【第24回】「ハイキュー!!」など、週刊少年ジャンプのスポーツマンガ担当編集にインタビュー!!

少年ジャンプルーキー×J SPORTSによる「スポーツマンガ賞」。

スポーツマンガ賞の詳細はコチラ

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こんなに魅力的なマンガ賞は滅多に存在しません。だけど、スポーツマンガなんて描いたことない…。描きたいけど経験がない…。そもそもスポーツマンガに興味がない…。そんな人たちのために、週刊少年ジャンプで連載中のスポーツマンガを担当しているジャンプ編集者たちに特別インタビューを行いました。

今回インタビューを受けてくれたのは、こちら

・中路編集
入社14年目(担当:「シューダン!」)

・池田編集
入社7年目 (担当:「ハイキュー!!」)

・井坂編集
入社8年目(担当:「ROBOT×LASERBEAM」)

・田口編集
入社2年目(担当:「火ノ丸相撲」)

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―――まずは、担当編集者として感じるスポーツマンガの魅力を教えてください。

中路:スポーツの世界は日進月歩、取材するたびに新鮮な驚きがありますし、この面白さをどうやって伝えていこうかといつもワクワクします。名作と呼ばれるスポーツマンガは数多くありますが、今でしか描けない切り口は沢山あります。

池田:「ハイキュー!!」を読んでバレーボールに興味を持ち試合を観るようになったり、バレーボールを実際に始めました、という声を多く頂きます。他にも“インターハイ”や“春の高校バレー”といった 現実の大会ともコラボさせて頂いたりと、読者と競技を近づける 手助けにもなるのがスポーツマンガの魅力の一つではと感じています。

井坂:その競技を知らない、その競技に興味のない読者に “やってみたい”“観てみたい”と思ってもらえることでしょうか。 「キャプテン翼」は日本のみならず、世界の少年たちに影響を 与えました。ゴルフに関しても「ロボレザ」がゴルフ人口増加 の一端を担えるかもしれないと思うとワクワクします。

田口:色んな魅力がありますが、「火ノ丸相撲」の担当をしていて強く感じる魅力を1つあげます。“現実世界では実現できそうもない夢の対決や技を見ることができる” これこそがスポーツマンガの魅力ではないでしょうか?“八艘飛び”という相撲の技は 現実世界では滅多に見ることができない技なのですが、マンガ内であれば工夫次第で いくらでも出せる。そういうレアな技を見られたら、やっぱり嬉しい。これは他のジャンルのマンガにはない魅力だなーと思います。

―――スポーツマンガの担当編集として、どんな点を気にして作家さんと打ち合わせをしていますか?

中路:前作「背すじをピン!と」でもそうでしたが、“その時のその集団がもつ空気感”というものを大事にしています。その作品世界が“嘘”だと思われてしまうと読者の心は離れます。企画性やキャラも大事ですが、現実世界を描いているからこそ、そういった部分を疎かにせず丁寧に描くことで読者に信頼される作品になると思っています。

池田:バレーボールという競技の特性上ありえない展開や、バレーボール経験者の読者が読んで嘘くさいと感じたりしないように、とはいえマンガとしてのはったりや面白さを最大限に引き出せるように、という点など注意しています。他にも、ローテーションの順番がおかしなことになっていないか、といった競技ルールにも気をつけます。

井坂:ゴルフ自体に関しては読者の興味や知識が(まだ)ないと思うので 読んでいて用語や展開が理解できず ひっかからないようにというのは注意しています。 ただ、基本的には面白いキャラ・エピソードが生まれて、 主人公が際だてば問題ないので そのあたりはほかのストーリーマンガと一緒です。

田口:大雑把ではありますが、3点あげます。
1.納得できない勝利は避ける
読者に「なんだよ、その勝ち方萎えるわー」と思われた瞬間、作品の価値は下がります。根性論で勝つにしろ、技術で勝つにしろ、読者が納得できる形で勝利を提供するようにしたいです。
2.あくまで主役の話
みんな、そこまで興味のない試合のルールや脇役の解説に労力を割くよりかは、主役をより目立たせてあげたいです。
3.気持ち良い演出とセリフを用意
スポーツマンガは画面が地味になりがちです。敵を投げる場合にも色んな投げ方もありますし、そこにどんなセリフを載せるかで印象は大きく変わります。演出とセリフ… ここだけは何が何でも人と違うものを描いてほしいです。

―――スポーツマンガを描こうと考えている新人作家に向けて、メッセージをお願いします。

中路:その作品で描きたいと思った、自分の“好きなもの”を恥ずかしがらずに描き切ってほしいです。そのスポーツを知らない・興味のない人が「おっ」と思って手を止めるような作品には、作者の強烈な熱があります。へたな小細工はいらないので、今持てる力の限り思いっきり描いて、僕ら編集者の手を「おっ」と止めさせてほしいですね。

池田:学生時代に部活に打ち込んでいた方、やっていた経験は無くともそのスポーツが大好きという方、是非その経験を活かしてチャレンジしてみてください!ただ、普段持ち込みなどで新人さんの作品を拝見するとそのスポーツの紹介マンガになってしまっていることもままあり、そうでは無く「誰が」そのスポーツをやるから面白くなるのか、というようにキャラもしっかり意識した熱い作品をお待ちしてます‼

井坂:スポーツマンガこそ「キャラ」を意識してほしいです。 極論、面白いキャラクターがいれば どんなジャンルのマンガも面白くなります。 「何を」するか、ではなく「誰が」するのかというのが 重要だという考え方ですね。 ですが、スポーツを題材とした新人作家の作品を見ていると ついつい競技自体の魅力を描こうとして キャラがおざなりにしてしまっていることが多いです。 その人にどんな価値基準があるのか、どんな面白みがあるのかを 描写すること。そしてその描写されたキャラ性が競技にあったもの 。まずは上記のことを意識して描くのがいいとおもいます。

田口:スポーツマンガは需要があるのに、なぜか描き手が少ないです。 だから編集者は「もっとスポーツマンガを描いてくれる子が多いといいのにな〜」なんて考えたりもしています。もしキミが斬新なスポーツマンガを描いてきたら、編集者としては何が何でも「この子の担当編集になりたい!!」「この作品で連載を取りたい!!」と絶対に思ってしまいます。描くのは大変ですが、スポーツマンガの執筆はデビューへの近道でもあると思います。描くか迷っているのだったら、とにかく描いてみてはどうでしょう? 案外、描いたら即掲載が決まっちゃうかもしません。

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世界規模でその競技と読者を繋げ、作品を広めることが出来るスポーツマンガ。君の物語やキャラクターも世界中で愛されるようになるかも知れません。そして、ジャンプルーキー×J SPORTS「スポーツマンガ賞」がそのきっかけになると幸いです。

応募締切は7月31日(月)23:59まで。
引き続き皆様の力作お待ちしております!