一次審査会議の内容-「少年ジャンプ+」超速!連載グランプリ2019

ジャンプルーキー!presents「少年ジャンプ+」超速!連載グランプリ2019 一次審査連載会議の内容を公開!!!

締め切りから1か月という、その名に恥じぬスピード感で連載が決定する「超速!連載グランプリ」。
その一次審査では、まず実際に漫画の編集業務に携わる現場の「少年ジャンプ+」編集部員による「連載会議」が開かれ、投稿作品を絞り込んでいく!

「少年ジャンプ+」編集部員による
「連載会議」の模様を公開!!

過去の連載グランプリでは……

グランプリに輝いた作品は、「少年ジャンプ+」での連載とコミックス化が確約されている。2018年に開催された「超連載グランプリ」でグランプリに輝いた「秘密の果実」は、2019年11月から「少年ジャンプ+」にて連載を開始。さらに準グランプリの「おはようサイコパス」の連載も開始している。

秘密の果実
『秘密の果実』

また今回は、連載&コミックス化まで確約されるゴールドグランプリ、短期連載が確約するシルバーグランプリに加え、いいジャン数に応じた賞金がもらえるブロンズグランプリといった豊富な賞が用意されているのだ。

いきなり現場編集部員による連載会議が行われる「超速!連載グランプリ」。
編集部員たちの厳しい選定により、一気に10本程度まで絞られる!!

編集部員紹介
編集A

今回の議長役。好きなジャンルはラブコメ、バトル、ギャグの中堅編集者。

編集B

朝から晩まで打合せし続ける、ポジティブ&ハイテンションなベテラン編集。

編集C

30代中堅編集者。癒し系から死ぬ系まで硬軟極端な守備範囲を走る東北人。

編集D

編集者5年を迎え色々脂が乗ってきた。目のクマが悩みでもありチャームポイント。

編集E

北は北海道、南は福岡まで出張で飛び回る30歳。幅広いジャンルを担当。

編集F

まだまだ駆け出し新人編集者。ジャンプルーキー!すごい読んでる。

編集G

新人編集者。好きなジャンプ作品は『魔人探偵脳噛ネウロ』。

編集H

ゴリラと犬好きの編集。顔がいいキャラ(個人の見解)が好き。

編集I

『爬虫類ちゃんは懐かない』を担当。好きな食べ物は小松菜。

全投稿作品から、編集部員が注目した作品を発表!!

編集A

編集部の皆さんお集まりいただきありがとうございます。「少年ジャンプ+超速!連載グランプリ2019」の現場編集者による審査を始めたいと思います。今回は締切から1か月で結果が出るというスピードを重視したスケジュールで、賞の種類も増やしたことからこれまでよりも多くの投稿をいただきました。一次審査では、まずはここに集まった編集部員たちで、全投稿作品の88本から一次審査突破候補となる10本程度を選びます。その後、編集長と副編集長による審査を経て、合格した5~7本の作品が二次審査に進むことになります。

それでは編集会議を始めます。まず最初に、各編集部員の一推し作品を挙げてください。編集Fさんからどうぞ。

編集F

まずは『なんばしよっと?岡山さん』。中心人物となる女の子二人の関係性がしっかり作られていて、彼女たちが照れるポイントもかわいく、面白かったです。 次に『喪々太郎死す!』。ギャグというジャンルでは、今回の投稿作品の中でも一番しっかりしていました。絵も良かったですね。 『さんどビッチうーまんず』は、絵のテイストが好きでした。ただ、1話を読んだ時には最初に登場した女の子二人でこの先も展開していくのかな、と思っていたら2~3話で全然違う方向性のギャグになっちゃったので、ちょっと肩透かし感がありましたね。 『飛行少女日和』。本当に画力が高く、ファンタジーな世界観での日常を表現するのも上手だったと思います。 最後に『KILLER FRIENDS』。オシャレな雰囲気に個性が感じられる作品で、好きな漫画でした。

飛行少女日和
『飛行少女日和』
編集A

ありがとうございました。続いて編集Gさん、お願いします。

編集G

まずは『ハイパーインフレーション』。1話からの引きがすごくうまくて、投稿作品の中でも高いレベルの作品でした。 『飛行少女日和』は、画力が高く、「少女終末旅行」的な雰囲気が生かされていたので推したいです。 あと『笑男-ショーメン-』。ギャグがしっかり面白く、キャラクターがありきたりじゃない点がよかったです。 次に『KILLER FRIENDS』ですが、この作家さんは何度も「ジャンプルーキー!」に投稿してくれているんですよね。絵柄に独特の雰囲気がある方だったので投稿作は毎回読んでいたんですが、今回の題材はその絵柄の雰囲気にマッチしていて、作家さんのレベルが上がっているなと感じました。

KILLER FRIENDS
『KILLER FRIENDS』
編集A

では編集Iさん、お願いします。

編集I

4つ選んだんですけど、最初は『サイエンス・ノンサイエンス』で、引きがうまく作れていて、青春モノをベースに幽霊の男の子とキメラの女の子という「科学と非科学」の組み合わせが独特で面白かったです。 『おはようオオカミくん』。二人の関係性がコミカルに描けていて、ラブコメとして男女問わず人気が出そうな作品でした。 あとは『ハイパーインフレーション』。1話の引きが素晴らしく、一番続きが気になった作品です。 最後に『飛行少女日和』ですが、雰囲気がすごくよかったですね。

サイエンス・ノンサイエンス
『サイエンス・ノンサイエンス』
編集A

続いて編集Hさん。

編集H

1つは『おはようオオカミくん』。絵柄がすごく好みだったのと、女の子がかわいいというのは武器になると思います。少しネームが詰め込みすぎだったので、演出面を磨けばもっと良くなるかなと思います。将来性を感じる作家さんでした。 次に『転職のカミバラさん』。絵が独特で引きがあり、オチもうまくてインパクトが大きかったです。なにより「ジャンプ+」の読者層にぴったりくるテーマだったと思いました。 もう1つが『親愛なる人間ランド』。これは悩んだんですが、表現力が高かったので推したいと思います。 最後は『KILLER FRIENDS』。絵柄が独特で、将来的にもっとうまくなるんじゃないかと感じた作家さんでした。

転職のカミバラさん
『転職のカミバラさん』
編集A

次は編集Eさん。

編集E

『なんばしよっと?岡山さん』。絵柄が個性的でかわいいし、企画がシンプルで読者としても楽しむポイントが分かりやすいから、商品として売っていきやすい作品だと思います。 次に『飛行少女日和』。これだけの世界観を描ける作家さんはなかなかいないし、壮大な世界観を自分の中に持っているっていうのは魅力です。

なんばしよっと?岡山さん
『なんばしよっと?岡山さん』
編集A

じゃあ編集Dさん、どうぞ。

編集D

『喪々太郎死す!』。ギャグとして笑えたし、キャラをしっかり描けているなと思いました。 次に『サイエンス・ノンサイエンス』。1話目の引きがうまく、作家さんのレベルの高さを感じました。 『魂振(ソウルフル)』。アクションの見ごたえがあって、楽しく読めました。 『着ぐるみトーク』。企画が面白く、毎話しっかりオチがありWEB漫画に向いていると思いました。 『ハイパーインフレーション』は、どう困難を乗り越えるのか、ワクワクして読めた作品でした。 最後に『KILLER FRIENDS』。作家さんのセンスのよさが抜群で、投稿作品の中でもひときわ目立つ作品でした。

ハイパーインフレーション
『ハイパーインフレーション』
編集A

では次は自分が選んだ作品ですが、『ハイパーインフレーション』が一番面白かったです。ほかではあまり見たことがないオリジナリティのある設定で、これだけ読者を引っ張りながら話を転ばせられるのは立派なネームだな、と思います。 次に『転職のカミバラさん』。皮肉のきいたブラックユーモアがうまくて、悪いヤツがひどい目に会うという展開がシンプルに気持ちよかったです。 『喪々太郎死す!』は、笑えました。桃太郎のパロディはかなりやり尽くされているのでハードルが高いんですけど、自分のギャグをしっかり出せていたなという印象です。3話目で初登場したキャラでも笑いを作れていたのも、広げ方がうまいなと思いました。 あとは『ギャルがノリだけで適当に作った飯』。登場人物の関係性の作り方がすごくうまいのと、適当な料理のように見えて、意外とアイディアが詰まっている点が好感度が高かったです。 『サイエンス・ノンサイエンス』。テンポがよくて読みやすかったです。ちょっと要素が多くて設定を理解するのに苦労する印象もありましたが、その設定の中で読者の興味を途切れさせなように描けていたのがよかったかなと思います。 『飛行少女日和』は皆さんと同意見です。 『無命のザン』は、ちょっと粗削りな点はあるんですけど、キャラクターが魅力的で、興味を引けていたのがよかったです。冒頭が唐突なところを工夫すれば、もっと良くなる作品だと思いました。 『なんばしよっと?岡山さん』は、1話目はちょっと足りないかなと思ったんですが、2~3話と読み進めていくうちに二人の関係性が深堀りされてきて、面白くなっていきそうだなと感じました。 『おはようオオカミくん』。絵がとにかくうまいです。 最後に『さんどビッチうーまんず』ですが、ハイテンションでぶっ飛んでいく雰囲気は人を選ぶかもしれませんが、画力が高く、その突拍子のない展開が面白かったと思います。

喪々太郎死す!
『喪々太郎死す!』
編集A

続いて編集Cさん、お願いします。

編集C

一番面白かったのは『ハイパーインフレーション』です。みんなが言うように引きがしっかり作れていて、連載する作品としてよくできていると思いました。 次は『飛行少女日和』。世界観の雰囲気がうまく表現できていて、それだけでも連載するレベルにあるかなと思いました。 あと『桃太郎殺し太郎』。これはすごくWEBに適した漫画だと思います。勢いを全面に押し出す昔ながらのWEB漫画としていいなと思いました。 『ケ・セラ・セラ!』は、ギャグが好みでした。同じように『惰天使メルトダウンはめんどくさい』も、キャラクターの勢いがあってよかったです。 あとはWEB漫画っぽい、ちょっとエッチな作品として『逝かない彼女のイカせ方』はタイトルから企画が分かりやすく、読者の喜ぶところを突いている作品だと思ったので、推します。

桃太郎殺し太郎
『桃太郎殺し太郎』
編集A

では最後に編集Bさん、お願いします。

編集B

『笑男-ショーメン-』。不思議なキャラクターがうまく描けていて、読みやすかったです。 次は『ギャルがノリだけで適当に作った飯』。男女の関係性はベタなんですが、さくさくと読めたので僕は好きでした。 『逝かない彼女のイカせ方』。企画が明確で、くだらないけど読みやすいのはいいと思います。 あと『飛行少女日和』は絵がよかったですね。それだけで押したいです。 もう1本、『ぺぺぺ組』。シュールな雰囲気や、独特のネタが個人的に好きな作品です。コミックスとして1冊分ぐらいの分量を読んだら、すごく面白くなりそうだなと思いました。

編集C

個人的に好きな雰囲気とか、そういうのは大事だよね。

ぺぺぺ組
『ぺぺぺ組』

編集部員が選んだ“一次審査突破候補”10本が決定!

編集A

ありがとうございました。それでは、一次審査の絞り込み選考を突破する作品を決めたいと思いますが、まずは得票数の多かった作品から見ていきましょう。一番票が多かったのは『飛行少女日和』でした。

編集C

みんなが推していた作品なので、残していいんじゃないですか。

編集A

あとは『ハイパーインフレーション』も票が多かった作品ですが、こちらも問題ないでしょうか。

編集C

キャラクターや設定がオチありきなのは気になりますね。

編集B

設定が複雑なので仕方ないんですが、セリフでの説明が多いのでもう少し絵で見せるなど工夫は必要かもしれません。

編集H

でもネームはすごい良かったですよね。

編集D

そうですね。気になる部分はありつつも、それ以上に楽しく読めた作品なので一次審査突破候補にしてよいと思います。

編集A

それでは『飛行少女日和』『ハイパーインフレーション』の2本は残しましょう。 次に『KILLER FRIENDS』が4票獲得しています。

編集D

この作品は、漫画家さんの作家性が一番出ていた作品だと思いました。

編集B

「ウルトラジャンプ」で連載されている三輪士郎先生のような雰囲気がありますね。

編集A

それでは『KILLER FRIENDS』も一次審査突破候補に決定とします。

続いて『なんばしよっと?岡山さん』『喪々太郎死す!』が3票ずつ入っています。

編集D

『喪々太郎死す!』は純粋に、ギャグマンガとして笑えた作品なので推したいです。

編集E

ギャグ漫画で3人の編集が推しているんだから、突破でいいと思います。

編集A

それでは『喪々太郎死す!』は一次審査突破候補ということで、『なんばしよっと?岡山さん』はいかがでしょうか。編集Eと編集Fが推していましたが。

編集B

編集Eさんはこの作品好きそうだよね。方言に対してのフェチがあるんじゃないですか(笑)。

編集E

そういうわけじゃないんですが(笑)、『なんばしよっと?岡山さん』は絵柄が独特で、唯一無二な作品だと思いました。カラーイラストもうまいですよね。

編集D

作品の売りがわかりやすかったです。

編集A

3話分という短いページ数の中で二人の関係性が変化していく様子がしっかりと描かれていて、連載したらもっと面白くなるんじゃないかと思いました。

なんばしよっと?岡山さん
『なんばしよっと?岡山さん』

では、『なんばしよっと?岡山さん』は一次審査突破候補にしたいと思います。続いて『おはようオオカミくん』『サイエンス・ノンサイエンス』も3票入っています。

編集H

『おはようオオカミくん』は女性も好きな絵柄だと思います。これだけの画力があるのであれば、一次審査突破候補に残してもよいと思います。

編集G

僕はストーリーの展開に少し無理があるかな、とは思いました。

編集C

僕もそう思って選びませんでした。1話目を読んで期待していた展開と、2~3話目の展開が、悪い意味で予想外だったというか。

編集E

読者の期待と離れていくのは、ちょっともったいない感じがしますね。ただ、画力については連載できるレベルにはあると思います。

編集H

描いていけば描いていくほど、良くなっていくんじゃないでしょうか。

編集C

ただ、この「超速!連載グランプリ」は、今のまま連載して面白い作品じゃないとグランプリとして相応しくないですよね。

編集H

そうなんですよね。絵柄はすごく好きなんですけど、今の状態のままだと難しい部分もあると思います。

編集A

それでは、『おはようオオカミくん』はいったん保留ということにしましょう。『サイエンス・ノンサイエンス』についてはいかがですか。

編集I

設定的に、最初は分かりにくい部分もあったかと思うんですけど、物語が進むうちに徐々に伏線が明らかになる感じは連載向きだと思います。複雑な設定の中にも、「青春」というキーワードを大事にしているところも好感が持てます。

編集A

「死んじゃった男の子の視点」で始まるっていうのが面白くて、その設定をうまく生かしていましたね。ただ、その設定をもっと定着させてから研究所の話などの次の展開に持って行ったほうがよかったかもしれないです。

編集D

自分も同じ意見で、2~3話で急に話が大きくなりすぎていて、序盤はもっと身近なところで話を進めて欲しいな、というのがありました。ただ、1話の展開や引きの作り方には作家さんのレベルの高さを感じたので、次の選定に進めてもよいと思います。

編集A

それでは、この作品は一次審査突破候補に決定します。ここまで6本の作品が編集長たちの審査に進むことが決まりましたが、ほかに強く推したい作品があれば発表してください。

おはようオオカミくん
『おはようオオカミくん』
編集A

僕からは『転職のカミバラさん』を推したいです。

編集H

私も推したい作品です。

編集A

シンプルに面白かったっていうのが大きいんですが、『笑ゥせぇるすまん』に似た雰囲気もあり、どうしようもないヤツが痛い目を見るという展開で、読者に対して教訓を与えられる作品だと思います。

編集H

ネームがすごく読みやすくて、飽きずに最後まで楽しめましたね。

編集A

ということで、『転職のカミバラさん』は一次審査突破候補でよいでしょうか。ほかに推したい作品がある方はいらっしゃいますか。

転職のカミバラさん
『転職のカミバラさん』
編集D

最初には挙げなかったんですが『ギャルがノリだけで適当に作った飯』は面白かったです。似たような作品は他にもあるんですが、売りがシンプルでWEB漫画に適しているかと思います。

編集A

3話目のオチでヒョウ柄のご飯を出すところとか、ちゃんとギャル的なアイディアを入れようとするところに好感が持てました。

編集G

僕は似ている作品がどうしても思い浮かんじゃって推せませんでした。類似作品に勝てる何かがあるかっていうと……。

編集A

そうなんだよねぇ。

編集C

絵はちゃんとうまいと思うんだけど、それだけで連載できるレベルかというと、そこまでではないかな。

ギャルがノリだけで適当に作った飯
『ギャルがノリだけで適当に作った飯』
編集A

他に押したい作品はありますか。

編集G

僕は『笑男-ショーメン-』を推したいです。1話目のクオリティが高かったです。

編集B

「壊滅的に笑いの分かっていないイケメン」っていう独特のキャラがいいと思いました。弱点が明確なイケメンって面白いよね。

編集G

主人公二人はどっちもダメな感じなんですけど、そのダメさが読者から愛されるキャラだと思います。

編集C

う~ん。この作家さんは線もきれいだし、画力も高いんですが、イケメンキャラがもうちょっと、絵柄的にもイケメンだったらなって思っちゃいました。

編集G

確かにそこは自分も思いましたが、それを補うぐらいキャラに魅力があったので、強く推したいですね。

編集A

それではこの作品も一次審査突破候補としましょう。他はどうでしょう?

笑男-ショーメン-
『笑男-ショーメン-』
編集D

自分は『着ぐるみトーク』を推します。企画が新しく、二人の関係性や毎話のオチを、ずっと読み続けたくなる作品です。

編集B

読みやすくていいですよね。でも女の子の眉毛が気になっちゃったんだよね。けっこう独特で、素直にかわいく思えなかった。

編集E

好きな人も多いんですけどね。

編集B

あと、クマがしゃべれないのもこれからしんどくなりそう。

編集D

そうですね。連載作品として続けていくとなると、力が不足しているかな……と思います。

編集A

ただ、この感じで続けていけばすごく成長していきそうな作家さんですよね。

編集E

今後に期待できる作家さんです。あとは何かありますか?

着ぐるみトーク
『着ぐるみトーク』
編集B

僕は個人的には『ぺペペ組』がグランプリだと思ってます。僕しか推してないですけど(笑)。実はこの作家さん、画力が相当高いと思うんだけどな。

編集A

ただこの作品は特徴のあるキャラクターがいないんですよね。

編集B

確かに全面にキャラは出ていないけど、「あーしたてんきになーあれ」の子供とかは、キャラがしっかり出ているよ。

編集G

「あんこちゃん」は一番面白かったですね。

編集E

こういったシュールな雰囲気が描ける作家さんは確かに大事だと思います。

編集B

僕としては、こういう独自の雰囲気を持った作家さんを発掘して、世に広めたいって気持ちが強くあります。

編集E

あらゐけいいち先生みたいになって欲しいですよね。

編集B

あと、今回は4コマ漫画でしたが、この人が普通の漫画を描いたらどうなるのかっていう興味もあります。

編集E

次回作が一番気になる作家さんかもしれないです。

編集D

ただ今回は「連載グランプリ」ってことを考えると、このまま連載してもいいって思わせる企画がもっと欲しいですね。

編集B

そうなんだよなぁ……。

編集A

センスは感じるけど、狙いをもうちょっと絞りたいって感じですかね。他に推したい作品はありますか?

ぺペペ組
『ぺペペ組』
編集B

『逝かない彼女のイカせ方』はミニシアター系というか、若い映画監督さんが撮りそうな企画ですよね。

編集A

最初にちょっとおかしいヒロインが出てきて、二人目に出てくる女の子もちょっとバカっていう展開が衝撃でしたね。

編集B

あと単純に読みやすいし、この作品は一次審査突破候補にしてもよいと思います。

編集A

他の方は異論ないでしょうか? では『逝かない彼女のイカせ方』も残しましょう。

逝かない彼女のイカせ方
『逝かない彼女のイカせ方』

他に推したい作品はないですか? それでは、保留だった『おはようオオカミくん』はいかがでしょうか。

編集G

振り返って考えてみると、やっぱり『おはようオオカミくん』は画力っていう武器がありますよね。

編集C

そうですね。他の作品より優れている明確な武器があるのであれば、残してもいいんじゃないかと思いました。

編集A

それでは『おはようオオカミくん』も絞り込み選考通過としましょう。

皆さんありがとうございました。この連載会議では、最終的に以下の10本を選定しました。

  • 『飛行少女日和』
  • 『ハイパーインフレーション』
  • 『KILLER FRIENDS』
  • 『喪々太郎死す!』
  • 『なんばしよっと?岡山さん』
  • 『おはようオオカミくん』
  • 『サイエンス・ノンサイエンス』
  • 『転職のカミバラさん』
  • 『笑男-ショーメン-』
  • 『逝かない彼女のイカせ方』

この10本を編集長・副編集長に審査していただき、最終的に選ばれた5~7本の作品が一次審査を突破して読者投票で審査する二次審査に進むことになります。

編集部からの総評!

編集A

今回も、連載3話分のネームを作るという厳しい条件の中、88本の力作がそろった良いグランプリになりました。ギャグやバトル、ラブコメなど多彩なジャンルの作品が集まっていて、編集部の票が集まった作品は、その中でも作家さん個人の武器が設定やキャラクターにしっかりと出せていたものだったと思います。また、「連載」という形をイメージした時に、3話だけではなく、それ以上続いていく中でどんな漫画になるのか、それを読んでみたいと思わせる作品が残っていたと思います。落選された作品も、これで漫画家への道が閉ざされるというわけではなく、それぞれに良いところと課題があったと思います。そこを見つめ直して、次回作に生かしていただけたらと思います。今後も「少年ジャンプ+」の漫画賞をたくさん企画していきたいと思いますので、これからもご応募よろしくお願いいたします。