【第76回】創作に役立つ、児童小説のおススメ3冊

ジャンプ+の林士平(@SHIHEILIN)です。

今回は、ジャンプルーキー!にご投稿頂いている皆様の創作に役立つ、児童小説のおススメ3冊をご紹介しようと思っております。
なぜ児童小説をオススメするか、簡単に説明します。

漫画は、絵と文字で構成されています。

「絵」の練習は、漫画・アニメ・イラスト・実際のモノ・人のデッサンや、模写等を通して「目」を鍛えてペンで実際に線を引いて、ブラッシュアップしていくものだと思います。

そして、絵の連続で描かれる漫画の「演出」や「間」「リズム」は、過去の名作や、売れた作品から学べます。勿論、漫画からだけではなく、映画やアニメ、ドキュメンタリー等からも、学習が出来ます。(今回はその話ではないので、演出等の話の詳細は、別の機会で。)

では、漫画の文字で構築されるモノローグ・セリフの「言葉」での表現部分は、どのように鍛えていくべきものなのでしょうか?
僕が思う成長方法は、上記に上げた「絵」の学習方法と考え方は一緒です。良い文章に触れて、何故良いと感じるのかを考えて、考えて、自分のものに出来るようにする。良い言葉に触れて、分析して、そして真似をしてみること。それが成長する一番の方法だと思います。
良い言葉を使える作家さんは、面白い漫画を描くことが出来る可能性が高いと、僕は考えます。

そして、良い言葉を知っている作家さんは、幼い頃から、良い言葉に触れた育った方が多い印象です。勿論、漫画・アニメ・映画だけでも、良い言葉に触れることは出来ます。ですが、良い「小説」良い「エッセイ」良い「詩」良い「文学」良い「文芸」には、本当に心に残る言葉が多いのも事実です。またエンタメとしての歴史が深いので、蓄積され洗練された「言葉」の数も多いです。

漫画家志望者は、「文字」の力を高めるために、「本」を読むべき、と僕は思っております。
ただ、新人作家さんと話していても、小説が苦手だ、文字を読むのが億劫だ、と仰る方が多い傾向にあります。そのような、本に苦手意識を持っていらっしゃる方に「入門編」としてオススメなのが、「児童小説」です。

オススメする理由は、
・圧倒的に読みやすい。
・大人が子供に読ませたいと考える「名文」が多い。
の2つです。

子供向けの小説なので、平易で分かりやすい表現が多いです。漢字に全てルビがふってあるので、読めない字がないです。また、大人が真剣に考えて子供に読んでもらいたい、と思う作品なので、読みやすくかつ、美しい文章が多いです。

まずは、入りやすいものから、文章を読む楽しさを覚えていきましょう。本を読む、文章を読む「楽しさ」を知ったら、きっと児童文学だけでなく、様々な名作小説に触れていくことも出来るようになるので。物語の世界は、漫画やアニメ、映画だけではないです。「文学」の世界にも広大に広がっています。是非に楽しんで、成長していきましょう。

さて、では入門編のオススメ児童小説は以下の3冊です。


○『二年間の休暇』 (ジュール ヴェルヌ著)

『十五少年漂流記』の方が聞いたことあるタイトルかもしれないですね。
僕にとっての、冒険小説の原体験の一つです。
夏の休暇を、船で海岸を一周して過ごすことになっていた十五人の少年たちが、思いがけない事故のため、無人島に漂着する。ときに反目しながらも、彼らは力をあわせてさまざまな困難を乗り越えていく物語。
年齢も国籍も全く異なった少年たちが、アクシデントによって余儀なくされた孤島でのサバイバルを経て人間的に大きく成長していくのですが、少年同士の確執など、等身大の少年達が生き生きと描かれています。
キャラクターだけでなく、物語を先へ先へ引っ張る「謎」の提示も上手い本作。是非に読んでみて下さい。


○『獣の奏者』(上橋菜穂子著)

日本生まれのファンタジー小説で、一番面白い作品はこれじゃないか、と個人的には思っている作品です。人と獣の友情。人々の欲望が生み出した歪な仕組み。国や歴史が覆い隠す真実…。平易な文章で構築されているのに、オリジナルな世界観をスルスルと読めることに驚くはずです。
難しい言葉でなくても、物語は紡げるし、心に残ることも出来ることが分かるはず。まずは1冊目から読んでみて下さい。きっと、すぐに二冊目が欲しくなるはずなので。


○カラフル(森絵都著)

第46回産経児童出版文化賞を受賞の本作。ジュブナイル小説の名作。
コメディタッチで、読み進めやすく、しっかり驚きもある物語。
有名なので、どこかしらで表紙は目にしたことがある人が多いかと思います。
シンプルで、爽快感ある、物語の強さを理解できるかと。こちらも小学校高学年でも楽しめる文章なので、小説の入門編には向いているかと思います!

以上です。
まだまだ、大量にオススメ小説はありますが、それはまた別の記事でいつか書けたら幸いです。ご自身の担当編集者にも、オススメの小説聞いてみると良いと思います…!

良い文章に触れて、自身の言葉の感覚を鍛えて、皆様の作品創りに生かしていってみてくださいね。
皆様の意欲作、ご投稿お待ちしております。


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