【第59回】超速!連載グランプリ最終審査直前!漫画賞で見ている「ポイント」について

皆さん、こんにちは、ジャンプ+編集部のTです。
まずは「超速!連載グランプリ2019」へ応募いただけた皆様、ありがとうございました。明日12月6日から、少年ジャンプ+のアプリ上で、読者による最終投票を行います。3日間で最も「いいジャン!」を集めた作品は、即連載とコミックス化が決定します!たくさん読んで、良いと思った作品には是非「いいジャン!」して下さい!


さて、今回はそんな「漫画賞」に絡んだお話を少しだけ。

これまでジャンプ+編集部では、「超速!連載グランプリ2019」をはじめ、様々な漫画賞を開催してきました。毎回たくさんの力作をご応募いただいていますが、毎回全ての作品に複数の編集部員で目を通し、審査会議を開いて結果を決めています。

↓審査会の雰囲気は、こちらの「超速!連載グランプリ」一次審査会議の議事録を見ていただけたら、何となくわかるのではないかと思います!
現場編集による審査会議内容はコチラ


さて、現在、「ジャンプルーキー!」では、6つの分野でバッジを用意しています。ご存知な方も多いかと思いますが、「画力」「構成力」「演出力」「キャラクター」「ストーリー」「オリジナリティー」という6分野です。

実はこれ、個人的には少し分かりづらいなと思っていまして…だから、特にどんな「ポイント」を見ているかを今回のブログで少しだけご説明できたらと思った次第です。実際には、何を「面白い」と感じるかも多様なものですし、大切にしている点は編集者ごとに違うので、鵜呑みにしすぎずに、気軽に読んでください。


1.画力について
画力で最も注目しているのは「人」を上手に描けているかです。もっと言うと、細かい「表情」と「仕草」を描けているかを注目して見ています。物語の中とはいえ、実際にそこで生きていると感じさせるような表現が出来ている作家さんには、たとえ粗削りでも強く魅力を感じます。その人物になったつもりで、表情や仕草を考えてみて下さい。

2.構成力について
限られたページの中で、伝えたいことを読者に伝え、読みやすくする構成力の中で、個人的にポイントなのは、「場面転換の回数」です。シーンの切り替えが少ない方が、読み手にストレスを与えませんし、感情移入して読みやすいからです。プロット段階で感情の流れを意識して、不必要なエピソードを削り、順序を推敲すると良いと思います。

3.演出力について
コマ割のメリハリ、めくりと引き、カメラワークなど色々とあると思いますが、個人的なポイントは「絵とセリフの配置」です。読者は基本は吹き出しを追って読むので、見て欲しい「絵」が自然と読者の視線に入るように配置されているかを気にして読んでいます。情報量が多くても絵とセリフの配置が綺麗だと読みやすくなりますし、逆に少ない情報量でも、間を作ることで重要なシーンとして見せることも出来ると思います。

4.ストーリー
一番注目しているのは、どんな「感情」を体験させてくれる物語かということです。喜び、怒り、悲しみ…様々な方向性で、フィクションの中でしか味わえないような、感情の極致を見せてくれる作品を読みたいと思っています。ご自身が強い感情を抱いた時の経験を思い出しながら、膨らませていってもらえると良いと思います。

5.キャラクター
一番気を付けて見ているのは主人公の動機がハッキリとしているかです。
何がしたいのかわからない、または複数存在して本当に大切なモノが見えない主人公は肩入れして読むのが難しくなります。その動機のバックボーンを見せることも重要だと思います。

6.オリジナリティー
最後に、オリジナリティーですが、これはかなり「絵柄」に起因すると思って見ています。経験上なのですが、絵柄が独特な人はだいたい考えていること、テーマもユニークなことが多いからです。では、どうすればオリジナリティーを得られるか…とても難しい問題ですが、まずは自分が何を表現したいのか深く掘り下げ、そのために参考になりそうなものを漫画に限らずインプットし続けるしかないと思っています。


簡単になのですが、新人さんの作品を見る際に、特に気を付けている個人的ポイントでした。ジャンプ+では、これからもたくさんの漫画賞を精力的に企画していきます。自分の武器を見つけて磨いて、たくさんの力作を生み出していただけたらと思います。「ジャンプルーキー!」出身の作家さんからヒット作品が生まれることは、編集部としても嬉しくてたまりません。一緒に頑張りましょう!


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