【第16回】編集部バッジについて

いつもジャンプルーキーにご投稿ありがとうございます。
今回のブログのテーマは編集部から「これは!」と思う作品につけさせていただいている編集部バッジについてです。

↑バッジとはこの青いヤツです。全部で6種類あります。

「画力」「構成力」「ストーリー」「演出力」「キャラ」「オリジナリティー」と各要素ごとに優れていると感じるルーキー作品への評価なのですが、そもそも「画力、構成力が優れているとはどんな事だ?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ということで、これからそこをお話ししたいと思います。
「バッジをつけた作品は具体的にどんな部分で優れているのか」「編集部はどんなポイントで各要素を評価するのか」を少しですがお伝え出来れば。

【画力】
絵が上手いと感じる作品への評価です。
具体的には下記。
「絵柄が魅力的である」「デッサン等がある程度正確で見やすい」「表情の描き方が上手く、読み手の感情を動かす」「背景が緻密」「読者の目を引く構図が上手い」「アクション・可愛い女性の体・機械など描く対象・描写に一般以上のこだわりの熱を感じる」etc

【構成力】
整理整頓が上手い作品への評価です。
具体的には下記。
「本来、ややこしい設定のはずが、説明の順番やタイミングが上手いので、理解しやすい」「見せるべき要素を中心にすえ、そこまでの持っていき方が整理されているので、カタルシスが増幅している」「最初のシーン選択が巧みで印象的なので、作品全体に興味を湧かせる」「コマ割りが上手い、ページめくりのテクニックが巧みで楽しくストレス少なく読める」etc

【ストーリー】
面白いストーリーラインの作品への評価です。
具体的には下記。
「意外なオチがある」「変わった設定から出発して展開が面白い」「話に起伏や緩急があり飽きにくい」etc

【演出力】
演出力が巧みな作品への評価です。
ちなみに演出力とは、元々10の面白さを持った作品を20にしたり100にしたりする増幅力みたいな物だと定義します。
具体的には下記。
「キャラの紹介やピンチなどの各シーンのアイディアが上手い・面白い(例えば、一見不良だが実はいい奴の主人公を表す小エピソードは何か?これが上手いと主人公のキャラ性が他の漫画と被ってても魅力的になる)」「台詞の選び方が巧み。決め台詞が上手い」「陳腐な台詞以上に絵力で読者を納得させる」etc

【キャラ】
言動やビジュアルなど色んな意味で魅力的なキャラがいる作品への評価です。
具体的には下記。
「主人公がカッコ良くてついて行きたくなる」「主人公が地味だけど共感できて応援したくなる」「主人公が変な奴で次に何をやるか気になる」「ヒロインが可愛くて好きになる」「敵が悪い奴過ぎて本気でムカつく」etc

【オリジナリティ】
魅力的な独自性がある作品への評価です。
具体的には下記。
「絵柄が独特」「設定が独特」「シーン構成の順番が独特」「キャラの職業・思考が独特」「演出の発想が独特」etc

当然、挙げた具体例の全てを満たす必要はありません。具体例一つで十分バッジに値します。
また具体例も今回書ききれない程沢山あります。とにかくそれぞれで何か「(新人賞レベルで)おっ!」っと編集部に思わせたら、各種のバッジになります。

またお気づきかと思いますが、各要素は実は完全には独立していません。
複数の要素にまたがった長所である事はザラです。
実際に大ヒット漫画でも「絵が上手いので、演出が刺さる」「面白すぎるストーリーなので、その中で活躍する主人公も好きになる」などよくあります。
最終的には「絵が上手い」「構成力が巧み」などの部分評価を超えて、「面白い作品である」という総合評価が全てです。6要素を磨く事は面白い漫画を作る手段です。目的ではありません。
読者は構成力があるから、オリジナリティがあるから漫画を楽しむのではありません。その巧みな要素の結果<面白いから>漫画を読んでくれるのです。
なので6要素の細かい所を悩むぐらいなら、無視して突き進むのも手です。
「絵は下手だけど、構成はめちゃくちゃだけど、面白い漫画」もありますし、それも勝ちです。

ジャンプルーキーでは今後とも皆様の力作をお待ちしております!