少年ジャンプルーキー3周年記念 編集長対談!! 週刊少年ジャンプ中野編集長×少年ジャンプ+細野編集長 漫画の未来と、新人作家への熱き想いを語りつくす!

誰でも「ジャンプ」でデビューできるマンガ投稿・公開サービス「少年ジャンプルーキー」が3周年を迎えました! そこで今回、「週刊少年ジャンプ」の中野編集長と「少年ジャンプ+」の細野編集長に、それぞれが思い描く「ジャンプ」、求めている漫画&新人作家、そして新人作家への掲載・連載へのアドバイスを大いに語り尽くしてもらいました!!

───── まずは、「週刊少年ジャンプ」「少年ジャンプ+」それぞれの雑誌のカラーや関係性など教えてください。

週刊少年ジャンプ 中野博之編集長
週刊少年ジャンプ 中野博之編集長

中野編集長(以下/中野)「週刊少年ジャンプ」の立ち位置はずっと変わらず、15歳~18歳の少年をターゲットとした、王道の少年漫画誌です。

もちろん今の時代だと、読者の中には女の子や何年も読んでくれているファンもいっぱいいますが、漫画家さんや編集者は「少年漫画を作るんだ」と思って日々「週刊少年ジャンプ」を作っています。

対して「少年ジャンプ+」は、その「ジャンプ」のベースはありつつも、「週刊少年ジャンプ」ではできないことや色々な方向に目が向いている・広がっている、というイメージです。

それが、「週刊少年ジャンプ」と「少年ジャンプ+」の違いですね。

少年ジャンプ+ 細野修平編集長
少年ジャンプ+ 細野修平編集長

細野編集長(以下/細野)「少年ジャンプ+」は“アプリの漫画雑誌”というコンセプトでやっています。

中野「週刊少年ジャンプ」と「少年ジャンプ+」それぞれで編集長はいますが、別の部署、別の雑誌という関係性ではないですね。

細野補い合っている感じですね。

中野具体的には、「少年ジャンプ+」の連載会議には私も出ていますし、「週刊少年ジャンプ」の連載会議には細野編集長も参加しているので、それぞれの会議に出された連載ネームや投稿作品の共有は図られ、お互いに連携しています。

それは編集部員も同様で、「週刊少年ジャンプ」のスタッフが「少年ジャンプ+」の連載漫画を担当していたり、逆に「少年ジャンプ+」のスタッフが「週刊少年ジャンプ」の作品を担当していたりするので、ジャンプ編集部に持ち込めば、どの雑誌にも掲載できる、という相互の関係性があります。

これは、「週刊少年ジャンプ」と「少年ジャンプ+」、それに兄弟誌の「最強ジャンプ」、すべての“「ジャンプ」グループ”として色々な作品をウェルカムしようという考えの下、“懐の広いグループ”でいたい、という思いからです。

編集長対談

───── 作家さんに来ていただくために、どんな取り組みをしていますか?

中野「週刊少年ジャンプ」は、まずは毎日の持ち込みと漫画賞です。

持ち込みの電話は、若手編集者が電話の前に張り付いて待っているので(笑)、新人作家は目の前に編集者がいるんだと思って電話をかけてくれるとありがたいです。

───── 持ち込みに来る作家さんは1日でどれぐらいですか?

中野1日に、多い時で20人ぐらいは来ていると思います。だから月に数百人ぐらいです。

一方で、旅費の問題だったり、年齢の問題だったりで持ち込みに来られない人もいるので、「スカウトキャラバン」で全国へ行き、地方の作家さんの原稿を見る取り組みもしています。

これは「少年ジャンプ+」や「ジャンプSQ.」を含めた“「ジャンプ」グループ”合同で行っています。

これも「ジャンプ」の生命線だと思っているので、今後も止めることなく続けていきます。

細野「少年ジャンプ+」だと、まず「少年ジャンプルーキー」上で行っている月例の「ルーキー賞」があります。

ゴールドルーキー賞を獲ると「週刊少年ジャンプ」掲載権が確約される特典があります。

そして、矢吹健太朗先生やうすた京介先生ら漫画家さんの名前を冠した漫画賞などがあります。

ジャンプルーキー出身の作家続々誕生中!
ジャンプルーキー出身の作家続々誕生中!

トップ賞を獲得すると審査員の漫画家さんに会えて、直接相談にのってもらえたり、熱のこもった講評を聞けるなど「ジャンプ」だからこそできる、スペシャルな特典を売りにしています。

そして「連載グランプリ」ですね。連載を想定した3話目までを通して評価するものです。

読切作品だけでは判断せず、また、新人作家さんにとっても「読切作品じゃないものを描いた」という場合に適した施策だと思っています。

他にも「COMITIA」や「京まふ(京都国際マンガ・アニメフェア)」等のイベントで出張編集部を設置して色々なタイプの漫画家さんが来やすい形をとっています。

───── 無料で漫画が描ける「ジャンプPAINT」も配信が始まり、新人作家も漫画を描きやすい環境にもなりましたよね?

中野「ジャンプPAINT」は、手軽に漫画を描いてもらいたい、という思いから生まれたものです。

漫画の才能があったにもかかわらず、漫画を描かずに別の道へ進んだ人がこれまでにいたかもしれないので、無料で簡単に漫画が描ける環境を整えたら、どうなるんだろう、という期待感があります。

細野また、「ジャンプ」に持ち込みをすると、連載中の漫画家さんを参考にする“描き方講座”の本がもらえるんですが、「ジャンプPAINT」でも同等のものを提供しています。