【第45回】桃栗みかん(河下水希)先生 かわいい&かっこいいキャラクター描き方講座

週刊少年ジャンプでいちご100%など、大人気作品を連載していた
桃栗みかん(河下水希)先生が少年ジャンプ+に完全移籍!
今作の群青にサイレンでも、その圧倒的な画力による魅力的なキャラクターがたくさん登場します。


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今回の編集部ブログでは桃栗みかん先生に【かわいい&かっこいい】キャラクターの描き方についてインタビューさせていただきました。

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―――使用されている執筆道具や機材について教えてください。

アイシーの漫画原稿用紙に人物下描きは0.5Bのシャーペン。ペン入れはゼブラのGペン、丸ペン、パイロット製図用インクです。ベタは筆ペンとか油性ペンとか。普通のアナログ用画材です。


―――かわいい女の子を描くコツは?

実物でもいいしアニメでもいいし、可愛い子のどんな仕草に自分はグッとくるのかを念頭に描く。顔がイマイチでも(すみません)仕草や行動、セリフでも魅力はたくさん引き出せると思います。あと服や髪型はある程度流行のものを描いた方がいいと思います。
そして表情は、女の子に限らず全ての登場人物においてですが、そのキャラになりきること。笑うのも泣くのも自分が感情移入しないと生き生きした表情は描けません。自分が感情移入した1/5くらいでも読者に伝われば上出来かと。
体のラインは柔らかく、曲線を意識して描く感じです。私の場合は納得できる腕や脚を描くために実物の女性(ファッション雑誌や写真集とか)を参考にして描くこともあります。


―――かっこいい男の子を描くコツとは?

こっちはまだ研究中ですが(笑)今のところ女の子を描くときと一緒です。
ただ体のラインは女の子と違って、直線を意識して描くと(例えるなら円を12角形で描くようなイメージ)細マッチョな腕や足が描けると思います。
私はキリッとした表情をアップに持ってくるのが好きなので、その時は目力を大事にしています。


―――漫画家を目指している人にオススメの画力向上法があれば教えてください。

おそらく一番効果的なのはたくさん描くことだと思います。速く描いたり綺麗な線を引く等は反復練習で上達すると思います。
ただ、たまにでもいいのでちゃんと資料を用意して、デッサンのように徹底的に観察しながら描くことをするといいと思います。マンガのためなので写実的に描く必要はそこまでないと思いますが、実物の人間でも、好きなマンガの模写でも、背景や小道具でも…全体の形、比率、細かい特徴等に気づく事が出来ると、デフォルメして描いたとしても「嘘のない絵」に見えると思います。高度な観察力、私も欲しいです!


―――『群青にサイレン』は等身大の男子高校生による野球漫画となっていますが、描く上で大変なこと、気をつけていることはなんですか?

野球シーンに関しては実際の試合を観に行った時に撮った写真や、雑誌等の資料を必ず用意して描いています。いろんな角度や細部が知りたくて、グローブやバット、キャッチャーの防具一式も用意しました。
等身大の高校球児が描けているかどうかはわかりませんが、高校野球経験者の方の話を聞くのが好きなので、その話と自分が学生の頃悩んだことや思い出とかをミックスして描いています。


―――2月から新エピソードが始まる『群青にサイレン』ですが、読者に一言お願いします。

恋愛どころか女の子もほぼ出てこない、がっつりではないですが一応スポーツをやっている…自分にとっては不慣れな、新境地の作品です。部活だけじゃなく何かに打ち込んだことがある人なら多少は感じたことのある、薄暗い感情をとことん描いてみたかったので連載させていただいています。主人公嫌なヤツ!とお思いの読者も多いと思いますが、あたたかい目で彼の成長を見守っていただけたらありがたいです。

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ありがとうございました!
魅力的なキャラクターを描くには、女性を描くときは“曲線”を。男性を描くときは“直線”を意識する。キャラクターに深く感情移入して表情を描く。あとはインタビューにもあったように、自分が描きたい絵を再現するためには、とにかく反復練習と資料を見て描くことだと思います。
『群青にサイレン』では複雑な感情や想いを感じさせるキャラクターたちの繊細な表情も大きな魅力の一つです。是非ご一読頂けますと幸いです。


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