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今回は漫画賞の投稿を目指す方々へ向けて、『半人前の恋人』川田大智先生にインタビューをしました。
キャラや魅せ場の創り方などを中心にお聞きしています。
ぜひ漫画創作の参考にしてください!
ある日、美術室で学校の備品を制作していると、すごく怖そうな女子がこちらを睨んでいて…⁉ 職人女子×美術男子 青春グラフィティ──
響子に関しては「職人で女の子」という設定が浮かんだのがスタートでした。
性格のギャップや展開の意外性には「深部にある必然性」が重要だと常々考えています。職人女子というキャラクター像をイメージした時に「必然性のある意外」「筋の通ったギャップ」のイメージも同時に湧いてきたので、イケるかも…と思い描くことにしました。
そのイメージから「職人肌の負けず嫌いっぽいから太眉がいいな」「耳に太鼓鋲みたいなピアスつけてたらかわいくてかっこいいな」「職人仕事はアクティブだから動きを表現しやすいように、且つ女性らしさも出るから髪は長くしよう」といったキャラクターデザインに繋がりました。キャラの造形は内面との繋がりや演出意図を元にして決めています。
表情に関しても、キャラの感情理解が大切です。
私はネーム前のキャラ表や表情バリエーション等はほとんど描きません。というか、描けません。少なくともネームで具体的なシチュエーションや時間軸が与えられないとそのキャラの具体的な感情をイメージすることができなくて、感情理解がなければ表情を描くことができません。
また、それらを漫画として表現するために必要なのが「画力」です。人が視覚的に「かわいらしい」と感じるための要素は、目鼻口の大きさとバランス・頭身・丸っこいフォルム等々、分かりやすい条件があります。それらを踏まえつつ、日頃の人間観察や様々な二次元表現の中から自分が「かわいい」「美しい」と感じる要素を取り入れたりしながら作画しています。
『スマホ脳』(新潮新書、アンデシュ・ハンセン著)という本を読んで、「報酬を得られそうになる直前に人の脳内では最もドーパミンが分泌される」ことを知りました。そのメカニズムがあるから人はスマホ画面のスクロールがやめられない、本能的に無意識に脳がドーパミンを求めてしまうのだ、と。
ならばその仕組みを取り入れて漫画を描いてみよう、と思ったのが『前川さんの後ろから』を描くキッカケでした。何度も続けると飽きが来てしまうので連載には向かない仕掛けですが、読み切りの試みとしてはうまくいったと思います。
私の場合、言葉を使い過ぎると小難しく説明過多な漫画になってしまう傾向が強いため、漫画を描くときにはいつも言葉を少なくするように心掛けています。冒頭の絵やシンプルな言葉で一気に引き込むことができるかどうかが全て、と言っても過言ではないと思います。 連載の第1話や読み切りはほとんどの場合作品と読者の関係が0から始まるので、最初の4ページ以内で引き込めるかどうかはかなり意識しています。

「感情」です。
漫画を描こうとなると「誰も思いつかないストーリー」や「突拍子もない出来事」を考えがちですが、重要なのは「その漫画でしか感じることのできない感情」があるかどうかで、逆に言えばそれさえあれば他の様々な要素は出来るだけシンプルにした方が良いと思います。
「感情」を起点にして描けばいいかというとそうとも限りません。ストーリーやキャラクターを思い付いて物語を進めた結果、印象的な感情が発生するというパターンも良くあると思います。
方法論としてどうすれば最適なのかは私自身も模索中ではありますが…。
特に意識しているのは頭の中で「具現化できないイメージ領域を具現化しないまま意識的に保持する」ことです。
自分の中に各担当者が存在しています。原案担当川田、ストーリー構成担当川田、演出担当川田、コマ割り担当川田、作画担当川田、打ち合わせ担当川田…複数の工程をほぼ1人で行うのが1人漫画家の大変なところであり面白いところでもあります。
複数人でこれらを分担するとき通常は言葉やイメージ画等で共有するわけですが、1人の脳内に全担当者がいるので言語化も視覚化もしないままのイメージの源泉を共有することができます。その源泉共有の意識が「決めシーン」、更にいうと「面白い漫画」を描く方法なのかな、とも思います。無意識のままでは方法論に辿り着けないので…。
とにかく描いてください。
30ページ読み切りが多くて大変だったら4ページのショートとか、1ページのちょっとしたエッセイでも良いと思います。1〜2コマでも漫画として成立させることはできます。描くことでしか自分の現在地は分かりません。漫画を仕事にしたいのであれば、描くしかありません。
ただ、「そうは言っても、どうしても描けない…何をどう描いたらいいのか分からない…」という気持ちもよ〜〜く分かります。
本当にどうしても描けなければ描くのをやめて、漫画にこだわらずに好奇心の赴くままいろんな体験をしてください。自分の中に眠るいろんな感情を知ってください。もしかしたら漫画より面白くて自分に向いている仕事に出逢えるかもしれないし、もしかしたら漫画から離れることでしか獲得できない強力な武器を手に入れて、それをまた漫画で表現したくなる時が来るかもしれません。
私自身、20代の頃は描けなくて苦しい漫画より、叩いて楽しい和太鼓にのめり込みました。漫画からは遠ざかりそのまま太鼓を作る仕事に就いたりもしました。が、やっぱりどうしても漫画が描きたくなってしまって、妻や家族や周りの人達の力を借りながら再び漫画を描く道を選びました。漫画以外の経験は結果として漫画家になった自分を支えてくれています。
自分の向かう先を理解するまでには必ず苦悩する時期があると思いますが、焦らずに、とにかく真剣に自分自身と向き合ってください。どんなに打ちのめされても自分自身の声を聴き逃さないでください。
ありがとうございました!
川田先生、ありがとうございました。
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