やシンプルな言葉で一気に引き込むことができるかどうかが全て、と言っても過言ではないと思います。 連載の第1話や読み切りはほとんどの場合作品と読者の関係が0から始まるので、最初の4ページ以内で引き込めるかどうかはかなり意識しています。


――2巻10話の告白シーンが非常に印象的です。読者に面白いと思ってもらう「決めシーン」を描く際に、どのような点を重視されていますか?
(10話23p)

「感情」です。

漫画を描こうとなると「誰も思いつかないストーリー」や「突拍子もない出来事」を考えがちですが、重要なのは「その漫画でしか感じることのできない感情」があるかどうかで、逆に言えばそれさえあれば他の様々な要素は出来るだけシンプルにした方が良いと思います。

「感情」を起点にして描けばいいかというとそうとも限りません。ストーリーやキャラクターを思い付いて物語を進めた結果、印象的な感情が発生するというパターンも良くあると思います。

方法論としてどうすれば最適なのかは私自身も模索中ではありますが…。
特に意識しているのは頭の中で「具現化できないイメージ領域を具現化しないまま意識的に保持する」ことです。

自分の中に各担当者が存在しています。原案担当川田、ストーリー構成担当川田、演出担当川田、コマ割り担当川田、作画担当川田、打ち合わせ担当川田…複数の工程をほぼ1人で行うのが1人漫画家の大変なところであり面白いところでもあります。
複数人でこれらを分担するとき通常は言葉やイメージ画等で共有するわけですが、1人の脳内に全担当者がいるので言語化も視覚化もしないままのイメージの源泉を共有することができます。その源泉共有の意識が「決めシーン」、更にいうと「面白い漫画」を描く方法なのかな、とも思います。無意識のままでは方法論に辿り着けないので…。


――最後に、漫画家志望者の皆様にメッセージをお願いいたします!

とにかく描いてください。

30ページ読み切りが多くて大変だったら4ページのショートとか、1ページのちょっとしたエッセイでも良いと思います。1〜2コマでも漫画として成立させることはできます。描くことでしか自分の現在地は分かりません。漫画を仕事にしたいのであれば、描くしかありません。

ただ、「そうは言っても、どうしても描けない…何をどう描いたらいいのか分からない…」という気持ちもよ〜〜く分かります。

本当にどうしても描けなければ描くのをやめて、漫画にこだわらずに好奇心の赴くままいろんな体験をしてください。自分の中に眠るいろんな感情を知ってください。もしかしたら漫画より面白くて自分に向いている仕事に出逢えるかもしれないし、もしかしたら漫画から離れることでしか獲得できない強力な武器を手に入れて、それをまた漫画で表現したくなる時が来るかもしれません。

私自身、20代の頃は描けなくて苦しい漫画より、叩いて楽しい和太鼓にのめり込みました。漫画からは遠ざかりそのまま太鼓を作る仕事に就いたりもしました。が、やっぱりどうしても漫画が描きたくなってしまって、妻や家族や周りの人達の力を借りながら再び漫画を描く道を選びました。漫画以外の経験は結果として漫画家になった自分を支えてくれています。

自分の向かう先を理解するまでには必ず苦悩する時期があると思いますが、焦らずに、とにかく真剣に自分自身と向き合ってください。どんなに打ちのめされても自分自身の声を聴き逃さないでください。

ありがとうございました!


*****


川田先生、ありがとうございました。

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【第126回】実は尖った作品が沢山!? アイデアの参考にしたいサウンド・ビジュアルノベル3選!!

いつも「ジャンプルーキー!」へご投稿いただきありがとうございます。
少年ジャンプ+編集部のTと申します。

今回のブログは、「サウンドノベル・ビジュアルノベル」というジャンルについて紹介いたします。

どんな方も、漫画の企画を考えるうえで、既存の漫画やアニメ、映画など、様々なコンテンツを参考にするかと思います。
その中で、あまり認知はされていないが、参考になるのが、今回のテーマである「サウンド・ビジュアルノベル」です。
いわゆる「ノベルゲーム」と呼ばれるもので、選択肢を選んでエンディングが分岐するものが多いです。美少女ゲームなどで良く採用されているジャンルです!

元々、18禁ゲーム等から認知されてきたジャンルということもあり、ノベルゲームには、設定・キャラ・演出など、尖ったものが多く、アイデアの出し方や展開の作り方は参考になると思います。
今回は、その中でも特に漫画に生かすポイントがありそうな作品を3つ紹介したいと思います。

3作品ともSTEAMにて購入できます。もし気になったらプレイしてみてください!


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【1】マブラヴ / マブラヴ オルタネイティブ

あらすじ(STEAMストアより)
数十年に渡る、滅亡に抗う人類の物語

BETAとは
[Beings of Extra-Terrestrial Origin and Adversaries of the Human Race = 人類に敵対的な地球外起源生命]
1958年に火星で初めて確認された未知の生命体である。
1967年の月面での接触から30年余りが経過した2001年、その侵略はとどまるところを知らず、人類は今、絶滅の危機に瀕していた。

世界各国はそれぞれの戦術思想に沿って戦術機開発を進めていたが、BETAの侵攻によってユーラシア大陸は陥落し、大陸沿岸を防衛線として食い止めているものの、その維持は限界に達しつつあった。
果たして人類は、”種の滅亡”から逃れることができるのか?

聞いたことのある方・影響を受けた方もいるかもしれません。
ごく普通の学生生活を送っていた主人公が、突然別の世界線に飛び、地球外生命体「BETA」と戦う物語。
特に注目したい点の一つ目が、先が気になる展開です。
マブラヴは、非常に長い作品ではあるのですが、エピソードごとの引きが上手く、常に先が気になる展開となっています。少しずつ出されていく情報、危機が去ったと思ったら、更なる危機が待っていた…と、畳みかけるように話が進んでいきます。

夕呼「そして1998年の夏、喀什の『ハイヴ』──まあ、奴らの基地をそう呼ぶんだけど、そこから東進してきたBETAが、遂に日本へ上陸」
「北九州を初めとした日本海沿岸部に上陸した彼らは、1週間もしないうちに九州、四国、中国地方に侵攻……」
「ちなみにね、この地方を全て合わせると人口は当時4000万人いたの……わかる?」

「は……はい……」
夕呼「そこに住む約4000万人の人々は…………どうなったと思う?」
「……さ、さあ」
夕呼「犠牲者3600万人。ざっと当時の日本人口の30%ね」
「…………」
夕呼「あなたの知る日本でそれだけの人間が1週間で死んだと想像していなさい」
「まあ、この時点で世界の60%以上が死んでるんだから、そのぐらい誰も驚きはしなかったんだけどね……」

「え?」
夕呼「今現在、地球の総人口は10数億人よ」
突然別世界に来た主人公・白金武。いつも通っていた学校は、軍事基地になっていた。教官に突きつけられる現実に、衝撃を受ける。

読者を飽きさせないためには、どうストーリーを構成したらよいかの参考にしてみてください。

もう一つが、印象に残る場面・セリフです。
上記とも重なりますが、とにかくパンチの強いシーン・決め台詞が多いです。
主人公たちが最後の出撃をする前に、基地の司令官が演説をしてくれるのですが、とてもシビれます。

ラダビノッド司令「(前略)
大地に眠る者達の声を聞け
海に果てた者達の声を聞け
空に散った者達の声を聞け
彼らの悲願に報いる刻が来た
そして今、若者達が旅立つ
鬼籍に入った輩と、我等の悲願を一身に背負い、孤立無援の敵地に赴こうとしているのだ
歴史が彼等に脚光を浴びせる事が無くとも
我等は刻みつけよう
名を明かす事すら許されぬ彼等の高潔を、我等の魂に刻み付けるのだ
旅立つ若者たちよ
諸君に戦う術しか教えられなかった我等を許すな
諸君を戦場に送り出す我等の無能を許すな
願わくば、諸君の挺身が、若者を戦場に送る事無き世の礎とならん事を」
人類側が満身創痍の状況でのこの演説。ダイレクトに感情を揺さぶってくるシーンです。

他にも、ピンチのシーンでは、もうどうしようもないのでは?と思うくらいの状況にしたり、
丁寧な前振りから、主人公が成長するシーン、何かを決断するシーンをかっこよく描写するなど、演出方法も工夫があります。

ぜひ参考にしてみてください。


【2】白昼夢の青写真

あらすじ(STEAMストアより)
これは、世界と呼ばれた少女の物語
ビジュアルノベルのシステムを物語構造と密接に絡ませた純愛物語。
発売されるやいなやユーザーから圧倒的な高評価を集めた『白昼夢の青写真』がSteamに登場です。

この物語は一人の青年と少女の話。
ユーザーはまず、ランダムで始まる3つの物語をプレイすることになります。

本作は、全く過去の記憶がない主人公が、「夢」として3つの物語を体験していきます。そこでは全て同じ顔のヒロインがいる。なぜ自分には記憶がないのか、なぜ夢を見なければいけないのか…。
ほとんどが謎のまま話が進むのですが、その全てが伏線となっているのが特徴です。
「実はこれが真実なのではないか」「ここはこういう意味ではないか」と考えながら読み進められる構成は必見です。
そして、最初は普通の恋愛の物語なのですが、だんだんと壮大なSFとしての全体像が見えてきて、違う読み味になっていくのも面白いポイントです。

また、3つのストーリーとも、違うタイプのヒロインが登場するのも特徴かと思います。まっすぐで気が強かったり、天真爛漫だったりと…それぞれに個性があり、魅力があります。どうやって主人公と仲を深めて、どのようなドラマが生まれるのか、様々なパターンがあるので、参考にしてみてください。


【3】ヒラヒラヒヒル

あらすじ(STEAMストアより)
みんな、普通の人間なんだ。

死んだ人間が蘇る。
古来よりそうした事例が多発する世界。

蘇った人間は、知性や記憶・認識力が衰え、コミュニケーションが困難となるばかりか、肉体も代謝が衰え、腐敗していく。

日本では彼らを「ひひる」「クサレ」などと呼び、かつては崇め、時代とともに忌避するようになっていった。

──やがて「ひひる」は医療の対象とされ、疾病として「風爛症」と名付けられる。

そして大正初期。
医学博士・加鳥周平は風爛症をとりまく環境や制度が諸外国に比べ遅れていることを嘆き、改善に向けての調査に取り組んでいた。

その調査に参加することとなった青年医師・千種正光。
本来は風爛症と関わるはずのなかった学生・天間武雄。

ふたりの視点を通して、「風爛症」と戦う人々の物語が描かれる──。

話題作を多く手掛けている瀬戸口廉也氏がシナリオを担当した作品です。本作、あらすじを読んだら想像できる通り、終始暗い!だけど面白い…!という作品です。

一般的に、暗い話というのは、それだけだと読み手にストレスを与えてしまうので、扱うのが難しいです。
特に「ヒラヒラヒヒル」では、風爛症という不治の病を題材にしているため、読んでいてしんどい場面も多いです。
ただ、そんな中でも前向きなキャラクターたちだったり、細かな描写力をベースとした、丁寧なドラマで、要所で読者の心を動かしてくれます。

物語の終盤に、主人公とヒロインとの、とあるエピソードがあるのですが、そこでの彼らの言動には、とても心を打たれます。必見です…!

この、根底にある圧倒的な描写力は、参考になります。どんなに暗い話だったとしても、演出次第で読者を感動させられる企画になるということをぜひ学んでください。


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いかがだったでしょうか。
今回紹介した3作品以外にも、もっとぶっとんだ設定だったり、他にない読み味の作品が沢山あります。
企画を作っていて、違う切り口の話を考えたいときや、ストーリー作りに詰まってしまったときは、ぜひノベルゲームをプレイしてみてください。


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【第125回】『道産子ギャルはなまらめんこい』伊科田海先生にインタビュー! 人気ジャンルで勝ち残るためには?

こんにちは! 少年ジャンプ+編集部です。

「ラブコメ」「能力バトル」などに代表される少年漫画の人気ジャンルは、すでに世の中にヒット作がひしめく激戦区。それだけに、どうやったら差別化できるのか悩まれている新人作家の方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな人気ジャンルであるラブコメ作品の中でも、特に熱い読者からの支持を獲得しTVアニメ化も果たした『道産子ギャルはなまらめんこい』作者の 伊科田海先生にインタビュー!

少年ジャンプ+漫画賞 2024年【冬期】」の特別審査員でもある伊科田先生に、人気ジャンルで勝ち残っていくために大切なこと、そして新人賞に向けて新人作家さんが心がけるべきことを伺ってきました。

第1話を読む

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――『道産子ギャルはなまらめんこい』(以下、『どさこい』)は、出張編集部イベント「ジャンプスカウトキャラバン」で伊科田先生が持ち込まれた作品を元に制作された作品だと伺いました。
元々の作品から『どさこい』連載時の形に修正される中で、残した要素/変えた要素を詳しく伺えれば幸いです。

当時「ジャンプスカウトキャラバン」で持ち込んだ漫画は、〆切の関係上制作期間がかなり短かった事もあり、ネームも描かずぶっつけ本番で原稿から入ってしまいました。
そのため、ほとんど内容を添削したり調整したりする事なく、その時の思いつきを詰め込んだラブコメ漫画になってしまいました。

その中には色んな要素が入っていて、「ギャル」「ミイラ」「人型アンドロイド」「北海道弁」などなど…。
他にも細かい要素はありますが、主にこの4つの要素で構成された漫画でした。

『どさこい』の前身的作品
『インスタントギャルメンコちゃん』。
(『道産子ギャルはなまらめんこい』コミックス13巻収録)

そこから、「ジャンプスカウトキャラバン」で担当になって頂いた週刊少年ジャンプの編集の方と少年ジャンプ+の編集の方(現担当さん)とのやり取りが始まり、これらの要素がバラバラになります。

まず、週刊少年ジャンプの編集の方が電子工学にお強い方だったので、「ジャンプスカウトキャラバン」に持ち込んだ時点で「人型アンドロイド」の設定を引き継ぎラブコメ漫画の企画を考えようという流れになります。

次に、少年ジャンプ+の方でも企画を作る事になったのですが、既に「人型アンドロイド」を使っちゃったので、余った「ギャル」と「北海道弁」を組み合わせて作る事になりました(『ミイラ』はどうやっても邪魔だったので除外)

すると、「ジャンプスカウトキャラバン」が終わった日の夜に、少年ジャンプ+の担当さんから「2日後に読切企画の〆切がありますが、出せます?」と連絡が来まして、ダメ元でやってみようかなと、すぐに描き始めたのが『どさこい』の第0話の原型(キャラデザ以外ほぼそのまま)でした。

2日後の〆切に読切ネームを提出しましたが、打ち合わせもなくリテイクもないまま素通りで提出する事になったので、正直「これじゃ通らないだろうな」と思いました。
なのでその読切が通ったと聞いた時は、喜びよりも不安の方が大きかったですね。

その後、連載会議で『どさこい』の企画を提出する際に、その読切を第0話として構成する事になっていたので、そこからは特に要素の変化はありませんでした。


――ラブコメ作品は人気作も多い、群雄割拠のジャンルだと思います。その中で差別化を図るために、『どさこい』ではどんなことを意識されたのでしょうか。

結論から言うとキャラデザです。
というのも、他で差別化を図れるほどの技術がないので、そこしか個性を出せる所が無いと感じていました。具体的に言うと「目」と「胸」の描き方です。

『どさこい』のメインヒロインである冬木さんは「ツリ目」で「巨乳」です。
これは単純に自分の好みも含まれていますが、その時自分が知っているラブコメのメインヒロインの中に「ツリ目」の「巨乳」キャラが思いつかなかったんです。
大体こういったデザインはサブヒロインや変化球的な立ち位置のキャラに採用されるケースが多いので、あえてメインに据えたら差別化できるのではというのが最初の発想です。

『どさこい』メインヒロイン・冬木さんのキャラデザ。

結果としては、好みが大きく分かれるデザインになったと自覚していますが、「この娘はあの漫画のキャラ」と、少しでも認識しやすくなったのではないかなと思います。

あと、世の中は広くて色んな方がいらっしゃるので「自分だけがこれをイイと思ってるんじゃないか?」と感じても、案外自分と同じような感性を持っている人にはちゃんと届いてくれます。
所謂「大衆向け」を目指す方には是非、「小さなマス」を逃さずに「小さなマスの集合体」を大衆に向けて描いて頂きたいですね。


――ラブコメではヒロインの魅力がかなり重要だと思いますが、『どさこい』でヒロインたちを魅力的に見せるために、伊科田先生がキャラ作りや演出等で気をつけられていたポイントがあれば伺いたいです。

キャラ作りは主役になるキャラの「特性」「要素」が最も重要だと思います。
主役の特性や要素をその作品のテーマに反映させる事で、「誰が何をするのか?」が分かりやすくなり、作品自体の訴求力が高まります。
例えば『どさこい』の場合だと、主役となる冬木さんの特性は「ギャル」で要素は「道産子」になります。

また、他のキャラクターについては主役や既存キャラとの「比較」を意識して作ると、他のキャラと被る事がなく、自分の好みや癖にも寄らずに様々なパターンの特性や要素に挑戦出来ます。

演出面はその作品の「舞台」を強く意識する事が効果的だと思います。
『どさこい』では北海道という明確な舞台があったので、必然的にその景色や特有の状況がヒロインをより魅力的にする演出になっていました。
特に雪や白い息、頬や耳の赤らみなんかも、キャラクターの表情をより鮮やかにしてくれますし、臨場感を感じてもらいやすくなります。
その作品に合った景色や出来事を、キャラクターの心情や表情に合わせて描く事で、より魅力的に演出出来ると思っています。

北海道ならではの冬の寒さを活かした、第0話の冬木さんの表情と演出。


――伊科田先生は今回「少年ジャンプ+漫画賞 2024年【冬期】」の特別審査員に就任されました。
このブログが発表された段階で賞の応募締切まで1ヶ月弱ですが、新人作家さんが賞の締切直前に特に心掛けておくべきポイントは何だと思われますか。

あまりこういう事は言うべきではないかもしれませんが、ある程度の「妥協」は必要だと思います。
痛いほど分かるのですが、新人の時はとにかく「こだわりたい」ですよね。そうしないと何の為に漫画を描いているのか分からなくなるし、何より自分が納得できません。

ただ、そうしていると「完成する可能性」を失っている場合があります。
こだわり過ぎて〆切に間に合わず、ずるずると完成を先延ばしにしてしまい、最終的に途中で飽きて次の漫画を描き始めたりして、同じような結果を繰り返す。
こんな経験をされた方は、新人作家さんの中でも多くいらっしゃると思います。

しかしどんな形であれ、完成しなければ誰かに見てもらう事は難しいので、変化を恐れずに妥協する事も時には必要です。

実際、連載作家になれば〆切に間に合わせる為、やむを得ず妥協したり、何かを犠牲にする事も多々あります。
その練習として、今のうちから「理想主義」よりも「完成主義」を心掛けてみるのもいいかもしれません。


――最後に、「少年ジャンプ+漫画賞 2024年【冬期】」に向けて作品作りを進める新人作家の皆さんに、改めて一言いただけますと幸いです。

少年ジャンプ+は業界の中でもトップクラスに注目度の高い漫画媒体なので、漫画家には夢があると強く感じられる場所です。
この新人賞をきっかけに沢山の才能が世に出ることを祈りつつ、特別審査員としてあらゆる可能性を零さないように全力を尽くします。


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伊科田先生、ありがとうございました!
先生からお話のあった「キャラデザ」「舞台」、そして主人公の「特性」「要素」などを、ぜひ新人作家の皆さんには作品制作で強く意識していただければと思います。

また、「少年ジャンプ+漫画賞 2024年【冬期】」の〆切は今月末に迫っています。「理想主義」よりも「完成主義」という言葉の通り、限られた時間の中で描き上げられた皆さんの力作を拝読するのを、心待ちにしています!



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【第124回】君の画面をレベルアップ!「構図」を学ぶためのおすすめ本

いつも「ジャンプルーキー!」へのご投稿ありがとうございます!
今回のブログを担当させていただきます、ジャンプ+新人編集のIです。
今回のタイトルは、君の画面をレベルアップ!「構図」を学ぶためのおすすめ本です。

みなさん、漫画を描くうえで「構図」のことをどのように意識していますでしょうか。初めて漫画を描く上でも「構図」はつまづきやすく、同時に後回しにしがちな技術かもしれません。ですが漫画をわかりやすく、面白く見せる上ではとても重要な位置を占める技術でもあります。

さらにこの「構図」という概念は、漫画以外にも広く活用されています。映画や絵画など、「鑑賞者に作品を観せる・伝える」コンテンツでは不可欠な概念と言ってもいいかもしれませんし、それゆえに蓄積された技術論も多く存在します。その中には、漫画制作にも活かせるヒントがきっとたくさんあるはず…!

ということで今回は、僕が読んでみて面白かった・ためになったと感じた、構図にまつわる3つの本を紹介します! 美術・映画・写真と、漫画以外の分野に関連する本から「構図」についての学びを抜き出しつつ、僕が担当しておりましたジャンプ+作品『少女Null』の作品内構図と適宜見比べながら、どう漫画に活かしていくかを一緒に考える記事にできたらと思います。それでは早速紹介に移ります!
 ※ 紹介する作品・意見は個人のものであり、編集部としてのものではありません。


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【1】『巨匠に学ぶ 構図の基本 名画はなぜ名画なのか?』

歴史に名を残すような名画を「なぜ良いと感じるのか?」が、構図の基本原則を交えながら理論で説明されていきます。「良いと思う感覚」を言葉で説明できるようになると、あらゆる鑑賞体験が、自作へ活かす技術を学ぶ勉強となります! その勉強の入り口にふさわしい本なんじゃないかと思います。実際の名画に加え随所に可愛らしいカラーイラストがたっぷり入っていて読みやすく、本が苦手な人にもおすすめです!

では次に、僕が個人的に大好きな『少女Null』1話の扉絵の「良さ」を、本書に記載されている法則と照らし合わせながら考えてみたいと思います。

『少女Null』第1話 p2/p3
基本的な型としては、

  • 片流れ型

に分類できそうです。この型は、右に重心(キャラクター)を置くことで安定感を持たせつつ、左に奥行きのある背景絵が置かれ、開放感とスマートさを両立させています。

また、可愛らしさもあるタッチで描かれたキャラクターイラストと、乾いた印象も受ける近未来のクールでやや暗めな街並み、または左奥に鎮座する巨大な建造物との対比は、

  • 対決型

の構図も伴うと言えそうです。この型では、一枚の絵の中で印象の異なるモチーフをあえて配置し、激しいドラマを彷彿とさせます。『少女Null』においては、この後に続く激しい戦いを予感させるという意味で、1話の扉絵にふさわしい見開きと言えそうです。視点を集める建造物中央の光や、街を取り囲み安定感を出す空の入れ方もこの扉絵の魅力に繋がってると言えるのでは…と思いつつ、ひとまずここまででまとめます。

このように、自分の「良い」と思った感覚を言語化する作業は、その「良い」を再現性あるものにすることに繋がります。構図に限らずですが、自分の「良い」を大切に、じっくり考える癖をつけてみてください!


【2】『filmmaker’s eye 映画のシーンに学ぶ構図と撮影術:原則とその破り方』

映画表現における構図の基本をまとめている本書では、物語をより強く観客に届けるための構図の技術が、実際の場面写真を用いながら説明されています。限られた画面の中の情報をどのように使えばよりストーリーへの共感を高められるか、キャラの心情を伝えられるか、この先への期待感を煽れるか。物語の中での表現なので、漫画にも応用できそうな技術をたくさん見つけられるはずです。

例えば、冒頭で紹介されている「ハイアングルとローアングル」という技術。キャラの目線よりカメラを上げて(ハイアングル)キャラを撮ると、観客が見下ろす形になりキャラの弱さ・受身性・非力を表し、逆にカメラを下げて(ローアングル)見上げるとキャラの自信・権力・支配力を表すことができます。

『少女Null』第24話 p12

こちらは、画面左のキャラ・眞壁清山に対し、画面右上部のキャラ・軍の権力者が恋人の意識を奪う決断を迫る場面。軍の権力者をローアングル、眞壁をハイアングルで映したこの構図からは、明確な力関係と、両者、特に眞壁の特殊な精神状態が臨場感を持って感じられます。

他にも、画面を縦横で三分割し、その交点に重要な要素を置く「三分割法」や、画面内の特定のアイテムを大きく映すことでそのアイテムの重要性を表す「ヒッチコックの法則」など、基礎技術を眺めるだけでもかなり学びがあります。映画を見ることそのものが漫画制作の勉強になるので、その鑑賞精度を高めるためにも一見の価値ありです!


【番外編】『ナショナル ジオグラフィック プロの取り方 構図の法則』

最後は、プロのカメラマンの「構図」に対する考え方・技術を余すところなく説明したこの本。一枚の写真の中で撮影者が伝えたい意図・メッセージを伝えるために、前述の2冊以上に「鑑賞者の視覚認知」に対してシビアに考えられています。インパクトのある被写体や、それを活かす構図を「探す」態度も、漫画表現の中で新たな画面を見せる上で見習うべき姿勢だと思います。


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今回の紹介は以上となります! 構図に悩んだ時、漫画制作のヒントを得たい時、今回の記事が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。

本編集部ブログでは、過去にも何度か漫画家志望の皆様のためになりそうな本を紹介する記事をお届けしてきました。【シナリオ制作の指南本】、【人体構造の解説書】、【児童小説】、【作家のインタビュー本】、などジャンルは様々。今回も、あえて漫画以外の分野から広く本を紹介させていただきました。多岐にわたる技術が必要とされる漫画制作だからこそ、皆さんには色々なところから学びを得てほしいと思っております。役に立つ・立たないという視点だけでなく、楽しみながら、豊かな興味と好奇心を持って色々なものごとに触れてみてください。

ジャンプルーキー!、そしてジャンプ+編集部はそんなあなたが作った作品を、24時間365日お待ちしております! 現在、 ジャンプ+10周年を記念した大型の漫画賞も開催中! みなさま奮ってご参加ください!


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【第123回】ジャンプルーキー!10周年!!スペシャルインタビュー公開&記念冊子プレゼント

投稿数27万話を突破!出身作家によるヒット作が続く「ジャンプルーキー!」が2024年11月28日で10周年を迎えました。

ジャンプルーキー!は2014年の9月22日に少年ジャンプ+創刊と同時に募集を開始したマンガ投稿・公開プラットフォームです。
2014年11月28日に投稿作の公開を開始し、本オープンしました。
以降、10年で7万作品・27万話以上の投稿が集まり、少年ジャンプ+編集部にとってはマンガ家との出会いの場として、マンガ家の方々にとっては自由に公開して読者に反応をもらえるプラットフォームとして、読者にとっては才能あふれる意欲作が読める媒体として発展してきました。


今回10周年を記念してジャンプルーキー!出身作家である『ふつうの軽音部』原作クワハリ先生、『幼稚園WARS』千葉侑生先生のスペシャルインタビューを公開!
さらに、サービス開発・運営担当者がジャンプルーキー!について語ったインタビューも順次公開します。
「10周年記念特別インタビュー」の公開スケジュールと内容は以下のとおりです。

12月7日(土)12:00公開 クワハリ先生インタビュー


「ルーキーなら、これぐらいの画力でも載せていいかなと思って」『ふつうの軽音部』原作・クワハリ先生の【絵が苦手】だからこそ開けた漫画道
同名のマンガをジャンプルーキー!に投稿していた新人時代から、現在連載を紡いでいく際のネーム執筆法まで、読者はもちろんマンガ家志望者まで広く楽しんでもらえるインタビューです。

12月8日(日)12:00公開 千葉侑生先生インタビュー


「ジャンプルーキー!のランキング機能が一番好きだし、すごく楽しい」『幼稚園WARS』千葉侑生先生インタビュー
ギターの修理工場で働きながら漫画を描いていた新人時代から、ジャンプルーキー!の連載争奪ランキングで1位を獲得しインディーズ連載として『幼稚園WARS』を連載開始した経緯など、千葉先生のこれまでと現在地をたっぷりと語っていただきました。

12月9日(月)12:00公開 開発・運営担当者インタビュー<前編>


「商業誌の登竜門だけど、自由な場でもありたい」矛盾する難題に解を出した、開拓者たちの挑戦譚。ジャンプルーキー!10周年記念運営座談会
サービスの構想から現在まで携わっている少年ジャンプ+編集長(デジタル担当)と、運営・サービス開発担当者、ジャンプルーキー!の投稿作を日々チェックし運営に携わる編集部員による座談会。ジャンプルーキー!誕生の経緯から、この10年間でのジャンプルーキー!の変化と変わらない思いについてを語ります。

12月10日(火)12:00公開 開発・運営担当者インタビュー<後編>


「下手でも」「ちょっと描いてみた」も大歓迎! 編集者が本音で語るジャンプルーキー!10周年記念運営座談会
引き続き上記運営・開発者と少年ジャンプ+編集部員による座談会。「編集者がどんな投稿を求めているのか」や、作家さんにおススメのジャンプルーキー!活用法、さらにこの先のジャンプルーキー!の展望について語ります。

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ジャンプルーキー!の10年間を記した記念冊子「ジャンプルーキー!10th Anniversary Book」特製ステッカーをセットにして、抽選でジャンプルーキー!登録者50名様にプレゼント!

記念冊子には、『ふつうの軽音部』原作者クワハリ先生による投稿からデビューに至るまでの思い出を描き下ろしたエッセイマンガをはじめ、同サービスを数字で振り返る企画や、投稿ユーザーを対象としたアンケート結果、「少年ジャンプ+」で連載やインディーズ連載を獲得した作品リスト、「月間ルーキー賞」受賞作リストなど、 ジャンプルーキー!の10年間が収録されている、特別な一冊となっています。

プレゼントを希望される方は下記の応募フォームからお申込みください。
応募締切は2025年1月6日です。
「ジャンプルーキー!10th Anniversary Book」&特製ステッカーセットプレゼントへの応募は【こちらから】


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【第122回】ジャンプルーキー!10周年!! ルーキー賞から少年ジャンプ+でデビューしよう!

この度ジャンプルーキー!の月間ルーキー賞をリニューアルします!

ゴールドルーキー賞 50万円&受賞作掲載&少年ジャンプ+新作読切掲載権
シルバールーキー賞 30万円&受賞作掲載
ブロンズルーキー賞 10万円&受賞作掲載
編集部期待賞    5万円
ティーン賞     5万円

10周年を祝して、12月から 1年間は最終候補を10名から20名に拡大します!
この機会にぜひジャンプルーキー!へ作品を投稿しよう!

月間ルーキー賞更新の詳しい説明は下記のお知らせをチェック!

さて、ルーキー賞を受賞してからジャンプ各誌(少年ジャンプ+/週刊少年ジャンプ/少年ジャンプ増刊/最強ジャンプ)でデビューした作家さんは130人以上もいます。※2014年12月期~2024年11月期

今回はルーキー賞でブロンズ賞を獲得し、少年ジャンプ+で『ムシムスメ』を連載中の安芸勘谷先生にインタビューしました!

『ムシムスメ』(作者:安芸勘谷)
ここは、人と蟲が対立する世界。蟲を退治するため山に入った眞白は、夕蓮という不思議な少女に出会う。蟲が蠢く危険な山で母と暮らす夕蓮に驚く眞白だが、彼女にはある秘密があって…?

少年ジャンプ+で読む


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――ジャンプルーキー!に投稿したきっかけを教えてください。
「漫画を描いて他の人に読んでもらいたい…!」という思いが先にあり、発信場所を探して辿り着いたのがジャンプルーキー!でした。
無名の作家が不特定多数の読者に自分の漫画を読んでもらえるプラットフォームは少ないと思いますが、最も発信しやすい場所の一つがジャンプルーキー!でした。それは今も変わっていないように思います。

――ジャンプルーキー!投稿時代の過去の自分にアドバイスお願いします!
強いて言えば「早く漫画に取り組め!」ですかね…。
漫画家に憧れはあったものの、漫画などという複雑怪奇なモノを自分がつくれる訳がないと尻込みしていたため、小説→絵本→アニメーションなどをフラフラと作っていた時期が半年以上ありました。
もっと早く漫画に取り掛かっても良かったなと今振り返ると思います!

――最後に、デビューを目指す漫画家志望者の方々へメッセージをお願いいたします。
言えるとすれば 「何でもいいから完成させて発表しよ!」です…!
自分が賞を頂いた『深海とごちそう』はジャンプルーキー!の中でも指折り絵が下手な受賞作だと思いますが、それでも賞を頂けたりします。
下手だからと躊躇したり先延ばしにしていたら受賞のチャンスもなかったです。

加えて、「読切を描くのがおすすめ!」です!
連載投稿にこだわる人もいますが、連載は“作品の完成”を有耶無耶に出来てしまうため、自分への逃げ道を作れてしまう上、評価もされづらいです。
始まりから終わりまで物語をつくれるのか?限られたページで何を大事にしてどういう演出を入れるのか?など読切作品に必要な要素は遅かれ早かれ向き合う課題ですので、読切をたくさん描くのがデビューへの近道だと個人的には思います!頑張ってください!


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安芸先生、ありがとうございました!
ルーキー賞から少年ジャンプ+連載までの道は繋がっています。

チャンス拡大中の1年間、少しでも早く取り組んで、作品を完成させましょう!
ジャンプルーキー!は24時間マンガの投稿を受け付け中です!

皆様の作品お待ちしております!

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『少年ジャンプ+漫画賞 2024年冬期』はコチラ↓

『ジャンプ+連載争奪ランキング』はコチラ↓

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