【第50回】主婦をしながら漫画家に!ジャンプルーキー!から掴んだ夢!累計20万部突破「生者の行進」みつちよ丸先生インタビュー!

2016年、第2回連載グランプリで見事グランプリに輝き、2017年から連載開始。そして完結後に大ブレイクしたホラーサスペンス生者の行進。今回は、その作者であり、ジャンプルーキー!出身のみつちよ丸先生に、デビューまでの道のりと創作の裏側を聞いてきました!

「生者の行進」1巻はコチラ

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ーーみつちよ丸先生が漫画を描きはじめたのは、いつ頃ですか?
2013年くらいからでした。会社を辞めてから描き始めた感じです。ずっと漫画家という職業に興味はあって、いつか漫画を描きたいなと思っていたのですが、会社員になってからはしばらく忘れていたというか、そんなに意識していませんでした。でも、何か会社を辞めることがあったら、描いてみようとは思っていて、結婚や色々があって会社を辞めることになって、じゃあチャレンジしようと思い、描き始めました。


ーー元々漫画を読むのはお好きだったのですか?
漫画を読むのは小さい頃から好きでした。小学生高学年くらいから、お兄ちゃんのジャンプを読んでいました。読んでいて面白いという気持ちは、描いてみたいという気持ちに変わっていきました。


ーー特にどんな作品に影響を受けてこられましたか?
「幽☆遊☆白書」と「セーラームーン」ですね。漫画もアニメも見ていました。あと高校生の頃に「寄生獣」を読んで、めちゃくちゃ面白くて、すごく綺麗に完結していて、そこでストーリーを作ることに強く興味を持ちました。ストーリーの最初から最後までの完成度という意味では、「寄生獣」と「風の谷のナウシカ」に影響を受けました。


ーー漫画家にずっと興味はあったとのことですが、プロになりたいと意識しだしたのはいつ頃でしたか?
プロになりたいという気持ちは高校生の頃には持っていたのですが、両親が2人とも公務員で、漫画家という職業があまりに未知だったので、とりあえず大学に行ってくれと言われていました。安定した職業についてから、それから考えたらいいのではと。高校生の進路を考える頃、漫画コースがある学校とかも考えたのですが、家族の反対で断念した形でした。だから、夢をこじらせていたというか、何もチャレンジしないまま大人になってしまったので、「本気を出してやってこなかった」「興味はあったのにやり残した」という感じが社会人になってからもずっとあって…。30歳を超えてから、溜めに溜めた気持ちが爆発した形です(笑)結婚もしていて、生活基盤もしっかりしていたので、勢いに乗れたのもあると思います。


ーーその中で、ジャンプルーキー!に応募したきっかけは何でしょうか?
実は私は、主人の転勤でアメリカに行っていた時期がありました。漫画家を目指した最初の頃は女性漫画誌をメインに持ち込みに行っていたのですが、その後転勤が決まったので、雑誌の持ち込みができなくなったんです。それで何か良いWEBのサービスがないかと探して、ジャンプルーキー!を見つけました。

2016年1月期 ルーキー賞最終候補作「まねキング」


ーー海外から投稿しておられたんですね。
そうですね。本当にありがたかったです。こんな手段があるんだと思って。ペンとか画材も海外だと売っていなくて困っていました。そこでデジタル作画に切り替えて、そのままデジタル投稿できるというのがありがたかったです。ちなみに当時は講談社さんに担当さんがいて、その方と電話でやりとりしていたのですが、時差が15時間あるので、スケジュールを合わせるのが大変でした(笑)


ーーでは、「生者の行進」の連載が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
グランプリに決まりましたという連絡をジャンプ+の担当さんにいただいたのが、長女を産んだ一ヶ月検診の日でした。病院のロビーで連絡をいただいて(笑)あの時の興奮はなかなか忘れられません。でも、「今!?」という気持ちもありました。これからどうしようというか。記念受験みたいな気持ちで連載グランプリに投稿したところもあったので、まさかという気持ちでした。

「生者の行進」がグランプリを受賞した「第2回連載グランプリ」結果発表はコチラ


ーーその後、具体的に連載準備をしていく上で大変だったことはありますか?
下の子がまだ生後4ヵ月の頃、昼も夜も3時間おきに授乳をするのですが、授乳して寝かしつけて原稿を描いてというのが大変でした。保育園にも入れたのですが、母乳しか飲まない子だったので、毎日授乳しに3時間おきに保育園に行っていて、とても大変でした…。逆に子育ての生活サイクルに慣れると、短い睡眠でもすぐにスイッチが入って仕事モードになれるようになったのは良かったです(笑)連載中も、作品を作る上ではそれほど大変なことはなかったのですが、フィジカルな面だと、家族の健康などはどうしようもないので、子供が熱を出して保育園から着信があったりすると、一気に「うわー!」となって混乱していました。


ーーホラーの演出やセリフ回しなどに特に突出した印象を受けますが、ネームはどんな手順で書かれていますか?
まず最初に紙にコマ割の線を描いて、吹き出しの中の文字を描いて、それから吹き出しを描いていきます。映像は脳内で補完して、先にコマ割と文字だけをやってしまって、そこから絵を書き足していくという順番です。時間のかかる作業はあとに残しておくというか、
私はカメラワークをすごく大事にしているので、そこが後から修正しやすいように、最初のうちは絵を書かないで進めていきます。文字の位置とかもすごく意識していて、最初に書いたコマ割と文字だけのネームを何回も読み直して調整します。


ーー「生者の行進」を作る上では、どんなことに一番気をつけていましたか?
2週間おきに締め切りが来るのですが、ネームを書くときに、毎回最後に引きを作ろうというのは意識していました。


ーー泪やまどか、省吾など、キャラクターもすごくリアルな感情が描かれていましたが、何からキャラクターを作っていきますか?
私の作品はそんなにキャラクターがたくさん出てこないのですが、それは私が何を考えているのかわからないキャラクターは会話が浮かばないからで、自分の中の一部の人格をキャラにそれぞれ割り振っている感じですね。どのキャラも自分の思考のある一部分で会話をしていくので、キャラとキャラの会話はすごく書きやすいです。


ーー連載完結後に、反響が反響を呼び、累計20万部を突破しましたが、どんなことが話題になった理由だと思いますか?
それは、こっちが聞きたいくらいかもしれません(笑)ただ、自分の中では、連載をしている当初から、この作品は映画になっても良いんじゃないかというくらいの気持ちで作っていました。一本の映画を作るというイメージで、その尺の中での起承転結を意識していました。だから、3巻という長さで完結していて、一気に読みたい人にはちょうど良かったのかもしれません。キャンペーンなどで6話無料とかをやっていただいた際にも、読みたいと思った時に手を伸ばせるのも良かったのかなと思います。


ーー映画をイメージというのは面白いですね。
そうですね。元々、最後までの話を考えたのが、担当さんに連絡をもらった日だったのですが、病院で通知を聞いた時に、すごくアドレナリンが出たんでしょうね、その夜、一晩中眠れなくて、携帯のメモで20話分のメモを書き出したんですよね。A4にした時に3ページになるくらいの、箇条書きのようなストーリーを全部書き出しました。連載中もそれを元にネームにしていった形です。だからあれは1日で生まれたんです。なんだかその、興奮した状態が良かったんでしょうね。「やった!」というか。


ーー逆に、最初の構想から連載しているうちに変わった部分は何かありましたか?
変わった点は、自分でも予想外だったのですが、まどかのお兄ちゃんが思ったより活躍してくれました。実際にネームを描いてみた時に、連載後半の方は、当初のストーリーとは違う動きをしてくれて、キャラが動くってこういうことなのかなと思いました。最初はあんな良い奴なキャラじゃなかったんですよ(笑)


ーー次回作はどんなものを考えておられますか?
「生者の行進」の主人公達は高校生だったのですが、次回作はもう少し大人の主人公にして、もうちょっと複雑な大人の葛藤や恋愛模様なんかが描けるといいなと思います。更にこじらせる感じというか(笑)


ーー最後にジャンプルーキー!に投稿しデビューを目指す方に、一言アドバイスをお願いします。
アドバイス、アドバイスですかー…なんだろうなぁ。皆さん、私より絵の上手い方もいらっしゃるし、運みたいなところもありますし、えーと、そうですね…。何か多分、漫画家を目指している方って、今は漫画家ではない状態じゃないですか。学生さんだったり、バイトされていたり、社会人だったり。いつかあるべきところに落ち着くと思うのですが、私は遠回り遠回りして漫画家になって、でも遠回りしたとしても、社会の中で勉強したことも全部含めてネタのこやしにしています。だから今、漫画家じゃない自分にヤキモキしている人もいると思うのですが、それはそんなに悪い状態じゃないんだよ、ということを伝えたいですね。変に焦らなくてもいいし、漫画を描くことが好きなら、何かをやりながらでも描き続ければ良いと思います。私も主婦をしながら、1日5分でも時間があったら、何かを書こうと思って今もやっているので。


ーーみつちよ丸先生、ありがとうございました!

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いかがでしたか?好きという気持ちを大切にしながら、たくさん描き続けてくださいね!新たな才能がジャンプルーキー!から登場するのを楽しみにしております!!


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