【第59回】超速!連載グランプリ最終審査直前!漫画賞で見ている「ポイント」について

皆さん、こんにちは、ジャンプ+編集部のTです。
まずは「超速!連載グランプリ2019」へ応募いただけた皆様、ありがとうございました。明日12月6日から、少年ジャンプ+のアプリ上で、読者による最終投票を行います。3日間で最も「いいジャン!」を集めた作品は、即連載とコミックス化が決定します!たくさん読んで、良いと思った作品には是非「いいジャン!」して下さい!


さて、今回はそんな「漫画賞」に絡んだお話を少しだけ。

これまでジャンプ+編集部では、「超速!連載グランプリ2019」をはじめ、様々な漫画賞を開催してきました。毎回たくさんの力作をご応募いただいていますが、毎回全ての作品に複数の編集部員で目を通し、審査会議を開いて結果を決めています。

↓審査会の雰囲気は、こちらの「超速!連載グランプリ」一次審査会議の議事録を見ていただけたら、何となくわかるのではないかと思います!
現場編集による審査会議内容はコチラ


さて、現在、「ジャンプルーキー!」では、6つの分野でバッジを用意しています。ご存知な方も多いかと思いますが、「画力」「構成力」「演出力」「キャラクター」「ストーリー」「オリジナリティー」という6分野です。

実はこれ、個人的には少し分かりづらいなと思っていまして…だから、特にどんな「ポイント」を見ているかを今回のブログで少しだけご説明できたらと思った次第です。実際には、何を「面白い」と感じるかも多様なものですし、大切にしている点は編集者ごとに違うので、鵜呑みにしすぎずに、気軽に読んでください。


1.画力について
画力で最も注目しているのは「人」を上手に描けているかです。もっと言うと、細かい「表情」と「仕草」を描けているかを注目して見ています。物語の中とはいえ、実際にそこで生きていると感じさせるような表現が出来ている作家さんには、たとえ粗削りでも強く魅力を感じます。その人物になったつもりで、表情や仕草を考えてみて下さい。

2.構成力について
限られたページの中で、伝えたいことを読者に伝え、読みやすくする構成力の中で、個人的にポイントなのは、「場面転換の回数」です。シーンの切り替えが少ない方が、読み手にストレスを与えませんし、感情移入して読みやすいからです。プロット段階で感情の流れを意識して、不必要なエピソードを削り、順序を推敲すると良いと思います。

3.演出力について
コマ割のメリハリ、めくりと引き、カメラワークなど色々とあると思いますが、個人的なポイントは「絵とセリフの配置」です。読者は基本は吹き出しを追って読むので、見て欲しい「絵」が自然と読者の視線に入るように配置されているかを気にして読んでいます。情報量が多くても絵とセリフの配置が綺麗だと読みやすくなりますし、逆に少ない情報量でも、間を作ることで重要なシーンとして見せることも出来ると思います。

4.ストーリー
一番注目しているのは、どんな「感情」を体験させてくれる物語かということです。喜び、怒り、悲しみ…様々な方向性で、フィクションの中でしか味わえないような、感情の極致を見せてくれる作品を読みたいと思っています。ご自身が強い感情を抱いた時の経験を思い出しながら、膨らませていってもらえると良いと思います。

5.キャラクター
一番気を付けて見ているのは主人公の動機がハッキリとしているかです。
何がしたいのかわからない、または複数存在して本当に大切なモノが見えない主人公は肩入れして読むのが難しくなります。その動機のバックボーンを見せることも重要だと思います。

6.オリジナリティー
最後に、オリジナリティーですが、これはかなり「絵柄」に起因すると思って見ています。経験上なのですが、絵柄が独特な人はだいたい考えていること、テーマもユニークなことが多いからです。では、どうすればオリジナリティーを得られるか…とても難しい問題ですが、まずは自分が何を表現したいのか深く掘り下げ、そのために参考になりそうなものを漫画に限らずインプットし続けるしかないと思っています。


簡単になのですが、新人さんの作品を見る際に、特に気を付けている個人的ポイントでした。ジャンプ+では、これからもたくさんの漫画賞を精力的に企画していきます。自分の武器を見つけて磨いて、たくさんの力作を生み出していただけたらと思います。「ジャンプルーキー!」出身の作家さんからヒット作品が生まれることは、編集部としても嬉しくてたまりません。一緒に頑張りましょう!


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【第58回】漫画の奥深さを100倍感じる!漫画家志望者におすすめしたい傑作「連載第一話」3選!!

 皆様、こんにちは。
今回のルーキーブログを担当させていただくジャンプ+編集の小池均です。

 今回のルーキーブログのテーマはズバリ
 【漫画の奥深さを100倍感じる!漫画家志望者におすすめしたい傑作「連載第一話」3選!!】
 です。

 編集者の私は無類の漫画好きでもあります。ありがたくも子供の頃から素晴らしい漫画家さん達の傑作漫画を読みながら育ちましたが、今回はその中から私的に『読切や連載第一話作りに悩む漫画家志望者に読んで欲しい漫画』という観点で3作品を紹介させて戴きます。
 ※今回記するのは「ジャンプ編集部に脈々と伝わる意見」ではなく、あくまで小池個人の独断と偏見です。

 早速お品書きです。

 ① 『アイシールド21』…魅力的に整理整頓された情報の波状攻撃!な第一話
 ② 『プラネテス』…読者の脳内を使え!無限大の余白!な第一話
 ③ 『ドロヘドロ』…オリジナリティの美味なるカオス!な第一話

 参考にすべき素晴らしい第一話は数多あります。今回は皆さんに説明しやすくするために隠れた名作というよりは、誰もが1度は読んだことがあるようなTVアニメ化も果たしていて少なくとも絶対に名前を1度は耳にしたことがあるような超有名3作を改めて紹介します。
 昨今は公式HPや電子書店で1話目の試し読みが出来る場合が多い素晴らしい時代です。今回私も全力で利用させていただきます。
 志望者の方はこの3作に限らず片っ端から読んで、唸ってください。凄い漫画は凄い。凄すぎる。


【アイシールド21】原作:稲垣理一郎 漫画:村田雄介
購入はこちら
第一話目を読む

<あらすじ>
 泥門高校1年・小早川瀬那。気弱な性格が災いし、幼き頃よりパシリ人生を送ってきた。だがそのおかげで(?)ズバ抜けた俊足を持つ瀬那は、悪魔のごとき男・ヒル魔によりアメフト部へと引きずり込まれるが!?(ジャンプBOOKストア!より抜粋)

 とりあえず皆さま上のリンクから第一話をご一読下さい。

 …読みましたでしょうか?
 「2話目が読みたくてたまらん」な方はどうぞこのページは忘れてください。全37巻絶賛発売中です!

 正直お品書きの一言紹介でほとんど伝わった気もしますが、改めて紹介します。

 漫画家志望者さんは日夜連載の第一話や読切に頭を悩ませていると思います。その時に「情報は少なくしよう」とか「キャラは少ない方が回しやすいよ」みたいな編集との打ち合わせがよくあります。勿論、これは間違っておりません。
 漫画歴が短い新人さんだと、①主人公 ②ヒロイン ③敵の3属性のキャラで回し、設定も「良い意味で分かりやすく読者にとって馴染みがあるものにしよう」というのが基本になります。
 その点で「アイシールド21」を読むと『規格外』なことがすぐお分かりになると思います。
 キャラクタ―は大別して5属性もあります。①主人公のセナ ②ヒロインのまもり ③強引な先輩のヒル魔 ④穏健(ヒル魔をたしなめる)な先輩の栗田 ⑤敵(不良)の3兄弟
 更に、題材は「アメフト」という日本人にとってどうしても馴染みの薄い題材です。これは言い換えるとどうしても「分かりにくい題材」とも言えてしまいます。

 ですが、皆さん読んでみていかがだったでしょうか?分かりにくかったでしょうか?
 私は美しさに震えます。
 個人的に考えるキモは魅力的な情報の整理整頓です。
 ・アメフトはパワー、タクティクス、スピードの3要素のスペシャリストのスポーツという視点を読者に提示
 ・その3要素のアイコンとしてのキャラクター3人(セナ、ヒル魔、栗田)
 一番大きい整頓はこれですが、細かい整頓は微に入り細に入ります。更に整頓したうえで、3キャラを印象的に魅力的に立たせています。特にセナは序盤親しみやすくクライマックスでは熱くなる印象ですし、ヒル魔は一度見たら忘れられない強烈さです。
 以上を「気弱な小市民でパシリばかりの少年はその足を買われて、アメフトのヒーローへの第一歩を踏む」というストーリーラインに乗せています。<アメフト>を<日本>の<少年漫画>で魅せるということの難易度の高さを、キャラの魅力と徹底的な情報の整理整頓と適切な提示で成立させています。
 そこに超絶画力の村田先生によるキャラクターの絵の魅力、アクションの迫力などが全ての要素に掛け算となって更に上の領域の傑作になっています。

 「情報が多い第一話や読切はなるべく避ける」というのが常套手段であることは変わりません。ただ、そこを「情報の多さや馴染みの薄さを、工夫や魅力で乗り越える」という背中をアイシールド21の第一話は見せてくれます。
 皆さんも自分の描こうとしている題材の切り口を分析してみたり、キャラクターの配置を弄ってみたりすることで、「それまで入りきらなかった設定やキャラクターが、ストンと面白く収まる」かもしれません。


【プラネテス】著:幸村誠
購入はこちら

<あらすじ>
 しがないデブリ(宇宙廃棄物)回収船に乗り組むハチマキは、大きな夢を持ちつつも、貧相な現実と不安定な自分に抗いきれずにいる。同僚のユーリは、喪った妻の思い出に後ろ髪を引かれ、自分の未来を探せずにいる。前世紀から続く大気の底の問題は未解決のままで、先進各国はその権勢を成層圏の外まで及ぼしている。人類はその腕を成層圏の外側にまで伸ばした。しかし、生きることーーその強さも弱さも何も変わらなかった。(コミックDAYSより抜粋)

 続きまして2作品目です。こちらもまず第一話目をお読みください。

 重厚な雰囲気、感動するストーリーな第一話ですが、今回注目する所はちょっと違います。
 漫画家志望者の皆さん、お気づきでしょうか…。
 なんとこの第一話、ページ数が46ページです…。46P。しかも大ゴマもふんだんに使い、最後のページは真ん中にコマ一つ!
 私はプラネテスの第一話のページ数を何気なく数えて、「よ、46??80とか100ページじゃなくて?46」と仰け反った日の衝撃を忘れません。

 個人的な分析としては、「余白の巧みさ」が凄さです。背景やキャラクターの表情からくる想像が読者の脳内で増大して、具体的なセリフや説明モノローグ以上の「物語」を読者に植えつけます。勿論それは幸村先生の意図通りの物語なのですが、「1を見て10を感じる」の如く、少ないページで、コマで、キャラクター描写で雄弁に語ります。
 ハチマキやフィー(女船長)の言動や背景描写からは近未来の「日常物語」を匂わせますし、特にユーリの目は読者に「彼はどんな気持ちなのか」を100の言葉より想像させます。
 更にここまでミニマムな描写量でありつつも、実はエンディングに向かって更にどんどん余白が贅沢になっていきます。44-45ページの見開きはもはや無限。宇宙を感じます。
 
 アイシールド21では「魅力的な徹底整理で情報を提示しきる形」したが、こちらは逆に「ポイントを絞りきって紙面ではなく読者の頭に最高の完成形を描く形」です。
 「物語の奥行きを漫画内で語りきるのでなく、読者の頭の中の無限の宇宙を使う」というのもまた別の魅力的な第一話・読切の答えではないでしょうか。
 皆さんが描いている作品も「全てを語りきれない」となったら逆に「語りきるのではなく想像させる」ことで漫画が読みやすく魅力的になるかもしれません。


【ドロヘドロ】著:林田球
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<あらすじ>
 自分を醜い姿に変えた、憎むべき「魔法使い」を頭からバックリ!! 口の中にもう一人の人間を住まわせた謎の異形の男・カイマン。魔法使いたちに姿を変えられた時に記憶を失い、いまはただ連中を狩る日々を過ごしている。「口の中の男」が犯人を言い当て、元の姿に還れるその日まで…(SHOGAKUKAN COMICより抜粋)

 最後の3作品目はこちらです。第一話のご一読を。

 今回は皆さんの感想こそが答えです。
 あらすじからも一目瞭然。漫画のジャンルを「ほのぼのスプラッタ」「ラブ&バイオレンス」という唯一無二で評されるオリジナリティにあふれた傑作。既存の言葉では魅力を表現しきれない、他の漫画では決して味わえない中毒性がある作品です。
 正直こちらは1話だけじゃなく、1巻丸々とか全巻購入とかで味わって戴きたいのですが、前2作とは違う形の傑作として皆さんに紹介したいので並ばせていただきました。
 
 漫画家志望者の方々は日々「面白いとは?」「良い漫画を描くにはどうすればいいのか?」という事に向き合って鍛錬していると思います。「アイシールド21」と「プラネテス」はその筋道のひとつを見せてくれる様な傑作です。
 ただ、忘れてはいけないのは「結局、理屈は置いといて面白ければ勝ち」「分析は面白いorつまらないという感想の後に来るもの」という事です。「そのアクの強さが苦手な人が仮にいたとしても、一方面白いと買ってくれる人が数多くいれば商業漫画として大成功」です。
 その点で私にとっての傑作はこの「ドロヘドロ」です。大学時代に仙台の喜久屋書店で1巻試し読みを読み終わった瞬間にトカゲ触りの大型コミックスをまとめてレジに持って行ったことを思い出します。

 面白くするための手段は目の前の自分の作品に納得いかない時に使う『道具』でしかありません。これが「面白いんだ!」「絶対いいでしょ!」という情熱があるならば、まずは道具は置いといてそれを原稿用紙に叩きつけて欲しいです。
 その上で、読者や第三者の評価を真摯に受け止めるのがプロ作家でもありますが、悩んでいる方がいたら思い切りの良さも答えに繋がるかもしれません。


 以上、第一話・読切作りに悩んでいる漫画家志望の皆さんの役に少しでも立てればと願っております。
 今回の3作の紹介も1つの視点からの概要比較で終わったので正直語り足りないですが、各作の奥深さや別の観点からの紐解きは、読んだ皆さんの視点でして戴ければ幸いです。この3作品の素晴らしさは4000字程度の今回のブログでは収まりません…。

(文責:少年ジャンプ+ 小池均)


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【第57回】漫画描き始めの作家が読んだら役立つ本3選

こんにちは あるいは こんばんは。少年ジャンプ+編集部の林士平です。
担当作品は少年ジャンプ+で『SPY×FAMILY』『HEART GEAR』『ドリキャン!!』『ムーンランド』『彼女と彼』
週刊少年ジャンプで、『チェンソーマン』を担当させて頂いております。

僕は漫画が大好きです。沢山、面白い漫画を読みたいから、多くの方々が、漫画家を目指してくれたら嬉しいな、と思って編集者人生を送っております。

この記事が少しでも漫画家志望者の方々のお役にたてば、幸いです。

さて、今まで僕が漫画家さんを担当してきて、新人時代から売れっ子までたどり着いた漫画家さん達と打合せをしてきて、とある共通している点があることを、知りました。
何だか、分かるでしょうか?


それは、
「賞、読切作品、連載、どの段階でも、
 ずっと変化(成長)し続けていること」
です。


描ける絵が増え続けて、描ける物語の引き出しが増え続けて、扱える感情のパターンが増え続けたら、いつか必ず、賞、読切掲載、連載獲得、に辿り着きます。

では、人が変化・成長するためには必要なこととはなんでしょうか?

人が変わるには、以下の3つの方法しかない、と僕は考えます。

・付き合う人間を変える
・住む場所を変える
・見るものを変える

この中で一番、心のハードルが低いのが、
「見るもの」を変えること、
でしょう。

同じような作品を描き続けていると、どこかしらの壁にぶち当たって止まってしまうことが多く、漫画家を目指すこと自体を辞めてしまう人も少なくありません。

漫画家を、目指す人は、常に変化成長をし続ければ、必ず、賞や、読切や、連載にたどり着きます。

見るもののクオリティをしっかり吟味して、集中してインプットし続けて、変化。成長を楽しめば、自ずと漫画家の道は拓ける、と僕は信じております。

ということで、前フリが長くなりましたが、今日は、ルーキーブログを読みに来ている、漫画家志望の作家さん達の変化・成長に繋がる「本」入門編の3冊を、紹介をしようと思います。

*****

まず、1冊目は、『藤子・F・不二雄のまんが技法(小学館文庫)』です。

描くぼくが楽しみ
読んでくれる人も楽しむ
そんな漫画がずっと
ぼくの理想なんだ。

     藤子・F・不二雄

そんな言葉から始まる、藤子先生が考える、漫画への向き合い方、作り方を説明してくれている本です。

『ドラえもん』のネーム、コマを例示にした、キャラの作り方や舞台の資料探しの方法、シナリオ(物語発想方)の説明は、明快で非常に分かりやすいです。

藤子先生が、細部に渡ってプロとして、ここまで考え抜いて漫画を創っているのか、と思わされます。

藤子先生は漫画を読むことが、とても好きだったのだな、そして、その好きな「漫画」を沢山の人に描いてもらいたいのだな、という熱意と愛が全部のページから伝わってきます。
(藤子先生のその気持ちに僕もメッチャ共感して働いております…!面白い漫画、読みたい!ので是非に、みんな漫画描いてみて下さい!)

基礎的なことから、本質的なことまで網羅している素晴らしい本ですので、漫画家志望者だけでなく、創作を志す人には是非に読んで欲しい本です。


『マスターショット100 低予算映画を大作に変える撮影術』

僕は、「漫画家という仕事は、一人で世界に届く映画を撮るようなものだ」
と、よく新人作家さんに伝えています。

物語は脚本家の仕事。
主役キャラは主演。
助演、エキストラと画面に出るキャラは全て描き出さなきゃいけない。
CG効果、クリーチャーデザインなんかも、全部自分。
大道具、美術、照明など(影の入れ方にウソを付くのかリアルに行くのか等まで…!)
描き文字は、まるで音響効果。
構図を決めるカメラマンの仕事も重要です。

漫画家は、個人で描いて、世界に届く、総合芸術エンターテイメント。
とても素晴らしい仕事であると同時に、学ばなければならないことは山程あるのも事実です。

その中で、執筆初期に学習すると良いなと思うのが
「構図」です。

映画やゲーム、アニメ等の「構図」に関して体系化された教則本は、豊富にあります。
「構図」が読者・視聴者に与える心理を解説した本を、積極的に吸収して、成長していきましょう。

『マスターショット』は、シンプルな構成で解説された本で、入りやすい一冊です。
登場や会話のシーン、格闘やホラー、キスシーンやベッドシーンまで。
映画やドラマが、どのくらい計算されて、アングルを決めているのが分かる、良い本です。
この他にも構図で参考になる本は多数ございますが、まずは入門としてこちらを是非に。


『骨は珊瑚、眼は真珠』

3作目は、少し毛色を変えて…。
池澤夏樹先生の短編集です。
魅力的な短編小説が9本収録されています。
僕は個人的には『北へ』という短編が、美しくて切なくて好きなのですが、今回、ご紹介したいのは『鮎』という短編の作者による「註記」部分です。

この話、もとはどうもスペイン語圏の民話らしい。しばらく前に英訳で読んだ覚えがあるのだが、細部は忘れてしまった。
〜〜
なお、芥川龍之介の「魔術」という話がほぼおなじからくりだから、どこかにすべての原点というべき話があるのだろう。

是非に『鮎』という作品自体を読んでから、この註記全文を読んで欲しいので、一部抜粋しての引用です。
電子書籍も出ているので是非に。

元になったスペイン語圏の寓話のような物語と、
この考え方に基づいて池澤夏樹先生が書かれている短編小説を読んで、
「面白さを分解して再利用して、新しい作品を創る」
という創作の面白さと、考え方を学んで欲しい、
僕は、そう願っております。

*****

今回の記事は、以上です!

新人作家との打合せの際に、伝えたいことや、読んでみたら、こう考えてみたら、とお伝えする一部を書きました。
本当に極々一部の話です。

担当作家さんには、打合せの共通言語を増やすため&成長してほしいので、僕が良い!と思った作品の数十タイトルのインプットリストをお渡しすることもあります。

自分が成長するためには何を読んだら、見たらいいのか、知りたい!気になる!という方がいらっしゃったら、
是非に、少年ジャンプ+編集部へ持ち込みに来てみて下さい! Twitterでも持ち込み大歓迎です。

少年ジャンプ+編集部の僕らは、
面白い漫画を描こうとする作家の味方であり、伴走者でありたいと願っております。

林士平


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【第56回】ジャンプの未来を担う漫画家集結!!「ジャンプルーキー!」デビュー作家100人突破記念イベントレポート!!

9月7日(土)、集英社にて「ジャンプルーキー!」からジャンプ各誌にデビューした作家が100人を突破したことを記念し、「ジャンプルーキー!」投稿者限定イベントが開催。当初の募集人数の倍以上となる、約70名の作家さんが参加されました。
当日の様子を、私ライターのオオバが紹介させていただきます。


「ジャンプルーキー!」のこれまでの歩みと今後の展望

担当の少年ジャンプ+編集部・籾山氏、そして、開発・運営のコアメンバーであるはてな・石田氏、ネットコンプレックス・今村氏が登壇し、最初のトークコーナーがスタート。「ジャンプルーキー!」のこれまでの歩みを紹介しました。


「ジャンプルーキー!」の実績

「ジャンプルーキー!」には現在、多い月では1000を超える作品が新規に投稿されています。話数でいうと、2000~3000話が毎月更新されています。
また、ジャンプ各誌でデビューを果たした「ジャンプルーキー!」出身作家の人数なども公開。週刊少年ジャンプを含むジャンプ各誌へのデビュー数は、現時点で110名を超えています。(決定済を含む)

また、「ジャンプルーキー!」への投稿について、運営を担当するネットコンプレックス・今村氏は「ジャンプルーキー!への投稿作品は、頻繁に編集部員がチェックしており、全ての作品に目を通しています」と語り、「ジャンプルーキー!」から原石となる作品を見つけ、ヒット作へと導くためのシステムが構築されていることをアピールしました。

「ジャンプルーキー!」ではこれまでも、投稿者や読者からの要望を受けて、コメント機能を実装することで投稿者が読者から直の反応を受け取れるシステムを追加導入するなど、常に機能改善・投稿しやすさの向上を目指しており、今後もさらなる追加機能が期待されます。


「ジャンプルーキー!」出身作家3名による座談会

「ジャンプルーキー!」投稿から「少年ジャンプ+」での連載を果たした小田原愛先生(代表作『LAND LOCK』など)成田成哲先生(『アビスレイジ』連載中)みつちよ丸先生(代表作『生者の行進』が登壇。デビューに至る経緯などさまざまな質問に対し赤裸々に語って下さいました。

―――「ジャンプルーキー!」に投稿してからデビューに至るまでの経緯は?

小田原愛先生(以下、小):「ジャンプルーキー!」に作品を投稿していく中で現在の担当編集に声をかけてもらったのがきっかけです。そこから連載用ネームを描いて、自ら出張編集部に持ち込みました。その場で担当編集に読んでもらい「いいと思います」と言って頂き、「少年ジャンプ+」での連載会議提出に向けて一緒にネームを詰め『魔喰のリース』での連載が決まりました。

成田成哲先生(以下、成):最初は他紙に作品を投稿していたのですが、「ジャンプルーキー!」の存在を知り仕組みなどに興味を持ち、「ルーキー!」に過去作品を投稿してみたんです。すると編集部からメールをもらいまして…正直、編集部からメールが来るのなんて都市伝説だと思っていたので驚きました。そこから一度実際に会って打ち合わせすることになり、そこで編集ととても気が合ったんです。なので他誌ではなく「ジャンプルーキー!」でデビューを目指そうと思いました。何度か「少年ジャンプ+」読切掲載には至ったのですが連載までには届かず、一時期掲載会議用に毎回2本ずつネームを送っていました。1本は自分が描きたい「格闘」マンガを。もう1本は流行を取り入れた作品を。多くのネームを切った結果、当時流行っていた「グルメ」に「マッチョ」を組み合わせた『マッチョグルメ』が生まれ連載に至りました。

みつちよ丸先生(以下、み):以前は海外で生活をしていたので「ジャンプルーキー!」という環境に制限されないマンガ投稿サービスが始まったのを知り、すぐに過去作などを投稿しました。2年程経った時に編集部から声をかけてもらい、この頃には日本に戻っていたので、担当編集と打ち合わせて「少年ジャンプ+連載グランプリ」(※1)での受賞を目標に作品制作が始まりました。当時はマンガを描くことに慣れておらずネームを4、5本提出し、その中の1つを修正し、受賞したのが『生者の行進』になります。
※1 「ジャンプルーキー!」で開催される「少年ジャンプ+」での連載&単行本化直結の漫画賞

―――初投稿から「少年ジャンプ+」掲載に至った期間は?

小:「ジャンプルーキー!」に投稿してから3ヶ月で編集部に声をかけて頂き、出張編集部に持ち込む用のネームづくりに1ヶ月程…そこから「少年ジャンプ+」連載会議用の作品づくりに1ヶ月程なのでざっくり半年くらいです。

成:初投稿から3ヶ月後には「少年ジャンプ+」掲載会議にネームを提出し、その翌月には掲載用原稿を描き始めていたので4ヶ月程です。

み:投稿から2年で「少年ジャンプ+連載グランプリ」を受賞し、連載準備期間に1年頂きました。

―――作品を投稿する際に意識した点は?

小:サムネイルはカラーにするよう心掛けていました。多くの作品がある中でとにかく自分の作品が「読者の目に留まる」にはどうするべきかを考え、連載前はサムネイルも工夫しかなり時間をかけて作っていました。

成:僕も小田原先生と同じで「読者の目に留まる」ことは重要だと思います。僕は閲覧数が高い作品をピックアップしてデータ化し、サムネイルの傾向や平日と休日での閲覧数の違い、あとは「いいジャン!」されやすい作品などを研究しました。

み:月末だと「月間ルーキー賞」(※2)のランキングがなんとなく固まってしまっているので、なるべく月初めに作品を投稿するようにしていました。でも一番大事なのは自分が描きたいものを全力で表現して、フィーリングの合う編集者と出会えることかなと思います。
※2 「ジャンプルーキー!」で毎月実施されるマンガ賞。選ばれた作品は賞のランクにより、ジャンプ各誌に掲載、もしくは掲載権が与えられる。

―――自身の体験をもとに新人作家さんへアドバイスを送るとしたら?

小:あえてみんなが避けがちな難しい題材に挑戦することが大事かなと思います。私も周りと比べてしまって、自分には個性が無いと悩んでいた時期もあったのですが、だったら誰かと比べられない題材を描こうと前向きに挑戦し続けました。それからやはり目立つことです。担当編集からの連絡を待ち続けるのではなく自ら持ち込みに行ったり、アポを取って直接打ち合わせをする機会をつくるなど、記憶に残るような行動をするのも一つの手だと思います。

成:自分の武器を明確にすることが大切かと思います。僕の場合は自分が得意な題材と世間のニーズをうまく擦り合わせることで「マッチョグルメ」にたどり着けたのですが、それは絵が得意な人であれば絵を、ストーリーならストーリーの質を高めることで頭一つ抜ける武器になるのかなと思います。

み:私は一番ネームに時間をかけていて、仕上がったネームを毎回10回以上読み返しています。最初から最後まで話が頭にスッと入るよう、とにかくセリフの配置を変更したり、キャラの向きを変えたり何度も調整を繰り返し、ペン入れに入るようにしています。

―――ネームが通らない時のモチベーションの保ち方は?

み:ネームが通らないと悔しいのはみんな同じで…。私が面白いと思うストライクゾーンと担当編集のストライクゾーンは違うと思うのですが、本当に売れる作品っていうのはどっちのストライクゾーンにもヒットするものだと思うんです。なので自分が面白いと思うものの中に担当編集にもヒットする要素を落とし込み、両者共に面白いと思える作品を目指します。あとは思い切ってネームを丸ごと捨てます。自分の描いたネームは愛着が湧いてしまって直したくないと思ってしまうので…。思い切って捨てて、分岐点から考え直します。

投稿者からの質問も交えつつ、作家3名の体験談など会場でしか聞けないようなマル秘エピソードもあり、とても貴重な時間となりました!


編集部員が語るデビュー作の傾向と強み

続いてのトークコーナーでは、編集者4名が登壇。
少年ジャンプ+編集部員の小池氏・玉田氏・榊原氏に加え、「週刊少年ジャンプ」で14年半編集を勤め現在はキャラクタービジネス室に在籍する齋藤氏がマンガ論を熱く語りました。


どんな作家に声をかけ、どんな作品を求めているか
まず語られたのは、日ごろから「ジャンプルーキー!」の投稿作品や持ち込み作品に目を通している4人が、どのような作家・作品に興味を持ち、担当したいと思うのか、そしてどんな作品を作っていきたいと思っているのかというお題に沿ってトーク。

小池氏は「個性を発揮している作品は魅力的に見えますね」と語り、作家としての自分の個性を落とし込むことで作品の個性を強め、さらにそれが読者に伝わるよう努力している作品ほどデビューにつながりやすいと話しました。さらに、投稿をためらってしまう人も多いと思うが、とにかくたくさんの作品を描いて投稿していくことで、読者や編集に見てもらい、コメントをもらうことで自分の作品を昇華させて欲しいと思いを述べました。

続く玉田氏は「演出力」、榊原氏は「ジャンルを意識する事」が大事であると話し、同じような題材でも演出による見せ方や、流行のジャンルを上手く取り入れることでヒット作が生み出せると述べました。

また、齋藤氏はビートたけしの「売れることはできるが、どう売れるかは選べない」という名言を引用し、自分の得意分野以外の作品も投稿して欲しいと話しました。これは、作家自身が得意だと思っているジャンルや強み以外のところに作家の長所があった場合、それを編集部員が見抜きヒット作品を生み出せる可能性があるからだといいます。


「ジャンプルーキー!」投稿作家から編集部員への質問!

続く編集者への質問コーナーでは、投稿作家たちから多くの質問が寄せられました。

Q.投稿してくる作家の年齢は気にしますか?

A.小池氏
個人的な意見としては、半分は気にして半分は気にしないです。皆さん、読者として面白い作品を読んだときに作者の年齢を気にしたことってありますでしょうか?ないと思いますが、それが気にしない理由です。年齢で面白さは変わりません。ただ、現在の実力に年齢は関係ありませんが、今プロ作家未満の実力でこれから伸びる必要がある新人作家には年齢は関係あります。スポーツや勉強、なんでもそうですが若い人の吸収力は高いです。編集としての経験で言っても、漫画においても若い人達の方が予想を上回って成長することが多い印象です。それが年齢を気にする理由です。即戦力なら年齢気にしませんし、そもそも聞きません。ただ、今一歩ならば年齢はやっぱり気になります。

Q.「少年ジャンプ+」では今どんな作品を求めているのでしょう?

A.玉田氏
エロのジャンルは安定して強いですが、いつ飽きられるかは分かりません。なので、人のやっていないこと、誰も描いていないジャンルを描いてもらいたいです。

Q.TwitterなどのSNSで作家を発掘する時、フォロワー数は多い方がいいのでしょうか?

A.齋藤氏
僕はフォロワーが多い人や、RT・いいねなどを多く稼いでいる人より、フォロワーが少ない人の方がいいです。
例えば、『悪魔のメムメムちゃんを「少年ジャンプ+」で連載している四谷啓太郎先生も、最初に知った時はフォロワー1000人に満たなかったと思います。そこで、まだ誰も声を掛けていないだろう。チャンスだ!と思って声を掛けましたね。あとは、『エンペラーといっしょ』を連載していたmato先生も1000人ちょっとくらいだったと思います。
フォロワーが多い人だと、他の出版社や媒体などから声が掛かっている可能性も高いため、自分の場合は逆に掛けづらくなっちゃいます。

時間の都合で質問コーナーは終了となりましたが、投稿者が編集部員に質問したいことは非常に多いようで、その後の編集部見学や交流会でも盛んに編集部員への質問が飛び交っていました。一部の質問と編集部員の答えを列挙していきます。

Q.WEBだとギャグマンガは受け入れられにくいのでしょうか?

A.玉田氏
そうとは限らないと思います。また、WEBと紙の雑誌、両方狙う作家さんもいます。
例としては元々「少年ジャンプ+」で『剥き出しの白鳥』を連載していた鳩胸つるん先生も「少年ジャンプ+」では閲覧数も多く、読者にも好かれていたんです。でも、そろそろ次のステージに上がりたいよね、という話を先生として「週刊少年ジャンプ」での連載開始を目指そうと決めました。そんな経緯を経て、最近『ミタマセキュ霊ティ』の連載が始まったという感じです。

Q.「少年ジャンプ+」は、他のマンガアプリに比べて読切作品が多いイメージですが、なぜなのでしょうか?

A.小池氏
作家さん・読者さん、両方にとって得だと思って掲載しています。読切は作品自体や作家さんの作家性を読者に試す大事な機会です。「読切なんて遠回り」とお考えになる作家さんもいるかもしれないですが、連載は作家さんにとっても時間的労力的コストが高いので、試すことは非常にコスパが良いと考えます。その得は読者にもそのまま波及します。一方、読切作品はコミックスが発売されないので、出版社の直接的な儲けにはなりません。だから、他のWEBメディア、特に出版社系以外の漫画アプリだと読切が少ない傾向があるのですが、上記の通り作品を研磨し作家さんに成長してもらう機会を作るという意味で長い目では出版社にも得だと思ってます。なので、なるべく多くの読切作品を掲載するようにしています。言い換えると、他のアプリに比べて読切作品が多いなら、作家さんに一番「投資」しているアプリはジャンプ+とも言えるかもしれません。


ジャンプ編集部見学!

座談会後、編集部員案内のもとジャンプ編集部へ。
初めて訪れた投稿者たちの中には『バクマン。』(大場つぐみ先生/小畑健先生)で実際に描かれていた風景そのままだと感動している姿も。
編集者の主な仕事内容の紹介や、現役連載作家とのこぼれ話、他にも投稿者からのさまざまな疑問に答えながら編集部見学となりました。


連載作品の生原稿が目の前に!

見学の途中には、「少年ジャンプ+」にて連載中の『青のフラッグ』(KAITO先生)と『群青にサイレン』(桃栗みかん先生)の生原稿を間近で見ることができる場が設けられました。作家直筆の指示やメモ、ウラ面に描かれたアタリなど、生原稿ならではのリアルさを体感。投稿者たちはその繊細で迫力ある筆致に魅入られていました。


イベントの終盤には交流会&原稿の持ち込みも!

編集部見学後は立食形式での交流会が開かれ、投稿者同士はもちろん、作家や編集部員、運営など参加者全員が自由に交流を深めました。
投稿者が編集部員や作家と気軽にコミュニケーションをとれるのもリアルイベントならでは。

また、交流会では投稿者が自由にイラストを描けるボードも設置され、イベントの盛況を表す記念の寄せ書きが完成しました。

さらに原稿持ち込みの場(事前予約制)も設けられ、多くの投稿者が自身の作品を編集者に持ち込んでいました。顔をつきあわせての打ち合わせは、編集者からのリアクションやアドバイスを直に得ることができる貴重な機会。中には今回が初の持ち込みで担当編集がついた投稿者の姿も!


最後は「少年ジャンプ+」編集長・細野修平より投稿者へのお礼と激励の言葉で会は締められ、「ジャンプルーキー!」初のリアルイベントは大盛況のうちに終了しました。


「デリバリーおじさん」の岡悠先生・青野てる坊先生がイベントの様子を突撃レポート!

「デリバリーおじさん」の作者がジャンプルーキー!イベントにデリバリーされた話。

当日の様子や参加者の感想などはTwitterでも見ることができます。


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【第55回】漫画家になりたい! 夢や趣味で終わらせないために

どうも、初めまして。8月よりジャンプ+編集部で働いております緑川(みどりかわ)です。
実は私、編集をやる前は作家を目指していました。
喫茶店で小説を書いたり、安いけどシナリオライターの仕事をしたり。とにかく本が好きだったので、漫画や小説に関わる仕事がしたかったんです。今は編集として漫画に携わることができるようになり、毎日楽しく働かせてもらっています。
もし途中で諦めていたら、私は名前の通り緑と川に囲まれた田舎でまったく興味のない仕事をしながら、毎日をなんとなーく過ごしていたことでしょう。

確かに夢を追うのは大変です。周りから反対されたり、叶わなかったらどうしようという不安もあります。……その気持ち、わかります。夢など追わず大人しくしていれば誰からも文句を言われない。
しかし「漫画家」「小説家」「俳優」「歌手」「声優」など、プロになった方は自分の本当の気持ちを大事にしたんだと思います。そして彼らはみな、夢に向かって行動しているんです!

「漫画家」になりたいと夢をお持ちの方、漫画を描いたけれど誰にも見せず、机の引き出しに眠らせている作品はありませんか?最初は誰だってうまく描けません。しかしジャンプ+編集部は、磨けば光る原石を常に探しています。

そんなわけで、今回はジャンプ+編集部が現在行っている「漫画賞」についてご紹介したいと思います。

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<「少年ジャンプ+」超速!連載グランプリ2019>

「少年ジャンプ+」超速!連載グランプリ2019では、ゴールドグランプリが必ず1作品選出され、即連載とコミックス化が確約されています。選考は二回。一次審査はジャンプ+編集部、二次審査はなんと「ジャンプ+」アプリに公開され、読者投票により受賞者が選出されます。賞金はゴールドグランプリで100万円、またすべての賞で「ジャンプ+」3話合計いいジャン!数も賞金として加算されます。
「少年ジャンプ+」超速!連載グランプリ2019の締め切りは2019年10月31日(木)23:59まで。自信作をお持ちの方はぜひぜひご応募ください!

同類の漫画賞「第2回少年ジャンプ+連載グランプリ」では、『生者の行進』のみつちよ丸先生がグランプリを受賞しております。

『生者の行進』みつちよ丸先生

☆ゴールドグランプリ
・少年ジャンプ+で連載&コミックス化
・賞金100万円+3話合計いいジャン!数の賞金+連載に際しての原稿料+コミックス化の印税!
☆シルバーグランプリ
・少年ジャンプ+で短期連載
・賞金50万円+3話合計いいジャン!数の賞金+連載に際しての原稿料
☆ブロンズグランプリ
・3話合計いいジャン!数の賞金
・編集部バッジ賞

※編集部バッジ賞
・演出力、構成力、画力、キャラクター、ストーリー、オリジナリティーの6部門から、各特別賞を付与! それぞれ賞金10万円!(各部門、最低でも1人以上選出!)


<月間ルーキー賞>

ジャンプ+ではお馴染みの月間ルーキー賞。こちらはジャンプルーキー!で毎月開催しています。賞に応募された作品のうち上位10作品が候補作となり、その中から編集部の審査で選ばれます。選ばれた作品は賞のランクにより、ジャンプ各誌に掲載、もしくは掲載権が与えられます。現在ジャンプ+では約70作品連載しておりますが、ルーキー出身の連載作家さんが16名(そのうちルーキー賞受賞者は8名)います

「悪魔のメムメムちゃん」 四谷啓太郎先生
「スライムライフ」 メガサワラ先生
「アビスレイジ」 成田成哲先生 ★2015年6月期 ブロンズルーキー賞
「サイコアゲンスト」 平石六先生(作画:景山愁先生)
「開演のベルでおやすみ」 今越章了先生
「檻ノ中のソリスト」 森屋シロ先生 ★2016年3月期 ブロンズルーキー賞
「ドリキャン!!」 千葉侑生先生
「顔がこの世に向いてない。」 まの瀬先生 ★2018年7月期 ブロンズルーキー賞
「タテの国」 田中空先生 ★2018年8月期 ブロンズルーキー賞/2016年12月期 ブロンズルーキー賞
「府中三億円事件を計画・実行したのは私です。」 MUSASHI先生(原作:白田先生)
「むとうとさとう」 赤塚大将先生 ★2017年10月期 ブロンズルーキー賞
「爬虫類ちゃんは懐かない」 佐々木マサヒト先生 ★2019年1月期 ブロンズルーキー賞
「ヒナちゃんチェンジ」 梶川岳先生
「さっちゃん、僕は。」 朝賀庵先生 ★2017年12月期 ブロンズルーキー賞
「ロマンティック・キラー」 百世渡先生
「デリバリーおじさん」 岡悠先生/青野てる坊先生 ★2017年5月期 ブロンズルーキー賞

☆ゴールドルーキー賞
・少年ジャンプ本誌への掲載権確約
・賞金100万円
☆シルバールーキー賞
・少年ジャンプ増刊もしくは少年ジャンプ+連載枠に掲載
・賞金50万円
☆ブロンズルーキー賞
・少年ジャンプ電子版もしくは少年ジャンプ+連載枠に掲載
・賞金10万円
☆編集部期待賞
・賞金5万円


<ジャンプルーキー!アナログ部門賞>

デジタルは苦手、やったことがない方でも応募できるアナログ部門賞です。郵送で受け付けておりますので、もしアナログ原稿しかなくて「月間ルーキー賞」などデジタル投稿が難しい方はぜひこちらの賞に応募してみてください。アナログ原稿でも、ジャンプ+に掲載決定となった場合は弊社が責任をもって綺麗にデジタル化します! アナログ部門賞の締め切りは2019年12月31日(火)まで。当日消印有効です。

☆入賞
・少年ジャンプ+連載枠に掲載
・賞金100万円
☆準入選
・少年ジャンプ+連載枠に掲載
・賞金20万円
☆佳作
・賞金5万円
☆編集部特別賞
・賞金1万円


<その他の漫画賞>

ジャンプ+では、他にも画力だけで勝負するジャンプPAINT画力マンガ賞、23才以下限定の「U(アンダー)23ジャンプWEB漫画賞」、縦スクロール限定の「縦スクロール漫画賞」など、様々な漫画賞を開催し多くの作家さんを輩出しております。

*****

ジャンプ+はファンタジー・ホラー・SF・ラブコメ・恋愛・青春どんなジャンルでもOK。
気になった方はぜひ、持ち込みはもちろんジャンプ+の漫画賞に応募してみてください。
「才能あり」と見込んだ作家さんには、賞に入れなかったとしてもお声かけいたします!
住まいが都内近郊でなくても大丈夫。メールやお電話でアドバイスさせていただきます。
編集部も実は殆ど田舎者です(笑)。

少年ジャンプ+への持ち込み(03-3230-6133)


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【第54回】オールタイムベスト!編集部員に印象深い「ジャンプルーキー!」投稿作品を聞いてみた!!

「漫画を描き始めたけど、どこに気をつければいいか分からない...」
「ジャンプルーキー!に投稿しているけど、閲覧数もいいジャン!も伸びない...」
「編集部から声がかからない...」
このブログ読者の中には、こんな悩みを抱えている方も多いはず。
そこで今回はズバリ、
「ジャンプ+編集部員が見てきた中で、一番印象に残った投稿作品」について聞いてみました!
きっと創作のヒントも見つかるはず!!

*****

【編集部員I】
担当作品
群青にサイレン
この恋はこれ以上綺麗にならない。
終末のハーレム
すすめ!ジャンプへっぽこ探検隊!
奴隷遊戯
ヨルの鍵
ロマンティック・キラー

好きなマンガは「H2」「鬼滅の刃」「キングダム」「はじめの一歩」「BLUE GIANT」などヒット作から定番まで。
印象に残った作品には、他とはまた一味違う作品を挙げてくれました!


『GooWow』ソウイチロウ

「ストーリーの粗さは感じるものの、 ハリウッド映画のような世界観の壮大さに惹かれました。
読んでいて物語に没入させる演出の巧さや個性的な キャラクターたちが心に刺さったのを憶えています。
すぐにご連絡させていただいて担当となり、最初の打ち合わせ時に『人生で初めて漫画を描きました。』と聞いて更に驚かされました。」


【編集部員K】
担当作品
阿波連さんははかれない
アビスレイジ
檻ノ中のソリスト
開演のベルでおやすみ
怪物少女は初恋の夢を見るか?
過去のあなたを誘拐しました
タテの国
ヒナちゃんチェンジ

好きな漫画は「寄生獣」「金色のガッシュ!!」「火の鳥」「幽★遊★白書」と、新旧幅広くマンガを愛するKさん。 そんなKさんが選んだ投稿作品とはー!?


『想造』kemori(森屋シロ)

「一発で伝わる世界観のスケールとキャラクターの愛らしさ、マクロとミクロの魅力が同時にある作品で衝撃を受けました。
プロの漫画では中々ない、中編のページ数を活かしきった作品で、その意味でも読み味が長編・短編と異なり新鮮で、面白かったです」


【編集部員S】
担当作品
地獄楽
スライムライフ
むとうとさとう

フットサルで日本一になった経験もある編集部員!好きなマンガは「DRAGON BALL」「SLAM DUNK」「俺たちのフィールド」「ワイルドマウンテン」というラインナップです。
選んだのは「スポーツ」カテゴリから、この作品!


『DAMAISM』坂上くん

「圧倒的な美的センスで魅了した次世代けん玉漫画!
ジャンプルーキーが設立され初めて大きくバズった作品なのでとても印象深いです。
なんと言っても演出力がズバ抜けていて、古風なけん玉を様々な構図や見せ方でカッコイイ競技へと見事に変貌させたその手腕は見事でした。
編集部はもちろん、SNSなどであっという間に話題を呼んで、多くの方から反響がありウェブ漫画の広がりの速さにも改めて驚かされました。」


【編集部員T】
担当作品
さっちゃん、僕は。
屍人荘の殺人
昭和オトメ御伽話
隣の部屋から喘ぎ声がするんですけど…
なにがニャンでも居候!!
爬虫類ちゃんは懐かない

好きなマンガは「フルーツバスケット」「魔法陣グルグル」「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」
編集部で一番ルーキーに目を光らせていると噂の、Tさんが選んだのはこの作品!!


『ようこそ亡霊葬儀屋さん』吉良いと

「新人離れしているドラマの演出力に驚かされた作品でした。
また、幽霊の声が聞けるという設定自体は、よく見るものなのですが、その設定を葬儀屋さんの主人公に落とし込むことで、興味が惹かれる企画になっていたように思います。 」


【編集部員F】
担当作品
俺を好きなのはお前だけかよ
サイコアゲンスト
とけだせ!みぞれちゃん
花のち晴れ~花男 Next Season~
左ききのエレン
モネさんのマジメすぎるつき合い方

好きなマンガは「H2」「乱と灰色の世界」「WORKING!!」という、若手編集部員が選ぶ作品とは!

・最も印象深い作品


『デリバリーおじさん』青野てる坊

「ジャンプルーキーの中でも珍しい「おじさん」が主人公の作品。「あらゆるジャンルの投稿を募集しているジャンプルーキーならではの作品だな」と思い、印象に残っています。そんな『デリバリーおじさん』がジャンプ+で8月15日(木)より毎週木曜日更新・全7回の連載になります!ぜひ読んでみてください!」


【編集部員L】
担当作品
彼女と彼
SPY×FAMILY
チェンソーマン
ドリキャン!!
HEART GEAR
ムーンランド

好きなマンガは、「‪赤ちゃんと僕」「寄生獣」「今日から俺は!!」「ザ・ファブル」「7SEEDS」「プラネテス」「マイホームヒーロー」など...「ありすぎて、書ききれないです!」というほどのマンガ好き!!
今回は新しい作品をピックアップしてくれました。


『魂の使い方』へじていと

「導入のスピード感・話の構成の丁寧さ、キャラの会話劇の『抜け感』・キャラの魅せ方、に才能を感じました。同時に投稿していた『すすめ脳力開発部』と一緒に読ませて頂いたのですが、両作とも構成とキャラのかみ合わせ、企画としての狙いが明確で、将来性がとても期待できたので、印象深く覚えております。」


毎日沢山のマンガが投稿される「ジャンプルーキー!」
その本数は毎月数百本にものぼります。
膨大な作品の中から抜け出し、次のステージへ進むには...
やはり、「印象に残る」ことが重要です。

魅力的な「キャラクター」で惹きつける、
構図や見せ方を駆使した「演出」で圧倒する、
斬新な「テーマ」を設定し、今までにないストーリーを展開する...
ここまででお分かりのように、印象に残るための手段は様々。

今まで自分の作品に何が足りなかったのか?
「つまらなくはない」「面白い!」にするにはどうすればよいのか...?
この記事を読んでヒントを掴んだら、早速投稿を!

ジャンプルーキー!は年中無休で投稿可能。
次の「印象深い一作」を、編集部一同お待ちしています。

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ジャンプルーキー!presents「少年ジャンプ+」超速!連載グランプリ2019 投稿受付中!

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【第53回】ジャンプ+の原稿料、広告収入戻しなど ぶっちゃけいくらもらえるの?

ジャンプルーキー!に投稿してくださる方々には、
ジャンプ+で「読切を掲載したい」「連載したい」という作家さんも多いはず!
そんな方々は仕事として、より具体的なお金や、連載に関することが聞きたいはず!
そこで今回は、そこらへんを詳しくご説明いたします。
2019年7月4日現在でのお話となります。

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■原稿料

読切の場合は、モノクロ1ページで9000円~
連載の場合は、モノクロ1ページで12000円~
もちろん連載経験作家さんなどは、過去の実績を踏まえた額を相談の上、お支払いしています。縦スクロールはページ換算して原稿料をお支払いします。


■広告収入

ジャンプ+はオリジナルの連載中マンガに入る広告売上の50%を作家さんに還元しています。毎月、数十万円単位でお戻ししている作家さんが複数いらっしゃいます。


■連載ペース

月刊、隔週刊、週刊、日刊、などがあります。特殊な例では「3回週刊+1回休み」の周期を繰り返すという作品もありました。作品内容や作家さんのペースに合わせた連載ペースを編集部と相談することができます。

左から「月刊」「隔週刊」「週刊」連載作品


■ページ数

多い場合も、少ない場合も、ページ数に制限はありません。ペン入れ中にもし「あと1ページ増やしたい」など思ったら、担当編集にぜひ相談を。


■ジャンルに制限は? ジャンプっぽいものがいいの?

ジャンルに制限はありません。どんなものでも歓迎です。
よく「ジャンプっぽいものじゃなきゃダメだと思っていた」と言われますが、全くそんなことはありません。表現上の問題が無ければ、大丈夫です。


■他誌で連載していたんだけど…?

全然良いです。どしどし来てください。


■マンガの形式

フルカラーや縦スクロール、など様々な形式の連載作品があります。連載の形式に、制限はありません

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ジャンプ+はこんなWEBマンガ雑誌です。
ぜひとも、ジャンプ+でマンガを描くことを検討してみてくださいね。

「ジャンプルーキー!」は365日24時間いつでも投稿受付中。
少年ジャンプ+への持ち込み(03-3230-6133)もいつでも大歓迎です。


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■ジャンプルーキー!からデビューした作家一覧はコチラ


ルーキー出身作家一覧はコチラ