
いつも「ジャンプルーキー!」へのご投稿ありがとうございます!
今回の編集部ブログを担当させていただきます、少年ジャンプ+新人編集のKです。
さて、今回の編集部ブログでは前回に引き続き、漫画の現場の最前線で連載作家さんをサポートしている「アシスタントさん」にインタビューしました!
前編では先生の作業場に直接出向く「通い」のアシスタントさんにご登場いただきましたが、後編では自宅などからオンラインでも勤務可能な「リモート」のアシスタントさんにご登場いただき、リアルな声をお聞きしました!
①:通いアシスタント:先生の作業場に直接出向き、一緒に作業するスタイル。
→『幼稚園WARS』のアシスタントさんにインタビューさせていただいた前編はこちらから!
②:リモートアシスタント:自宅などからオンラインで作業を進めるスタイル。
→今回のブログ
今回は後編のリモートアシスタント編ということで
現在少年ジャンプ+にて大好評連載中の『おかえり水平線』のアシスタントさんへのインタビューを掲載します!
「アシスタントって聞いたことはあるけど、結局何をするの?」
と感じている方はもちろん!
「プロの現場に、新人の自分が入っていいの?」
など、アシスタントに興味はあるけどやるかどうか迷っている漫画家志望さんもぜひ最後までお読みください!
海辺の街で、祖父と銭湯を営む遼馬。いつものように学校帰りに開店準備をしていると、父の隠し子を名乗る玲臣という少年がやって来て――?
舞台は銭湯。義兄弟が繰り広げる、ビターで温かいヒューマンドラマ開幕!
今回インタビューにお答えいただくのはジャンプルーキー!出身で『おかえり水平線』のアシスタントさんの柚さんです!
はじめまして、柚と申します。
今までに少年ジャンプ+に読み切りを5本程掲載していただきました。
現在は少年ジャンプ+で連載中の『おかえり水平線』(渡部大羊先生作)のアシスタントに入らせてもらっています。
アシスタントに入るまで連載経験は無く、本格的なアシスタントの経験はありませんでした。
『おかえり水平線』の中で好きなキャラは主人公の遼馬です。
一本芯の通ったカッコ良さと、独特な面白さが混在していて読んでいて魅力的なキャラです!
『おかえり水平線』が隔週連載なので、アシスタントも同じく隔週でだいたい3〜4日くらい参加させてもらっています。
一日の作業時間は8時間で、途中お昼休憩が一時間あります。
渡部先生が定期的にお茶飲んだりおやつ休憩を取ってくださいね!と言ってくださるのでお言葉に甘えながら自主的に小休憩も挟みつつ作業をしています!
背景のちょっとした建物や自然物、雑貨などの小物類の作画を任せてもらう事が多いです。3D素材を使って描いたりもします。
使用ソフトはクリップスタジオです。
先生との連絡手段はディスコードを使っています。
基本的にはメッセージや原稿データに直接文章で指示を貰う事が多いです。
口頭で伝えた方が分かりやすい場合にはその都度ディスコードの通話を使って指示をもらいます。
作業データの受け渡しは、クリップスタジオにあるチーム制作という機能を使っています。作業したデータをクラウドにアップロードして先生から確認を仰いだりしています!
目的のある背景を描けるようになりました!
アシスタントに入る前は背景がとにかく苦手で、誤魔化しながら作画している事が多かったです。
自主的に練習をしてはいたのですが苦手意識がなかなか拭えませんでした。
今思えばそもそも、どんな背景にしたいのかが分かっていなかったことが原因かと思っています。その背景に目的を持てていないので、パースや技術を練習してもそれをどう使えば良いのか分からず時間と労力を浪費していた感じでした。
でもアシスタントに入ってからは、先生からの指示や参考資料などを与えてもらった事で背景作画に明確な目的を持つ事ができました。
例えば引きの画面だから描き込み過ぎない、悲しい場面だから影をドラマチックに入れて情緒的に…など、初歩的な事かと思うのですが目的ができて自分なりに工夫や労力を使って描くようになりました。
明確な目的、指示に沿って描くという過程をアシスタント中に何度も繰り返して行う事が背景に対する分からなかったことの理解をさせてくれたと思っています。
また経験のある人からの修正をもらえるので、技術的にも成長させてもらえました!
実際に柚さんのアシスタントに入る前と後のご自身の漫画原稿のデータを見せてもらいました!



元からとてもお上手ですが、比べてみると確かにアシスタントに入った後の方が影の使い方や情緒のある画面作りがよりできるようになっているのが分かりますね!
自分以外の人の原稿を見られることです。
嬉しかったので一番印象に残っています。
デジタル作画のため先生や他のアシスタントの方のレイヤーの痕跡を見る事ができるタイミングで『上手いな…こうやって描いてるのか…凄いな…』と学びを得られたのが嬉しかったです。
通勤時間がない事と誰とも対面しないので身だしなみを整える手間がかからない事です。
終業してすぐにご飯を食べたり、寝たりできるので助かっています。
アシスタントを経験すると、技術的な面や精神的な面で自分の作品への良い影響があると思っています。
もちろん人付き合いも込みのお仕事ですので、相性はあると思いますが連載してらっしゃる先生、他のアシスタントの方など新たな出会いによって成長する機会が得られる事も期待できます。
以下はあくまでも個人的に、リモートアシスタントとして活動した経験が無い方向けの応募する前に押さえておくと楽な要項です。
- 通話、メッセージや原稿データのやり取りが可能なネット環境や機材を所持している必要がある。
- デジタル作画の場合、使用ソフトがそれぞれのアシスタント現場の規定に沿っている必要がある。
- アナログ作画の場合、リモートでアナログ原稿を共有する術を持っている必要がある。
- 遠近法など基礎的な事を押さえておく必要がある。
指示に従って背景を描いていくため、普段自分が描いている背景、描きたい背景とは違う描き方をする場合がある事を理解しておく必要がある。
- 現場によっては仕上げを主に行うアシスタントを募集していることもある。
なので、作画に自信がない場合でも仕上げ要員としてアシスタントに参加してみる方法もある。
後々背景のアシスタントとしても活動したい場合はその事も込みで先方に相談をしてみる事もおすすめ。
- トーン、ベタなどの仕上げ作業でも、プロの指示を受けながらやってみるとシーンによっての使い分け、演出のための技術など自分にとって学びになる事はたくさんある。
- リモートであっても人間同士が共同で作業していくのでコミュニケーションは避けられない。先生、アシスタント同士で性格の相性などもある。
- 作業中のリモート環境でのコミュニケーション量を先方に聞いておく方が良い。
- グループ通話をしながら作業、通話は指示の時だけ、メッセージのみでやり取りなど現場によってリモート作業のコミュニケーション方法は違う。
- 報告連絡相談をメッセージや通話などでしっかり行う必要がある。
- リモートなのでコミュニケーション、人付き合いの面で楽なところ難しいところがそれぞれある。
最後になりますが、アシスタントでの経験がご自身の漫画制作を手助けしてくれる瞬間があると思いますので、無理のない範囲でチャレンジしてみて下さい!
後編のリモートアシスタント編は以上です。
柚さん、快くインタビューを引き受けてくださって誠にありがとうございました!!
今回のインタビューで、アシスタントというお仕事が少しでもイメージできたなら嬉しいです。
まだ「通い編」を読んでいない方は、そちらもぜひチェックしてみてください!
最後にお知らせです!
「ジャンプルーキー!」では非公開プロフィール欄にて、ご自身のアシスタント希望の有無を設定できます。
手順:設定 → 非公開プロフィール → アシスタント と進んでいただき、ご希望の勤務形態をご選択ください。
今回の編集部ブログを読んで、少しでもアシスタントに興味を持った方はぜひ設定してみてください!
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