【第29回】おかげさまで3周年!「少年ジャンプルーキー」の歩み

WEBマンガ投稿・公開サービス「少年ジャンプルーキー」が3周年を迎えました。

3年間の歩みをご紹介したいと思います。



3年間で、「ルーキー」投稿者からこれだけ多くのデビュー作家が生まれました。

たくさんの投稿者と読者が集う、大きな広場に成長しました。

感謝の気持ちと共に、これからも一層「少年ジャンプルーキー」を盛り上げて参ります。
ご期待ください。


週刊少年ジャンプ編集部



その他の3周年記念特別企画はこちら


3周年記念特別企画!漫画の未来と、新人作家への熱き想いを語りつくす!「週刊少年ジャンプ」「少年ジャンプ+」編集長対談を公開!


3周年記念!「ルーキー」特製ポロシャツを抽選で3名様にプレゼント!応募期間:2017年12月1日~12月31日(23:59)まで。 ※応募は締切りました。

【第28回】新メンバー続々加入!新副編集長から投稿者の皆様に熱いメッセージ!

いつもジャンプルーキーにご投稿ありがとうございます!

ここ数か月は受賞作多数の豊作の月が多く、編集部一同ホクホクしております。

さて、先月のブログ【第27回】ではジャンプ+に新加入したメンバー二人をご紹介させて頂きましたが、ジャンプ+編集部には他にも加入者がいるのです!


そのメンバーが「俺、インタビューされてないんだけど…」とちょっぴり拗ねていたので(?)、インタビューしました!


*****

【新副編集長 N】

今年の6月から週刊少年ジャンプ編集部からジャンプ+に副編集長としてスライド加入したベテラン編集。
ジャンプ編集部では『初恋限定。』『私立ポセイドン学園高等部』『ぬらりひょんの孫』『チャゲチャ』『ねこわっぱ!』『LOCK ON!』『少年疾駆』『恋染紅葉』『タカマガハラ』『食戟のソーマ』『ポチクロ』『背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~』『ゆらぎ荘の幽奈さん』『シューダン!』など多数の作品を立ち上げから担当。
その他にも『いちご100%』『HUNTER×HUNTER』『ボボボーボ・ボーボボ』(真説ボボボーボ・ボーボボ)『D.Gray-man』『いぬまるだしっ』など担当作品多数。


現在の担当作:『青のフラッグ』『ラブデスター』『ハイリスクミッションセラピー』『オトメの帝国』

※編集部注:ジャンプでは副編集長は担当作品を持たないのですが、ジャンプ+の副編は編集部全体の管理・運営だけでなく漫画担当もします!「プレイング・マネージャー」というやつですね。なんだかカッコいい!


<好きな漫画5作品>※集英社作品以外
・寄生獣
・宮本から君へ
・MASTERキートン
・うしおととら
・国民クイズ


<ルーキー投稿者の皆様へ一言>
投稿をしようかなと迷っている人、ちゃんとしなきゃとか思わなくてもいいです。ごりっとした君の中にある「何か」をどろっと作品に乗っけてもらえばキミの吐き出した「何か」にびりびりっと来る読者がいるかもしれません。

基本はこのスタンスでいいと思います。

でも、根がまじめでちゃんとしなきゃって思ってる人、それはそれできちっとしたまじめな作品をしっかり描けばその作品の完成度に凄いっと感動する読者がいるかもしれません。

どんなタイプの人でも漫画家にとって大事なのは「自分を出すこと、自分の強みを生かすこと」だと思います。

どちらにせよ、投稿しようかどうか迷っている人、向いている向いていないとか、出そうか出さないでおくかを悩むより描いてみた。出してみた。を思い切ってやってみてください。

人に読まれるドキドキを一度味わってそこから自分がどこまでいけるか試してみましょう。

夢が夢でなくなるかもしれません。

ジャンプ+編集部は色んなタイプの人たちの色んなタイプの漫画を楽しみにお待ちしています!


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いかがでしたか?

「一言お願いします」と頼んだら、一言では済まないアツいコメントをもらいました…!

ジャンプルーキーに集まってくれている多数の才能に負けないよう、我々ジャンプ+編集部もどんどん人員を拡大しておりますので、これからもどんどん作品を投稿してください!

また、第2回 矢吹健太朗 漫画賞も絶賛投稿受付中ですので、是非挑戦してみてください!


【第27回】色々数値が凄いぞ!凄いからパワーアップさせるぞ!ジャンプルーキー!

いつもジャンプルーキーにご投稿ありがとうございます。


ここで皆様に一つニュースが。

なんと、ジャンプルーキーの投稿作品数が10,000作品を突破いたしました!

重ねてありがとうございます。


いまや、ジャンプルーキーは一か月の平均投稿作品数が300作品を超えました。


2016年5月20日のブログ「数字で見る少年ジャンプルーキー」が本オープンから約1年の数値ですが、それを見ると月の平均が250作品とあります。
着実に成長しております。

「300作品って多いのか?」と思うかもしれませんが、これはめちゃくちゃ多いです!
紙の雑誌で日本一の投稿者数であろう週刊少年ジャンプの『JUMP新世界漫画賞』『手塚賞』と比べても誇れる数字です。


ルーキー出身の作家も続々誕生中です。


連載作家も20人!


(受賞作ではなく)新作読切を掲載した作家ものべ50人!


となりました。2016年5月からは連載が16人増、新作読切掲載が34人増です。



ますます盛り上がるジャンプルーキー!!!
ただ、「作品数増えると自分の作品が埋もれちゃうなぁ」とご心配の方もいるかもしれません。
ということで、その日々増える投稿者の皆様の熱意に対応するため、、、


編集部員を2人増量しました!


「最近、以前より編集部バッジの付く数多くない?タイミング早くない?」とお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。理由は超やる気あるこの2人増量です。

ということで、その2人を紹介します。
略歴、ルーキーへのメッセージ、好きな漫画5つを聞いてみました。
※好きな漫画は集英社作品だとカドが立つので、集英社以外から選出です。

バッジや賞の講評では、なかなか「顔が見えない」のが編集部員だと思いますので、その顔の一端が見えると幸いです。


【新メンバー1 編集部員T】
ジャンプ+編集部に新加入した中堅編集。
週刊少年ジャンプ、ジャンプSQ.と渡り歩き、歴代担当作は「ピューと吹く!ジャガー」「テガミバチ」「D.Gray-man」「ロザリオとバンパイア」「双星の陰陽師」「大正処女御伽話」等々であらゆるジャンルのオールラウンダー。果ては、レジェンド藤子不二雄Ⓐ先生まで。

<好きな漫画5作品>
・MAJOR
・フルーツバスケット
・敷居の住人
・エアマスター
・SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん

<ルーキー投稿者の皆様へ一言>
良くも悪くもきちんとした紙の雑誌編集歴の長い自分からすると、自由な作風が新鮮で仕事の合間にいつも見てます。期待したい作品は「今ジャンプ+に連載してない作品です」。少女漫画もどんと来いでお待ちしてます。


【新メンバー2 編集部員F】
ジャンプ+の新入社員。
学生時代はマンガについてのビジネス書を出版するほどの漫画好き。連載作家を早くも複数抱え、やる気をルーキーにもぶつけるフレッシュマン。

<好きな漫画5作品>
・プラネテス
・うえきの法則
・GTO
・WORKING!!
・ひだまりスケッチ

<ルーキー投稿者の皆様へ一言>
才能ある投稿者の方は編集部員の取り合いなので、休日もスマホからルーキーを見てます。投稿者の皆さまには「自分にしか描けないもの」をお願いしたいです。ジャンルはなんでも構いません。才能をぶつけて欲しいです。


というわけで、新加入2人の紹介でした。
Fも言ってますが、編集部員が「これは!」と思った作家さんには登録されている連絡先へ即連絡させていただきます。

また、編集部員増量だけでなく、先日ルーキーのシステムその他もパワーアップしました。
今後とも皆様の熱量に合わせてパワーアップしていきます。

ご投稿お待ちしております!

【第26回】目指すのは“面白く”て“売れる”漫画!ジャンプルーキーが近道な理由!

こんにちは。第26回ブログを担当する編集Tです。いつもジャンプルーキーにご投稿いただき、ありがとうございます。
突然ですが、ジャンプルーキーのポスターが2種類出来上がりました!全国の漫画学科がある専門学校・大学にお送りさせていただこうと思います。


編集部のスーパールーキーFくんに持ってもらいました。


さて、今回は編集部が目指す漫画について、少しだけお話しさせていただきたいと思います。
編集者それぞれで、具体的な好みや細かい目標は分かれますが、共通しているのはずばり、



「面白く」て「売れる」漫画を作ることです。



これは、私が新人時代、当時の上司だったレジェンド編集者に、最初に教わった理念でした。
では、「面白く」て「売れる」漫画とは何か。それは、


1. 多くの人が共感できて

2. 何か一つ全く新鮮である


漫画だと思います。言い換えれば、漫画家志望の皆さんには、読者の気持ちを考えられること、そして発明的なアイデアを捻り出すことが絶対に必要になります。



ジャンプルーキーがプロの漫画家への最短ルートである理由の一つはここにあると考えています。



今までは、志望者の皆さんが読者感覚を得る方法は、身近な友人や編集者に読んでもらうことでした。また、発明的なアイデアは、他者を知り、自分の武器を知ることで近づいてくると思います。そのために何度も持ち込みをしていくわけです。


もうお分かりかと思いますが、その積み重ねでようやく得られる感覚を、ジャンプルーキー投稿者の皆さんは、すでに獲得していっていると思うのです。投稿作の段階で読者の目に触れ、投稿者同士が、他の人の作品を読むことができる環境の中で、あなたの武器は何なのか、どうすれば読者に伝わるのかが、より磨かれると思います。


そして何よりも、ジャンプルーキーでは、ジャンプ編集部が投稿作品をすべて評価し、気になる作品があれば、


すぐにスカウトして担当につきます。


そこから、さらに打ち合わせを重ね、皆さんの武器を磨き上げ、ジャンプの看板漫画家になるサポートをしていきます。


とある漫画家さんとの打ち合わせ風景。2時間経過で少し散らかっています。


まだまだ粗くて構いません。自分の武器が発揮された挑戦作をジャンプ編集部に見せてください。そこから一緒に“面白く”て“売れる”漫画を作っていきましょう!


ルーキー賞だけでなく、世界一マンガ賞、ジャンプPAINTなど、ジャンプ編集部も様々な挑戦をしながら、皆さんの投稿をお待ちしています。


【第25回】外国人の新人漫画家がジャンプで続々デビュー!! その経緯に迫った!!

今回の編集部ブログは、最近増えている外国人の新人漫画家のジャンプデビューについて、その裏側を掘り下げてみたいと思います。

現在も多くの漫画家志望者たちが、しのぎを削りデビューを目指しています。しかし、デビューできるのはごくわずか。ジャンプデビューは新人漫画家にとって非常に険しい道のりです。

そんなジャンプでいま、外国人の新人漫画家が続々とデビューを果たしています!!

週刊少年ジャンプ(2016年第2号)には、中国人漫画家・第年秒先生による読切『ドミノ』が掲載され、人気を博しました。

さらに先月、第年秒先生に続き新たな外国人の新人漫画家が、ジャンプ+での読切掲載の会議を勝ち抜き見事デビューが決まりました!!
そこで今回ジャンプデビューが決まった韓国人の新人漫画家・Sparkle先生に、いかにして掲載を勝ち取ったのかインタビューしてみました!!

*****

―――まずはSparkle先生のジャンプデビューまでの経緯をお教えください。

以前、応募した「ジャンプ+ × メディバン 創作マンガコンテスト」で本当に運良く受賞することができました。
それをきっかけに作品を描いていくことができました。
韓国での経歴はまだありません。

「ジャンプ+ × メディバン 創作マンガコンテスト」の優秀賞『鉄に咲く花』。この時はまだソードという名のペンネームで活動しており、初めての創作作品とのこと。

―――日本のマンガ賞に応募したきっかけは何ですか?

半年くらい遊んでいて、このままじゃダメだと思い作品を描き始めました。
最初はゲームの2次創作だったんですが、すごく反応がよかったので、それで、自分のオリジナルマンガを描いてみたらどうかな?と思っている中、偶然ジャンプのコンテストを見つけて応募しました!

その後、『鉄に咲く花』が受賞をしたことにより、少年ジャンプ編集部の担当がつくことに。
そこから担当編集と一から打ち合わせをして作品を作り上げ、他の漫画家との競争を勝ち抜き、見事ジャンプ+の読切掲載を掴み取りデビューを決めました。

2017年8月15日(火)ジャンプ+にて配信する『平凡同盟』

―――日本と韓国という離れた環境や言語も違う中で、どのような打ち合わせをして作り上げたのでしょうか?また難しいところは?

打ち合わせはスカイプを通して行っています。
打ち合わせでは翻訳を手伝ってくれる方がいるので、言語に関しては問題ありません。
ただ、韓国語で執筆しているのですが、日本語に訳された時に文字数が変わったりするので、吹き出しの大きさを決めるのに最初は一番悩みました。

担当編集とSparkle先生、そして通訳の3人でのスカイプ打ち合わせの様子

―――日本のマンガ雑誌でのデビューを目指す外国人の新人漫画家へ何かアドバイスはありますか?

失敗して、つまづくのも前に進む為の過程だと思います。
つまづいて、辛い時は休んで、また進んで、そのうちきっと最後まで行けると信じています!
一緒に頑張りましょう!!

―――今後の抱負をお聞かせください。

やっとスタート地点に立てたと思います。
これからも頑張って、いいマンガを描けるように全力をつくします!
ありがとうございます!

*****

「ジャンプ」では、国籍・出身地問わずどんな漫画家さんの作品も大歓迎です。

そんな「ジャンプ」が、世界に向けてマンガ賞を開催中!!
その名も『ジャンプ世界一マンガ賞』!!!

日本語を含む8か国語で募集中!!審査委員長は『NARUTO-ナルト-』の岸本斉史先生!!

ご応募いただいた中で、未来の「ジャンプ」を担う新たな才能をお持ちの漫画家は、少年ジャンプ編集部がデビューに至るまでの様々な障害(言語の問題、文化の違いなど)を全力でサポートをさせていただきます!!

世界中の才能ある漫画家をお待ちしています!!

【第24回】「ハイキュー!!」など、週刊少年ジャンプのスポーツマンガ担当編集にインタビュー!!

少年ジャンプルーキー×J SPORTSによる「スポーツマンガ賞」。

スポーツマンガ賞の詳細はコチラ

現在、絶賛応募受付中のこの賞は…

なんと必ず大賞を選出! 賞金は100万円!

こんなに魅力的なマンガ賞は滅多に存在しません。だけど、スポーツマンガなんて描いたことない…。描きたいけど経験がない…。そもそもスポーツマンガに興味がない…。そんな人たちのために、週刊少年ジャンプで連載中のスポーツマンガを担当しているジャンプ編集者たちに特別インタビューを行いました。

今回インタビューを受けてくれたのは、こちら

・中路編集
入社14年目(担当:「シューダン!」)

・池田編集
入社7年目 (担当:「ハイキュー!!」)

・井坂編集
入社8年目(担当:「ROBOT×LASERBEAM」)

・田口編集
入社2年目(担当:「火ノ丸相撲」)

*****

―――まずは、担当編集者として感じるスポーツマンガの魅力を教えてください。

中路:スポーツの世界は日進月歩、取材するたびに新鮮な驚きがありますし、この面白さをどうやって伝えていこうかといつもワクワクします。名作と呼ばれるスポーツマンガは数多くありますが、今でしか描けない切り口は沢山あります。

池田:「ハイキュー!!」を読んでバレーボールに興味を持ち試合を観るようになったり、バレーボールを実際に始めました、という声を多く頂きます。他にも“インターハイ”や“春の高校バレー”といった 現実の大会ともコラボさせて頂いたりと、読者と競技を近づける 手助けにもなるのがスポーツマンガの魅力の一つではと感じています。

井坂:その競技を知らない、その競技に興味のない読者に “やってみたい”“観てみたい”と思ってもらえることでしょうか。 「キャプテン翼」は日本のみならず、世界の少年たちに影響を 与えました。ゴルフに関しても「ロボレザ」がゴルフ人口増加 の一端を担えるかもしれないと思うとワクワクします。

田口:色んな魅力がありますが、「火ノ丸相撲」の担当をしていて強く感じる魅力を1つあげます。“現実世界では実現できそうもない夢の対決や技を見ることができる” これこそがスポーツマンガの魅力ではないでしょうか?“八艘飛び”という相撲の技は 現実世界では滅多に見ることができない技なのですが、マンガ内であれば工夫次第で いくらでも出せる。そういうレアな技を見られたら、やっぱり嬉しい。これは他のジャンルのマンガにはない魅力だなーと思います。

―――スポーツマンガの担当編集として、どんな点を気にして作家さんと打ち合わせをしていますか?

中路:前作「背すじをピン!と」でもそうでしたが、“その時のその集団がもつ空気感”というものを大事にしています。その作品世界が“嘘”だと思われてしまうと読者の心は離れます。企画性やキャラも大事ですが、現実世界を描いているからこそ、そういった部分を疎かにせず丁寧に描くことで読者に信頼される作品になると思っています。

池田:バレーボールという競技の特性上ありえない展開や、バレーボール経験者の読者が読んで嘘くさいと感じたりしないように、とはいえマンガとしてのはったりや面白さを最大限に引き出せるように、という点など注意しています。他にも、ローテーションの順番がおかしなことになっていないか、といった競技ルールにも気をつけます。

井坂:ゴルフ自体に関しては読者の興味や知識が(まだ)ないと思うので 読んでいて用語や展開が理解できず ひっかからないようにというのは注意しています。 ただ、基本的には面白いキャラ・エピソードが生まれて、 主人公が際だてば問題ないので そのあたりはほかのストーリーマンガと一緒です。

田口:大雑把ではありますが、3点あげます。
1.納得できない勝利は避ける
読者に「なんだよ、その勝ち方萎えるわー」と思われた瞬間、作品の価値は下がります。根性論で勝つにしろ、技術で勝つにしろ、読者が納得できる形で勝利を提供するようにしたいです。
2.あくまで主役の話
みんな、そこまで興味のない試合のルールや脇役の解説に労力を割くよりかは、主役をより目立たせてあげたいです。
3.気持ち良い演出とセリフを用意
スポーツマンガは画面が地味になりがちです。敵を投げる場合にも色んな投げ方もありますし、そこにどんなセリフを載せるかで印象は大きく変わります。演出とセリフ… ここだけは何が何でも人と違うものを描いてほしいです。

―――スポーツマンガを描こうと考えている新人作家に向けて、メッセージをお願いします。

中路:その作品で描きたいと思った、自分の“好きなもの”を恥ずかしがらずに描き切ってほしいです。そのスポーツを知らない・興味のない人が「おっ」と思って手を止めるような作品には、作者の強烈な熱があります。へたな小細工はいらないので、今持てる力の限り思いっきり描いて、僕ら編集者の手を「おっ」と止めさせてほしいですね。

池田:学生時代に部活に打ち込んでいた方、やっていた経験は無くともそのスポーツが大好きという方、是非その経験を活かしてチャレンジしてみてください!ただ、普段持ち込みなどで新人さんの作品を拝見するとそのスポーツの紹介マンガになってしまっていることもままあり、そうでは無く「誰が」そのスポーツをやるから面白くなるのか、というようにキャラもしっかり意識した熱い作品をお待ちしてます‼

井坂:スポーツマンガこそ「キャラ」を意識してほしいです。 極論、面白いキャラクターがいれば どんなジャンルのマンガも面白くなります。 「何を」するか、ではなく「誰が」するのかというのが 重要だという考え方ですね。 ですが、スポーツを題材とした新人作家の作品を見ていると ついつい競技自体の魅力を描こうとして キャラがおざなりにしてしまっていることが多いです。 その人にどんな価値基準があるのか、どんな面白みがあるのかを 描写すること。そしてその描写されたキャラ性が競技にあったもの 。まずは上記のことを意識して描くのがいいとおもいます。

田口:スポーツマンガは需要があるのに、なぜか描き手が少ないです。 だから編集者は「もっとスポーツマンガを描いてくれる子が多いといいのにな〜」なんて考えたりもしています。もしキミが斬新なスポーツマンガを描いてきたら、編集者としては何が何でも「この子の担当編集になりたい!!」「この作品で連載を取りたい!!」と絶対に思ってしまいます。描くのは大変ですが、スポーツマンガの執筆はデビューへの近道でもあると思います。描くか迷っているのだったら、とにかく描いてみてはどうでしょう? 案外、描いたら即掲載が決まっちゃうかもしません。

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世界規模でその競技と読者を繋げ、作品を広めることが出来るスポーツマンガ。君の物語やキャラクターも世界中で愛されるようになるかも知れません。そして、ジャンプルーキー×J SPORTS「スポーツマンガ賞」がそのきっかけになると幸いです。

応募締切は7月31日(月)23:59まで。
引き続き皆様の力作お待ちしております!

【第23回】少年ジャンプ+「打ち切り」作家のその後とは!? もがき、あがく日々を赤裸々独白!

光があれば、闇もある…⁉ 今回のジャンプルーキー編集部ブログは趣向を変え、連載が「打ち切り」になった作者にインタビューをしてみたいと思います。
その作者とは、ルーキー出身で、2016年に『群馬アイドル神話 馬セブン』で少年ジャンプ+に連載をした、ブーメランパンツ野郎先生です。

鮮烈な作風、画風で見事に連載となったが…
「群馬アイドル神話 馬セブン」を読む

連載開始から人気も振るわず、早々に打ち切りが決定。コミックスが売れたら連載復活という話もあったようですが、全く売れず大爆死。
それから半年あまりの時間が過ぎた今、作者はどんな日々を過ごしているのか…?インタビュ-をしてみたいと思います。

*****

―――まずは、連載が打ち切られた時の心境と、その原因についてどう考えているか教えてください。

打ち切られた時は、まあ仕方がないなと。一生懸命やりましたけど、本当に自分が力不足だったなと思いました。コミックスが売れなかったのは、担当の我儘で値段設定が高すぎたのも原因だとは思いますが(850円+税)。
エゴサしても、ほぼ罵詈雑言でしたし…。でもそんな中で、面白いと言ってくれた方、コミックスを買ってくれた方の呟きとかもあって、それは本当に涙が出るほど嬉しかったです。総じて、連載できたことは感謝しかないです。

群馬から久しぶりに上京し、インタビューに答えるブーメランパンツ野郎先生。(神田の居酒屋にて)

―――その後は、何をして過ごしていますか?

打ち切り後、年末に少年ジャンプ+と、週刊少年ジャンプの増刊『ジャンプX(クロス)』に読切的なものを掲載することができて。担当から企画を振られて、それを描いた…という感じですが、それに取り組んでいる間は充実していました。
それからは……。

―――それからは…?

……打ち切りになりましたけど、担当も「次がある!」と言ってくれていますし、次回作のネームを描いてみようとはするんです。でも、冒頭で止まってしまう。自分の中だけで「これじゃまた打ち切りだ」とか「前作よりもつまらない」とか、ブレーキをかけてしまう感じで…ボツにしてしまう。で、また別のネタで描いて、また自分でボツにする…の繰り返しです。

―――他には?

いや、それだけです…。ぶっちゃけ、悩んでるだけで、実態はニートです。
い、いやいやでも! 自分を変えようと、何かしようと思って、R-1グランプリに出ました。ギャグ作家として、ギャグを鍛えようと思って。

―――結果は?

……1回戦敗退です。

―――おおよその、毎日の過ごし方を教えてください。

お昼に起きて、「ヒルナンデス!」を見ながらお母さんの作ってくれたご飯食べて…(ブーメラン氏は実家住まい)。その後、何かしなきゃと思って、一人カラオケ行ったりゲーセン行ったりして、でも別に何にも思い浮かばなくて。家に帰って夕ご飯を食べて、お風呂に入って…。後はネットしたりテレビ見たりして、朝寝る感じですかね。
僕、ゲームは3D酔いしちゃうんで、得意じゃないんですよ。

ブーメランパンツ野郎氏の作業デスク。苦悩の跡は…見られない。

―――……これからの展望を教えて下さい。

今はこんな生活ですけど、やらなきゃという思いは本物です。とにかく、次回作はもっと多くの人に面白いって言ってもらえるものを描きたいです。担当に見捨てられるまではあがくつもりです。

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現在の生活はともかく、次回作に懸ける意気込みは本物のようでした。
たとえ打ち切られても、何度もチャンスがあるのが少年ジャンプ+です。成功を目指し、何度もチャレンジを続けて下さい!

◆ブーメランパンツ野郎先生のデビューのきっかけとなった「第1回少年ジャンプ+連載グランプリ」のジャンプ現場編集による連載会議の模様はコチラ