【第95回】読者を惹きつける主人公&物語を生み出す秘訣とは?『魔都精兵のスレイブ』の原作者・タカヒロ先生にインタビュー!

いつも編集部ブログを読んでいただき、ありがとうございます!

今回は少年ジャンプ+で連載中、そして2023年にテレビアニメ化も予定されている魔都精兵のスレイブの原作者・タカヒロ先生にインタビューします!

12月1日から募集が開始された少年ジャンプ+漫画賞 2022年【冬期】の特別審査員も務めるタカヒロ先生に、今回は読者を惹きつける物語と主人公の生み出し方を伺います。

今期のジャンプ+漫画賞に応募を考えている新人作家さんは必読です!

第1話を読む

*****

――『魔都精兵のスレイブ』はどのような着想から生まれた作品なのでしょうか。

読者に幸福感を与えたいというコンセプトがありました。初期は、もう少し主人公の姉にスポットがあたっていたのですが、少年誌にしては倒錯的すぎたので打ち合わせを重ねて今の形になりました。とにかく分かりやすいエンターテイメントを目指しています。

――毎話の物語の見せ場を強くするためのポイントがありましたら、お願いします。

あらかじめ見せ場をひとつ決めて、それを目立たせるように構成を作ります。ご褒美がある回なら、そのご褒美の山場、バトル回であれば能力が初めて出た時や技が決まった時などです。ちなみに構成は単行本5巻ぐらいで1つの章になるようにしています。

――『魔都精兵のスレイブ』の主人公である和倉優希と羽前京香のような、読者を惹きつける主人公を生み出すための秘訣を教えていただきたいです。

スレイブのような作品では主人公へ嫌悪感をもたれない事が特に重要なので、優希は言葉ひとつ表情ひとつ凄く注意しております。ここらへんは長年の経験が活きているので、参考にはならないかもしれません。京香は親しみが持たれやすいように性格や信念、戦いの性能などをシンプルにして分かりやすくしています。

――少年ジャンプ+で連載中の『魔都精兵のスレイブ』は 100 話目の更新が目前に迫ってきていますが、長期の連載を紡いでいく中で、キャラクターや物語に関する良いアイデアが思い浮かばなかったときの対処法はありましたか。

とにかく考えて考えて考えまくる事ですね。散歩したり食事したり、何かをしながらもストイックに考えまくる。そうすると偉いもので、苦しみの末にアイデアは湧いて来ます。
なのでアイデアが尽きぬように定期的にインプットはしてます。

――「少年ジャンプ+漫画賞 2022年【冬期】」の特別審査員に、今回タカヒロ先生が就任されたということで、漫画賞に応募する新人作家さんに向けて、漫画を作るうえでのアドバイスがありましたら、お願いします。

インプットについてですが、インプット先は映画でもゲームでもアニメでも漫画でもお笑いでも特撮でも何でもありだと思います。周囲の友人や知人がキャラメイクの参考になったりもします。だから友達と遊ぶのもインプットです。鋭敏なアンテナを常に立てておいて下さい。

*****

タカヒロ先生、ありがとうございました!
惹きつけられる世界観、そして好感を持たれる主人公を読者に届けるためには、読者目線で振り返りの意識を持つことが重要だということが分かりました。

「少年ジャンプ+漫画賞 2022年【冬期】」の応募は始まったばかりです!締め切りは2月28日(火)とまだまだ時間はありますので、皆様のたくさんの力作をお待ちしております。

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【第94回】世界中でマンガ投稿が盛り上がってます! 「海外版ジャンプルーキー!」について聞いてみた【MANGA Plus Creators by SHUEISHA】

皆さん、MANGA Plus Creators by SHUEISHA(以下、MPC)というサイトをご存知ですか?

「ジャンプルーキー!」投稿ユーザーの皆さんのように、海外にもマンガを描いているクリエイターの方々がたくさんいます。
MPCはそんな人たちが自由に作品を投稿・公開できる、「海外版ジャンプルーキー!」とも言えるプラットフォームで、今年8月30日のサービス開始以来たくさんの作品が投稿され話題となっています。

そこで今回の編集部ブログでは、“MPCにもマンガ作りのヒントがたくさん転がっているのでは?”ということで、ジャンプ+編集部と一緒に運営している株式会社メディバンのKさんにお話を聞きました。

*****

――まずは改めてMPCについて教えてください。

海外のクリエイター向けの漫画投稿・公開プラットフォームで、現在は英語・スペイン語作品を対象としています。
「ジャンプルーキー!」の月間ルーキー賞のように、投稿作を対象に月間賞を開催していて、ちょうど今、9月期の候補作が出そろい、編集部で審査を行っている段階です。
なんと、金賞受賞作は、そのまま翻訳して「少年ジャンプ+」に掲載するという副賞もありますよ!

――サービス開始後1ヶ月間で、2000作品5000話以上の投稿があるなど、大盛り上がりのMPCですが、海外クリエイターの方々からはどんな反応がありますか?

やはり一番大きいのは、「ついに自分の作品がジャンプ+に載せられるチャンスが来たか!」という反応ですね。
これまでも国内漫画賞の外国語部門などはありましたが、日本語作品に比べるとチャンスは圧倒的に少なく、「いつでも投稿できて、毎月日本の編集者に審査してもらえるなんて画期的!」と、ローンチ前から海外クリエイターの間で期待の声があがっていました。

――言葉の壁をクリアできるのは大きいですよね。どんな作品が人気なのでしょうか?

ジャンプっぽさを感じるアクション・ファンタジー系の投稿作が多く、読者人気も高いです。
作風については、日本のマンガだけじゃなく、カートゥーンなど海外作品からも影響を受けているのが伝わってくる、多様な作風がミックスされたような雰囲気が特徴的です。
アメコミの影響を感じる厚塗りのサムネイルもちらほら見受けられます。
あとは、いま世界中でひとつの潮流になっているウェブトゥーン形式の縦スクロールマンガも多いですね。
一読者としては、文化の違いを感じられるのも面白いです。
ストーリー展開にしてもキャラクター像にしても、そんな発想があったか!と、読んでいて驚かされることが多いです。

――アクション・ファンタジー作品が多いなかで、9月期のランキング1位の作品「GENDER X BORDER」はラブコメでしたね。

クオリティが高くストーリーも面白くて、個人的にもイチオシの読切です。

「GENDER X BORDER」

9月期はリリース直後ということもあり、クリエイターの方々それぞれの個性が光るさまざまなジャンル・テイストの作品が集まっていた印象でした。
今後は、月間賞受賞を目標に、ランキング入りを狙って投稿される作品も増えていくと思うので、投稿作品の傾向がさらに出てくるかもしれません。

――絵もストーリーもクオリティの高い作品が多くて驚きました。海外のクリエイターの皆さんはどのようにマンガ作りを勉強されているのでしょうか?

まだ把握しきれていない部分もあるのですが、最近はYouTubeなどで海外の方向けにマンガ作りのハウツーを紹介している動画コンテンツも増えています。
ただ、日本語に比べると参考にできるものが少ないので、今後はMPCからも積極的に役立つ情報を発信していきたいと思っています。

――おお!さらに海外クリエイターの方の活躍のチャンスが増えそうですね。国を超えて新人さんたちが刺激を与え合えるようになるとさらにマンガ界が盛り上がりそうです。

「ジャンプルーキー!」のように、MPCにも、「ジャンプ+で連載したい!」「日本、世界で愛されるマンガを作りたい!」という熱い想いを持って作品を投稿しているクリエイターがたくさんいます。
言語の壁を超えてクリエイター同士が切磋琢磨することで、もっともっと世の中に面白い作品が生まれるといいなと思っています!

――これから楽しみですね! ありがとうございました。

*****

いかがでしたでしょうか?
果たしてどんな作品が月間賞を受賞するのか、引き続き注目です。
英語やスペイン語が読めない方でも、MPCをチェックしてみることで、絵やキャラデザ、コマ割りなどで新たな発見があるかもしれません。

また、「少年ジャンプ+」では、2023年以降に始まる新連載をすべて、海外向けのマンガ配信アプリWEBサービス「MANGA Plus by SHUEISHA」に同時配信することも決定しています。

ぜひ、「ジャンプルーキー!」投稿を足掛かりに「少年ジャンプ+」掲載を目指し、世界中で愛される作品作りへの第一歩を踏み出してみてください!


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【第93回】「少年ジャンプ+」のデータ担当Kさんに聞く! 読者の行動は数字で分かる!? 読者を逃がさない読切作品の作り方!!

皆さんこんにちは。「ジャンプルーキー!」をご利用いただきありがとうございます。少年ジャンプ+編集部のS浦です。

突然ですが、「少年ジャンプ+」ではユーザーの方々からいろいろなデータを取得し、マンガ作りに活用していることをご存知でしょうか?

この度「少年ジャンプ+」のデータ管理担当のKさんにお話を伺ってみたところ、新人作家の方々に役立ててほしい情報をたっぷりと入手することができました!

*****

S浦:本日は快くインタビューを引き受けていただきありがとうございます! では早速、Kさんは実際にどのようなデータを収集・管理されているのでしょうか?

Kさん:アプリ内のユーザーの行動は一つ一つデータとして収集・管理しています。特にマンガを読むページは情報量が多く、1ページごとの閲覧数はもちろん、ユーザーが途中で読むのをやめてしまった場合は何ページ目で離脱したのかというデータも取っています。
また、1ページごとに開いた時刻も収集していますので、1ページ読むのにかかった時間も算出し、管理しています。なので、ジャンプ+の作品は基本的に1ページ毎の閲覧数と閲覧時間の二つの軸で収集が行われています。

S浦:ユーザーが読むのをやめてしまうというのは新人作家の方々にとってはかなりショッキングな事実だと思うのですが、どのくらいのユーザーの方が離脱されるのでしょうか?

Kさん:作品閲覧を促すアプリ内広告や誤タップによって意図せずビューアを開いてしまうユーザー、サムネイルが気に入ってビューアを開いたが1ページ目の雰囲気が好みでなく離脱するユーザーなどがいるため、ほとんどの読切作品では2~3割のユーザーは1ページ目で離脱しています。
その後、大体のユーザーは最初の3~5ページ、長くても10ページ前後で読むかどうかを判断している傾向にあります。
ページが進むにつれて読者は減りにくくなっていき、前のページの読者の99.8%以上が次のページを読んでいるような状態になると読者が定着したと感じられます。
そのため、マンガにおける“掴み”の強さとは、99.8%という数字にどれだけ早く近づけるか、にかかってきます。あまり掴みが強くない作品だとここまでに20ページくらいかかってしまうことがあり、その間に読者はどんどん離脱していってしまっているため、もったいないなと感じています。

こちらはジャンププラスに掲載されていた某読切作品。なかなか99.8%以上を維持できなかったことが分かる。

S浦:なるほど、では実際に読者維持率が99.8%に達するまでに時間がかかった作品に共通する要素などはありますか?

Kさん:そうですね、まずは文字量が多いことだと思います。
「少年ジャンプ+」を利用されているユーザーは大半がスマートフォンでマンガを読んでいるので、画面が小さいことが前提としてあります。そのため、文字量が多いとその文字を詰め込むために文字のサイズも小さくなってしまい、離脱ポイントになりやすいです。

S浦:新人作家の方だと具体的にどのくらいを目指せばよいのかわからない方もいると思うので、目安の数字を教えていただけますか?

Kさん:もちろん基本的に少なければ少ないほど良いのですが、1ページあたり100文字未満だとかなりスマホでも見やすい画面になると思います。
また、特に序盤はユーザーが作品に没入していないので、セリフ量は減らした方が良いと思います。どうしても文字量が多いページは出来るだけユーザーが作品に没入した後に出す必要があるでしょう。
また、読者に負担のかかるページは連続してしまうと読者維持率が大きく減少するきっかけになってしまいます。負担のかかるページは連続しないように心がけることは重要だと思います。

S浦:なるほど、では反対に読みやすさが数字として表れていた作品はありますか?

Kさん:「少年ジャンプ+」で『マリッジトキシン』が連載されている、静脈先生と依田瑞稀先生の読切ハイパーハードスペシャルミッションでしょうか。
文字数も少なく、6ページ目には読者維持率が99.8%に到達し、8ページ以降99.8%を下回ることはありませんでした。序盤の引きがとても上手い方だと思います。
物語後半では閲覧時間が10秒を超えるページもありましたが、そのページでも読者維持率が99.9%を下回ることはありませんでした。ユーザーが作品にしっかり没入してくれた証拠だと思います。

『ハイパーハードスペシャルミッション』
序盤は閲覧時間が5秒以内で読み進められており、51ページは文字量が多く閲覧時間が10秒を超えているものの、読者維持率が99.9%を下回っていなかった。

閲覧時間が10秒を超えたページ

S浦:なるほど、確かに読者をがっちり確保できていますね。掴みの強さが重要だと良く分かりました。それでは最後に、新人作家の皆さまに向けて一言お願いします。

Kさん:「少年ジャンプ+」ではこのようにたくさんのデータを取っていて、編集者の方と一緒に作品作りしていく中で一つの手助けとして利用出来ますので、是非とも「少年ジャンプ+」に読切を載せていただき、自分の作品がどのように読まれているか気付きを得て今後の作品作りに生かしていただければ嬉しいです。

*****

Kさん、ありがとうございました! 今回はあくまで閲覧数や読者維持率、閲覧時間などの数字的一面に焦点を当てた制作論になりますので、マンガを面白くする選択肢の一つとして役立ててもらえればと思います!
掴みの強さを見せつけたハイパーハードスペシャルミッションの静脈先生、依田瑞稀先生による『マリッジトキシン』は大人気連載中! 閲覧はこちら↓から!

『マリッジトキシン』
<ジャンプ+で読む>


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【第92回】『ジャンプ+連載オーディション2022』募集中! 話題の新連載『宇宙の卵』作者に聞く、賞の魅力と気になる1話の作り方!

「今すぐジャンプ+で連載したい!!」そんな皆さんにお知らせです!

1・2話の連載ネーム+作画見本で応募可能、大賞に輝いた作品はなんと即連載&紙の単行本化が確約される「ジャンプ+連載オーディション2022」が、現在募集中!

そこで今回のブログは、連載オーディションへの応募を考えている作家さん必見! 前身となる漫画賞「少年ジャンプ+連載グランプリ2020」にてゴールドグランプリを受賞し、現在ジャンプ+で『宇宙の卵』を連載中の程野力丸先生に初インタビュー! 初回から大きな話題を呼んだ『宇宙の卵』のネーム制作についてや、受賞当時の気持ちなどを伺いました。

*****

『宇宙の卵』程野力丸先生
<ジャンプ+で読む>

――連載グランプリでは、ゴールドグランプリ作品(最優秀作品)の連載化が確約されていました。この点について、応募時はどのように感じていましたか。

投稿作に対して連載化を確約するなんて、すごく太っ腹な賞だなと思っていました。僕自身は、当時漫画も絵も描き始めて半年くらいだったので、グランプリを取って連載化を目指すというよりかは、最終候補に残って担当編集さんについてもらいたいという気持ちでしたが、「もしかしたら連載」という可能性がモチベーションを高めてくれていたと思います。

――ゴールドグランプリの「紙の単行本化」が確約されていた点も連載グランプリの大きな特徴だったと思います。その点についてはどのように感じていましたか。

すごく夢があるなと感じていました。紙の単行本を出すことはすごく難しいことだと思いますし、同時に多くの人の目標でもあると思います。漫画はスマホで読むより、紙で読んだ方が面白さが増すと僕は思っているので、僕自身にとっても非常に嬉しい特典でした。漫画の賞で、紙の単行本化まで確約されているのは他の賞ではあまりないのではないでしょうか。

――ゴールドグランプリを獲った時の感想を教えてください。

非常に恐ろしい気持ちになったのは今でも覚えています。最終候補に残ったときはとても嬉しかったのですが、グランプリに近づくにつれて、「自分の実力で連載なんていいのだろうか」と考えるようになっていました。しかし、連載が決まった後の担当編集さんからのとても丁寧なサポートだったり、勉強する時間的な猶予を頂いたりしたことで、徐々に連載決定の嬉しさを実感できるようになりました。今現在は、あの時グランプリを獲得できて本当に良かったなと感じています。

――『宇宙の卵』は、連載1話目から読者の大きな話題を呼びました。ネーム段階では、特にどのようなことを意識しながら描かれていましたか。

1話目は、特に興味を引くことと、興味を途切れさせないことを意識していたと思います。読み切りと違って連載の形ということだったので、続く話も読んでもらうことを考えていました。またセリフは極力削ったりと、基本的なことかもしれませんが、できる限り読みやすくしようとしていたと思います。

――「ジャンプ+連載オーディション2022」が現在募集中です。応募しようと考えている作家の方たちに、何か一言メッセージをお願いいたします。

通常の漫画賞とは形式がかなり異なる賞ですが、応募することによって、連続した話を作る経験など、今までにない新たな経験も得られると思います。連載を目指している方にとって、応募することは損にはならないと思うので、ぜひチャレンジしてみて欲しいです。

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程野先生、ありがとうございました! いかがでしたでしょうか。
連載オーディションはジャンル不問、審査基準は「面白さ」のみです!
編集会議での一発審査で全ての受賞作が決まります。締め切りは9/30(金)!
編集部員を唸らせる力作、秘蔵作を心よりお待ちしております!

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【第91回】「インディーズ連載」から初のコミックス化!! 『ゴダイゴダイゴ』『ラーメン赤猫』作家に聞く ぶっちゃけどうなの「インディーズ連載」!?

この度、少年ジャンプ+の「インディーズ連載」から初めてコミックスが出ることが決定しました!

「インディーズ連載」とは、編集部のネームチェックを経ずに個人で自由に連載できて、各話の閲覧数に応じて原稿料+αが上下する、新しい形の連載。この連載形式が「本当のところどうなのか?」気になっている方も多いはず!


そこで今回は、9月2日(金)に『ゴダイゴダイゴ』1,2巻が、10月4日(火)に『ラーメン赤猫』1巻が発売されるコウノスケ先生・アンギャマン先生に、通常の連載形式とは少し異なる「インディーズ連載」について聞きました!


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『ゴダイゴダイゴ』 コウノスケ先生

<ジャンプ+で読む>

――「インディーズ連載」に興味を持ったきっかけは何ですか?

ゴダイゴダイゴの前身となるマンガを一人で描いていたとき、見開きで投稿、発表できるウェブサイトを探していて、ジャンプルーキー!を見つけ、インディーズ連載という仕組みがあることを知りました。
いわゆる漫画家の激務に耐えられないと思っていたので、「最低でも2週間で8ページ上げられればいい」という仕組みが決め手になって、インディーズ連載を目指してランキングに参加しました。

――「インディーズ連載」は「個人で自由に連載できる」ということですが、本当に誰にも相談せずに連載を進めているのでしょうか?

誰にも相談せずに連載をしています。
私は人の意見に流されやすいので、相談する相手がいたら全く違うマンガを描いているだろうなと思います。
しかし、一人で描いていると、「このマンガ、人が見て面白いのか?」という疑問に答えてくれる人が居ないまま進めなくてはなりません。
ですので、「自分が面白ければそれでいい」と徹底的に割り切って描くようにしています。

――「個人で自由に連載できる」に感じるメリットやデメリットがあれば教えてください。

デメリットとしては、自分のレベルを上げてくれる出来の作品が生まれづらいのかなと思いました。
編集の方とマンガを作るときは、自分だけでは生み出せなかったマンガを作れて、自分のレベルアップを体験することもありましたが、そういうことが起こりづらいと思いました。
自分の力量がそのまま作品の限界になってしまうので、力量不足を悔しく思うこともあります。
メリットは「個人で自由に連載できる」ことです。このメリットが大きすぎて、上記のデメリットはほとんど気になりません。

――「インディーズ連載」は「閲覧数に応じて原稿料+αが上下する」という特徴がありますが、連載してどう感じていますか?

原稿料の変化はほとんど気にしていません。
もともと好きで無償で描いていたマンガをそのまま連載させて頂けているせいか、仕事という感覚が薄く、原稿料を意識することがあまりないのかもしれません。
ただ、閲覧数自体はジャンプラでの掲載順や、連載の継続に関わるので気にしています。

――「インディーズ連載」に興味がある作家の方たちに何かメッセージをお願いします。

インディーズ連載は、「たくさんの人が見ている誌面で自由に連載ができる」という夢のような素晴らしい仕組みだと思います。
ただ、デメリットとして上げたように、インディーズ連載は一人でできてしまうので、成長に繋がりにくい場合もあります。
ですから、「自分の力を試したいのならインディーズ」、「自分の力を鍛えたいと思うのなら編集の方と打ち合わせ 」といったふうに、自分に合った方法をとるのが良いのではないかと思います。

――最後にコミックスの宣伝を!
出ないと思っていたのにとうとう出た、私にとって夢のようなコミックスです!
私自身、昔からマンガはコミックス派で、特におまけページが大好きでした。
ですので、わざわざコミックスのページ数を増やしてもらって、おまけページや扉絵をできるだけたくさん描きました!
ぜひ、お手にとって確かめてもらえればと思います。
どうぞよろしくお願いします。


<JC1・2巻 9月2日(金)発売!!>


『ラーメン赤猫』アンギャマン先生

<ジャンプ+で読む>

――「インディーズ連載」に興味を持ったきっかけは何ですか?

連載決定までのプロセスが非常に明快なので興味をもちました。
通常連載会議は時間をかけて準備して結果の連絡を待つだけですが、インディーズ連載は争奪ランキングの結果がリアルタイムで見れるのでわかりやすかったです。
投稿から一月後には結果が出るという早さも魅力でした。

――「インディーズ連載」は「個人で自由に連載できる」ということですが、本当に誰にも相談せずに連載を進めているのでしょうか?

家族に意見をもらうことはありますが基本的にはすべて自分で判断しています。
良くも悪くも本当に自分次第なので毎回不安と緊張感があって公開ごとにドキドキしています。

――「個人で自由に連載できる」に感じるメリットやデメリットがあれば教えてください。

メリットとしては本当に好きなように描けることだと思います。
セオリーやお約束に従わなくてもよいので、いつかとんでもない作品が登場するのではないかと期待してます。
デメリットは製作段階で人の意見を聞きにくい側面もありますが、それをデメリットだととらえず突っ走って良いのがインディーズ連載だとも思います。
私は弱い人間でうまくいかないときは誰かのせいにしたくなってしまいますが、すべてが自分の責任だという認識をもって連載できるのは大きなメリットだと感じています。

――「インディーズ連載」は「閲覧数に応じて原稿料+αが上下する」という特徴がありますが、連載してどう感じていますか?

良いシステムだと思います。
常に閲覧数を意識するので緊張感があります。
評価基準がシンプルでハッキリしてるのでわかりやすく、創意工夫の方向性が決めやすいです。

――「インディーズ連載」に興味がある作家の方たちに何かメッセージをお願いします。

直接読者から反応をもらえる場としてジャンプルーキー!は画期的でしたが、さらに発展した形がインディーズ連載だと思います。
連載経験を積む場所だととらえてもいいし、ほかではできない実験作を試す場としても最高だと思います。
インディーズ連載だからこそ生まれる作品が今後多く生まれることを期待しています。

――最後にコミックスの宣伝を!

この度、インディーズ連載作品でありながらも「ラーメン赤猫」のコミックスを出していただける事となりました。
偏に読んでくださるたくさんの読者さまのおかげです。
本当にありがとうございます。
10月発刊予定です ぜひ買ってください!

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「インディーズ連載」がどんな連載なのか、想像して頂くことが出来たでしょうか?
少年ジャンプ+では「インディーズ連載」を目指した、「連載争奪ランキング」へのエントリーをいつでも受付中です!

ぜひ新しい形の連載への挑戦お待ちしております!


■少年ジャンプ+連載争奪ランキング!

■そのほか現在募集中の漫画賞!

『少年ジャンプ+ネーム・シナリオ原作マンガ賞2022』はコチラ↓

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【第90回】「ジャンプPAINT」300万DL突破記念! 少年ジャンプ+連載『株式会社マジルミエ』『恋人以上友人未満』『正反対な君と僕』作者直筆の下書き原稿を特別公開!実際の下書き原稿でペン入れ練習ができる!

ジャンプ公式の無料で使えるマンガ制作ソフト・アプリ「ジャンプPAINT」300万ダウンロードを突破しました。

それを記念して、「少年ジャンプ+」の人気連載作品『株式会社マジルミエ』(原作:岩田雪花 作画:青木裕) 『恋人以上友人未満』(yatoyato) 『正反対な君と僕』(阿賀沢紅茶) 作者直筆の下書き原稿を特別に公開しました!

「ジャンプPAINT」ユーザーは実際に使用された下書き原稿を使ってペン入れの練習ができます!
→詳しくはこちらから

さらに今回は、下書き原稿を提供いただいた作者の方々に、作画する際に意識されているポイント、そして漫画家を目指す皆様へのメッセージをいただきました!
ぜひ練習する際の参考にしてみてください。


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『株式会社マジルミエ』作画:青木裕先生
第1話はこちらから!

―――作画される際に、ご自身が意識しているポイントについて教えてください。
キャラクターの表情は読者の方に特に注目されるポイントだと思うので、そこが可愛くかっこよく描けるように意識しています。
私は筆があまり速くないのですが、マジルミエは全てデジタルでの作画なので ネームを下描き代わりにペン入れをする形で何とか週刊連載をすることが出来ています。
やり直しながら清書ができるのもデジタルの強みだと思います。

―――漫画家を目指す皆様にメッセージをお願いします。
たくさん漫画を読んで格好いいシーンや可愛い表情などの模写をしたり、漫画に限らず映画やゲームなどにも触れて刺激を受けることで、引き出しが増えて自分の原稿を描く際の助けになってくれると思います。


『恋人以上友人未満』yatoyato先生
第1話はこちらから!

―――作画される際に、ご自身が意識しているポイントについて教えてください。
線が単純にならないようになるべく強弱をつけるようにしています。あとはデジタルなので細かく描きすぎないようにと……。なるべく絵全体を見るようにして、ページごとのバランスが良くなるよう心がけています。

―――漫画家を目指す皆様にメッセージをお願いします。
漫画はたくさん絵を描かないといけないので大変ですが、1コマ1コマ描いていけばいつかは完成します!
私は下描きが雑なのでペン入れの時に苦労しています。下描きを頑張るとペン入れの時に少し安心できると思います!いろいろ試して自分に合う描き方を見つけてください!


『正反対な君と僕』阿賀沢紅茶先生
第1話はこちらから!

―――作画される際に、ご自身が意識しているポイントについて教えてください。
簡素な絵柄な分、ストローク長めに描いて なるべくなめらかな線になるよう心がけてます。

―――漫画家を目指す皆様にメッセージをお願いします。
技術面に関して特に人にアドバイス出来ることはないですが、まずは楽しく描く習慣がつくことが1番だと思います。
メディバンのペイントアプリは、ツールアイコンがシンプルな分 片手デバイスが無くても使いやすく、タブレット端末と対応のペンがあれば充分描けるので、デジタルでの漫画制作の入門にとてもおすすめです。実際 自分も、この使いやすさ・気軽さのおかげで漫画を描くようになりました。


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新人マンガ家の皆さんは是非この機会に無料マンガ制作アプリである「ジャンプPAINT」でたくさんのマンガを描いて作画の上達に励んでみてください!
そして、ジャンプPAINTで描いた作品をジャンプルーキー!へ投稿してください。お待ちしています!

ジャンプPAINTの詳細・DLはこちらから!


【コミックス好評発売中!】

『株式会社マジルミエ』

『恋人以上友人未満』

『正反対な君と僕』


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【第89回】『幕末賭博バルバロイ』『賭ケグルイ』の原作者・河本ほむら先生に聞く漫画原作者の極意とは?

今回は、漫画原作者を目指す新人作家必見!

先月、5月20日にジャンプ+で始まった新連載幕末賭博バルバロイの原作を担当する河本ほむら先生。『賭ケグルイ』をはじめとするヒット作を生み出し続ける漫画原作者の日々の過ごし方や勉強法とは?

ジャンプ+に移籍後初!河本ほむら先生へのインタビューはこちら!!

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――漫画原作者になったきっかけを教えてください。

 何気なく思い立ち、ネームで応募する新人賞に原稿を送ってみたところ、受賞したのがきっかけです。そんないきさつなので「漫画」の「ま」の字も知らず、担当の方に漫画の描き方を一から教えてもらい、迷惑をたくさんおかけしました。

――これまで数作品同時に連載されることもあったと思いますが、連載中の日々の作業時間や過ごし方など教えていただけますか?

 特に明確に作業時間を決めているわけではなく、他のことをしていないときは常に原稿のことが気になっているような状況です。とても効率が悪いです。
 漫画以外のことにゆっくり取り組む時間はあまりないです。以前、格闘技の試合に出たら、すべての原稿が遅れに遅れ大変なことになりました。まだその遅れを返済している最中です。

――漫画原作者としてのオススメの勉強法などはありますか?

 色々な漫画の第一話、第一巻を読むこと。漫画以外にも映画や小説などで物語にたくさん触れることです。本数が重要だと思います。
 専門知識が求められることも多いので、専門書などで必要な情報を調べることに慣れておくのも良いと思います。

――漫画原作者を目指す新人作家にアドバイスをお願いします。

 自戒を込めて・・・漫画原作者は、作画をしない(できない)分、頑張って他の要素で読者を魅了する必要があるポジションです。一緒に頑張りましょう!

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絵を描かない漫画原作者だからこそ、絵以外の部分でどう面白くできるのか。そのために、インプットに多くの時間を使い、毎話悩み抜いてネームを完成させる。
作画家・原作者のどちらを目指したとしても、大変なことに変わりはありません。ご自身にとってなりたい漫画家像を追い求めて、研鑽を続けることが大事なのだと思います。

河本ほむら先生が熱筆する『幕末賭博バルバロイ』は
ジャンプ+にて毎週金曜日に絶賛連載中!
この機会に是非、未読の方はご一読くださいませ。

第1話はこちらから!


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