突然ですがみなさん、個人で自由に少年ジャンプ+で連載できる “インディーズ連載” についてご存じでしょうか?
ジャンプルーキー!の “連載争奪ランキング” で人気1位を勝ち取れば、担当編集が付くことなく少年ジャンプ+で連載ができるこのシステム。しかも原稿料に加え、閲覧数に応じて人気ボーナス金が出るので、人気次第では大きな収入も夢じゃない! また少年ジャンプ+の人気連載陣と同じ枠で掲載されるので、人気作と競って連載できます!
ですが、「ぶっちゃけインディーズ連載ってどうなの?」と悩んでいるそこの皆さん…。
昨年7月よりインディーズ連載として「ミス・リトルグレイ」を連載中の穂高汐先生が、インディーズ連載の内情を本音で語ってくださいました!
<インディーズ連載を目指したきっかけ──1人でできる喜び>
―――本日はお忙しいところありがとうございます! まずは、インディーズ連載を目指したきっかけを教えていただけますか?
編集者さん怖そうで喋りたくなかったからです…こんなこと言ってすみません…。
―――あはは。1人でできるって最高じゃんみたいな感じですよね。
そうですね。
<インディーズ連載の魅力①──多くの漫画好きに読んでもらえる>
―――インディーズ連載のどんなところが魅力的だと思いますか?
たくさんの読者に読んでもらえることです。アプリが1900万ダウンロードされているのは知っていましたが、最近友人や親がジャンプ+を読んでるのを聞いて改めてその媒体力を実感しました。
―――いやいや、ありがたいです。
また、ジャンプ+は漫画が好きな層にリーチできるのも魅力でした。Twitterは拡散力が強いですが、漫画を読むのを一番の目的にしている人は少ないと思います。
―――確かに、ジャンプ+は漫画が好きな人に集まっていただいていますね。
あとは、実績がなくてもOKだったのがすごかったです。これまでどんな漫画を描いてどんな賞を取って…みたいな経歴が全然問われませんでした。「あなたには連載する実力がないのでお断りさせてください」みたいな連絡が来てもおかしくないと思ってましたが、何も来ませんでした。
<インディーズ連載の魅力②──お金をもらって連載できる>
お金が出るのが1番ですね。原稿料があるから毎日漫画だけ描くことができてます。
―――人気ボーナス金ってどうですか?ぶっちゃけ…
どのくらいのPV数がいい数字かよく分からないので、人気ボーナス金の早見表で今の自分のレベルを知れるのが良かったです。
<インディーズ連載の魅力③──周りのレベルが高い>
―――人気作品と競って連載できることに魅力を感じる方も多いですよね。
周りを見ると人気漫画家と競えるっていうのに魅力を感じてる方は多い印象です。私はそんな競い合えるレベルじゃないですが、ただマラソンで周りがハイレベルだと自分も速くなる現象とかあるじゃないですか。
―――引きずられて速くなるんですよね
そうですそうです。周りのレベルが異次元に高いので、今のクオリティーで載ってるの申し訳ないな、もっと頑張ろう!ってなります。
―――いいですね、周りに引っ張られて自分のレベルが上がっていくみたいな。
はい。あとは、Twitterやpixivと違って、ジャンプ+はある程度掲載している漫画の数が決まっていますよね。限られた作品数だからこそ差が浮き彫りになって、より目指す所が明瞭になると思います。
<インディーズ連載の魅力④──1人で自由に連載できる>
―――自由に連載できるっていうのはどうでしょう?
失敗しても編集さんに迷惑がかからないのがとても良いです。自分1人が責任を被るので、その辺の心理的負担がないです。
―――確かに編集と組むと2人1組になるから、よくも悪くも一蓮托生ですよね。
<インディーズ連載の魅力⑤──締切が自分を追い詰めてくれる>
―――今はTwitterやpixivに自分の作品を載せられる時代。インディーズ連載との大きな違いってなんでしょう?
個人でやることと商業でやることの1番の違いは、締切の有無だと思います。私は締切がなかったらこんなにたくさん描けないです。
―――じゃあ穂高さんはインディーズ連載にすごく向いてるってことですね。
そうかもしれません。締切があると強制的にやる気が出ます。漫画描くのってしんどいので、個人だとなかなか継続できないという方にもインディーズ連載がマッチするかもです。
―――締切がないと、人間ほんとにやらないですからね、分かります。
<インディーズ連載へのぼやきと不安──1人で描き続ける心細さ>
―――インディーズ連載に対してマイナスな印象ってありますか?
そうですね…。相談窓口が欲しかったです。基礎的なことですが、原稿の枠があるじゃないですか。その外枠超えてもアプリ上で表示されてることがあって、どこまで描けばいいのかよく分からなくて困りました。
―――窓口はあることにはあるのですが、作品について相談できる人はいないですからね。確かに、編集がいない分そういう苦労はありそうですね。
そうだったんですね、調べ不足ですみません。
―――とんでもないです!毎週描くのはやっぱり大変でしたか?
次の話思いつくのかいつも不安です。
―――お一人でやられてますから猶更ですよね。それってどんなふうに乗り切ったんですか?
妥協点を決める。明日の自分に期待。そして追い詰められると何とかなります。
―――妥協というと言葉は悪いですが…。あと、連載の形式で鍛えられてるってことですよね。
そうだといいです。
<連載争奪ランキングへの不満あるある──フォロワー数が多い作家さんには勝てない?>
―――現状のインディーズ連載は、ジャンプルーキー!の連載争奪ランキングで1位を取ったら連載権利を勝ち取れる仕組みです。ランキングは閲覧数の順なので、フォロワー数が多い作家さんに勝てそうにないっていう意見はよく伺いますね。どう思われますか?
確かにその気持ちは分かります。ただどういう人に来て欲しいかの決定権はプラットフォームを持つ側にあるので、掲載させていただく側は与えられたルールの中でできることをやるしかないと思っています。もし編集部が企画を走らせていく中で集客力ではなく純粋な漫画の内容で競争させたいと考えたなら、そのときルールがアップデートされるんじゃないでしょうか。
―――自分をプロデュースする力も含めて試されている、というイメージですね。
はい。作品を告知する力とか自分で自分をブランディングする力とか、今の時代あって絶対に損はないと思います。せっかくの機会なので、どうやったら集客力を高められるのか色々試してみると楽しい気がします。私ももっと試行錯誤したいです。
―――1人でやられている方が言うと説得力がありますね。確かに本来だったら編集や宣伝の担当分野ではあるので、ご自身でカバーしていくっていうのは大変ですよね。
<インディーズ連載を始めてから変化──自分への自信>
―――インディーズ連載を始めて良い変化はありましたか?
自分に連載ができるのか不安でしたが、曲がりなりにも半年続けてこられて少し自信がつきました。ちょっとずつできることが増えていくのが楽しいですし、漫画を読んでくれる読者さんの存在もありがたいです。
―――自分描けるじゃんって思えたってことですよね。自分を見直せたみたいな…
はい。やってきたことしか自信につながらないので。ジャンプ+さんには、連載をさせていただいて本当に感謝しています。
<インディーズ連載を目指している方々へ一言!>
―――最後に、インディーズ連載目指してる人たちに一言お願いします!
自分は連載前にジャンプ+の読者の傾向をちゃんと分析できてなかったことを後悔しています。なるべく良質な仮説を立てて漫画を描いた方が、より改善にもつながったはずです。なのでどうか私と同じ轍を踏まないでください。
―――実感がこもっている…!読者の研究は大事ですよね。
こんなんですみませんって感じですが…
―――いやいや、リアルな意見でとても参考になると思います。本日はありがとうございました!
穂高先生のぶっちゃけトーク、いかがでしたか?
苦楽あるインディーズ連載ですが、ご自分の作品をより多くの人に見てもらえる大きなチャンスです!是非皆さんのエントリーお待ちしております。
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