【第133回】働きながら漫画家を目指す!! 『少年ジャンプ+』人気作家に聞く、兼業でデビューするための秘訣!!

いつもジャンプルーキー!へのご投稿ありがとうございます!

今回はお仕事を続けながらプロの漫画家を目指されている皆様へ向けて、『少年ジャンプ+』の人気作家に仕事と執筆活動を両立するコツ、「デビューまでどのように過ごしていたか」の経験談をインタビューしました!

今回インタビューにご回答いただいた先生方はこちら!

  • クワハリ先生(『ふつうの軽音部』原作)
  • 川田大智先生(『半人前の恋人』)
  • 静脈先生(『マリッジトキシン』原作)

連載作家陣への貴重なインタビュー、毎日の創作活動を続けるための一助としていただければ幸いです!


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クワハリ先生

『ふつうの軽音部』あらすじ
ちょっと渋めの邦ロックを愛する新高校1年生・鳩野ちひろ。新品のギターを背に、軽音部の門を叩くも――!? 超等身大のむきだし青春&音楽奮闘ドラマ、スタート!

第1話を読む

――① デビューにいたるまでの経緯/状況について教えてください。

高校の教員として働きながら、ジャンプルーキー!に「ふつうの軽音部」を2週間に1回ぐらいのペースで描いて投稿していました。20話ぐらい載せたところで現担当から声がかかり、原作として少年ジャンプ+で連載を目指すことになりました。

――② 当時の1日(平日)のスケジュールと、休日の過ごし方について教えてください。

6時起床、7〜18時出勤という本業のスケジュールだけ決まっていて、漫画を描くスケジュールは決めずに描いてました。休日も漫画を描いたり遊びに行ったり溜まった仕事をしたり、色々なことをしていました。

――③ 仕事との両立、本当に大変だったと思うのですが、どうやって気持ちをつないでいらしたのでしょうか。

完全に趣味で描いていたので気持ちをつなぐとかは無いのですが、閲覧数やコメントがちょっとずつ増えていくのが嬉しくて、それがモチベーションになってました。

――④ ご多忙の中、どうやって時間を捻出していらしたのでしょうか。

移動中の電車の中で描いていました。ラーメン屋の行列に並びながら描いていたこともあります。別にストイックなわけではなく、そういう時間に漫画を描くとすごく得した気分になるのでやってました。

――⑤ 仕事を続けながら漫画家を目指している方々へ向けて、メッセージをお願いします!!

僕の場合は自分の漫画が好きで、自分が描かないと続きが読めないから描いていたという側面が強いです。こんな漫画は自分が描かないと他の誰も描いてくれないぞ!という題材を見つけることが重要だと思っています。
また、なるべくiPadなどを導入して、どこにいても漫画を描けるようにしたほうがいいと思います。職種にもよりますが、本業がある場合は外出先のわずかなスキマ時間でも漫画を描く習慣を身につけたほうがいいです。僕の知り合いの兼業作家の方は、友達との飲み会やカラオケに行ったときもiPadで漫画を描いているそうです。そこまでいくのは無理でも、漫画執筆作業に対するハードルを下げることが大事だと思います。



川田大智先生

『半人前の恋人』あらすじ
ある日、美術室で学校の備品を制作していると、すごく怖そうな女子がこちらを睨んでいて…!? 職人女子×美術男子 青春グラフィティ――

第1話を読む

――① デビューにいたるまでの経緯/状況について教えてください。

会社に勤めながら、平日の夜や休日に描いた漫画をいろんな出版社や編集部の漫画賞に投稿していました。そのうち1人の編集さんから声をかけていただいて、デビューに繋がりました。

――② 当時の1日(平日)のスケジュールと、休日の過ごし方について教えてください。

6時起床、8〜17時出勤、18時半帰宅、夕食と風呂を簡単に済ませて19時半〜23時くらいが執筆の時間だったと思います。0時が目標就寝時間でしたが、1時過ぎまで描いていることもよくありました。

――③ 仕事との両立、本当に大変だったと思うのですが、どうやって気持ちをつないでいらしたのでしょうか。

「虎視眈々」と自分で書いた色紙を部屋に飾って、とにかく毎日淡々(眈々)と過ごしていました。「漫画で食えるようになる」という目標を明確にしてからは、冷静に考えてそのために必要なことはやるし不要なことはやらないというシンプルな判断基準に従って過ごしていました。

――④ ご多忙の中、どうやって時間を捻出していらしたのでしょうか。

会社の残業はほとんどなく定時(17時)で終わる日が多かったので、帰りの電車で頭を切り替えて帰宅してからはすぐに机に座って描いていました。睡眠は多くて6時間少なくて4時間半で、休日も休まずに描いていました。とにかく「すぐに切り替える」ことが大切です。ダラダラした不毛な時間が減るので使える時間が増えます。

――⑤ 仕事を続けながら漫画家を目指している方々へ向けて、メッセージをお願いします!!

「生活のために稼がなきゃ」とか「漫画が思うように描けなくてつらい」とか、現実的な壁は高いですよね…分かりますよ…! 仕事と漫画の両立は体力的にも精神的にもキツいので僕はもう2度とやりたくないですが(笑)、そこで折れずに自分にとって大切なことを見極めて何とか乗り越えたということは重要な経験だったと思っています。自分の状況を客観視して、打破するために何が必要か不要かをよく見極めてください。そうしてメタ認知能力が向上するとそれが漫画にも活かされる時がきっと来ます。全てを漫画に昇華させましょう。



静脈先生

『マリッジトキシン』あらすじ
数百年続く殺し屋『毒使い』の青年・下呂。裏稼業に身を置き、女性が苦手な彼にとって結婚はするべきではないものだった。しかし、『毒使い』の血を絶えさせないため実家は彼の妹に対し、強制的に跡継ぎを産ませることを通告。そんな時、下呂は仕事のターゲットだった結婚詐欺師・城崎と出会い…!? 「――そんな提案(プロポーズ)、初めて」結婚詐欺師をアドバイザーにした殺し屋の婚活が始まる!目指すは最高の結婚…世界一ハードな婚活バトルアクション!!

第1話を読む

――① デビューにいたるまでの経緯/状況について教えてください。

マンガっぽいのは小学生くらいから趣味で描いてました。就職してから、「ひらめき☆マンガ教室」というマンガの教室に通いまして、「ネーム原作」という仕事があると知りました。そこでジャンプルーキー!に「※ネームです」という注釈をつけて投稿したところ、編集の方から声がかかりました。その方にかなり鍛えてもらって、ようやくモノになった…という次第です。

――② 当時の1日(平日)のスケジュールと、休日の過ごし方について教えてください。

8時起床、10-19時出勤、25時就寝。隙間の空いた時間に執筆してました。
休日も使える時間はだいたい執筆していたような気がします。

――③ 仕事との両立、本当に大変だったと思うのですが、どうやって気持ちをつないでいらしたのでしょうか。

設定された締切に間に合わせる!という意識しかなかった気がします。自分の性質上、期待が叶わなかった時に立ち直るのに時間がかかるので…粛々と、打ち合わせ等で生じた課題に応えていました。ありがたいことに金銭や時間などでカツカツに追い詰められた状況ではなかったので、商業媒体に読切が一度でも掲載できれば「もうこれで終わってもいい。だからありったけを…」という気持ちをぶつけてやっていました。

――④ ご多忙の中、どうやって時間を捻出していらしたのでしょうか。

自分の場合は「ネーム原作」という前提ですが…通勤してる最中や昼食の時間に、iPadで執筆してました。また、混雑している場合は、スマホのメモ帳で話の流れを考えたり…など。あとは、なるべく残業が発生しないよう、早めに仕事を切り上げられるように頑張ってました。やるべきことをやっていれば何も言われない職場だったので、かなり恵まれていたと思います。

――⑤ 仕事を続けながら漫画家を目指している方々へ向けて、メッセージをお願いします!!

面白いマンガを描いているはずなのに、商業的に全然評価されないな…と長年思っていました。そんな自分がブレイクスルーしたのは、誰かのためにマンガを描いてみたことです。具体的には、知人の作品を紹介するマンガを描く機会があり、次のことを念頭に置いてました。「こういう風に描いたら面白がってくれるんじゃないか。逆に、これを描いたら気分悪くなるかも…」と。ずっと自分の満足のためにやっていたのですが、その意識が入ってから、少しずつ結果がついてきたという印象です。
もちろん最初から「商品」を作れる方もいますし、自分が面白いと思ったことが評価されている場合は忘れてください。小さくまとまってしまう危険性もあるので…。


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先生方、ありがとうございました!

いかがでしたでしょうか。先生方の置かれていた状況はそれぞれ異なる中、それでも皆さん共通して「描き続ける」ことの重要性を語られていたのが印象的でした。ゴールが見えない中で仕事と執筆を両立し続けるのは、軽々しく言葉にできないくらい大変なことだと思います。この記事が、少しでも皆様の助けになることを心から願っています。

ジャンプ+編集部は、いつでも皆様の作品をお待ちしております!


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「少年ジャンプ+漫画賞2025年9-10月期」の応募受付を開始しました

少年ジャンプ+でヒットを目指す新人作家、求む!
「少年ジャンプ+漫画賞2025年9-10月期」募集開始!

『SPY×FAMILY』や『怪獣8号』など、次々とヒット作を生み出している少年ジャンプ+。
少年ジャンプ+は、次世代のヒットを担う新しい才能を求めています。
本漫画賞は今2か月ごとに年6回締切で、いつでも応募ができる常設の賞です。

9-10月期の特別審査員は、『怪獣8号』松本直也先生!!

賞の詳細や応募方法については、こちらをご覧ください。

締切は2025年10月31日(金)!!

少年ジャンプ+連載を目指す第一歩!
未来の漫画界を担うアナタのご応募、お待ちしております!

※8月31日(日)締切の「少年ジャンプ+漫画賞2025年7-8月期」の結果発表は、11月17日(月)頃を予定しています。

「少年ジャンプ+漫画賞2025年9-10月期」の応募受付を開始

少年ジャンプ+にルーキー出身作家の読切が続々掲載!

少年ジャンプ+でルーキー出身作家の読切作品が掲載決定!
掲載スケジュールは、以下の通りです。

◆9月4日(木)「おわんちゃんの波瀾万丈麺」はるにわかえる
ラーメン屋は波瀾万丈。街のラーメン屋「パワーボム」の店主・おわんちゃん。
おわんちゃんがお店に大食漢の救世主が来ることを願っていると、そこに現れたのは…

◆9月7日(日)「爆走天使 卍ヶ原夜叉丸」大宮嵐
飛鳥くんに片想いをしている一愛は、恋のおまじないをする事に。しかし現れたのは特攻服を身に纏う自称No.1天使“卍ヶ原夜叉丸”だった!
ヤンキー夜露死苦なこの天使に任せて、果たして恋は成就するのか…!?

これまでにジャンプデビューしたルーキー出身作家の実績はコチラ

 少年ジャンプ+にルーキー出身作家の読切が続々掲載!

ルーキー出身作家のジャンプコミックス9/4(木)発売!!

9/4(木)にジャンプルーキー!出身作家のジャンプコミックスが発売!!

◆野球・文明・エイリアン 【1】 原作:へじていと 漫画:山岸菜
淡々と日々を過ごしていた大学生の高次は、超がつくほどの野球好きであるにいなさんと出会う。
野球のことしか頭にない彼女に惹かれ、順調に交際を重ねる高次だったが…?
異彩三刀流ラブコメディ(?)、開幕!
1巻試し読みはコチラ

◆時間の神様 【上】 原作:中西鼎 作画:風呂川ツカサ
ある朝、世界は全て“停止”した――…。
「時間を止める時計」を拾った少女・ユキの手により命を救われた少年・ヒロキ。
時計をきっかけに接近した二人は、忘れられない夏を迎える…!
全てが停止した世界で起こる、前代未聞のサスペンス・ロマンス!!
1巻試し読みはコチラ

ルーキー出身作家のジャンプコミックス発売!!

【お知らせ】作品保護のためBot対策機能(reCAPTCHA)を導入します。

いつもジャンプルーキー!をご利用いただき、ありがとうございます。

皆さまの作品を守り、安心して投稿・公開できる環境を提供するため、Bot対策機能を導入することになりました。これにより、不正なBotからのアクセスを防ぎ、作品の無断利用を抑制します。

Bot対策機能(reCAPTCHA)の仕組みと使い方

  • Bot対策機能とは?

Bot対策機能は、サイトにアクセスしてくる訪問者が「人間かBotか」を判別し、不正なアクセスをブロックする仕組みです。Google社のreCAPTCHAを利用しており、通常の利用者に負担をかけず、自然な形で確認を行います。

  • 設定は作者自身で選択可能
    • デフォルト設定:OFF(無効)
    • ONにする方法:設定の「投稿作品へのBot対策」から簡単に切り替えることができます。


※画面は開発中のものにつき、実際の仕様とは異なる場合があります。

ONにするとどうなる?

読者が作品を閲覧する際に、バックグラウンドでreCAPTCHAによる検証が実施されます。ごく短時間で処理は完了しますが検証中はその旨を記した画面が表示されます。

※画面は開発中のものにつき、実際の仕様とは異なる場合があります。

検証後、通常どおり作品を閲覧できます。(一部の読者は、追加の確認プロセスが求められる場合があります)
これにより作品データ自体に変更は加わりませんのでご安心ください。

こちらのBot対策機能については現在対応を進めており、近日リリース予定となっております。

【第132回】漫画の現場に一番近い場所 連載作家のアシスタントにインタビュー!! リモート編

いつも「ジャンプルーキー!」へのご投稿ありがとうございます!
今回の編集部ブログを担当させていただきます、少年ジャンプ+新人編集のKです。

さて、今回の編集部ブログでは前回に引き続き、漫画の現場の最前線で連載作家さんをサポートしている「アシスタントさん」にインタビューしました!

前編では先生の作業場に直接出向く「通い」のアシスタントさんにご登場いただきましたが、後編では自宅などからオンラインでも勤務可能な「リモート」のアシスタントさんにご登場いただき、リアルな声をお聞きしました!


①:通いアシスタント:先生の作業場に直接出向き、一緒に作業するスタイル。
  →『幼稚園WARS』のアシスタントさんにインタビューさせていただいた前編はこちらから!

②:リモートアシスタント:自宅などからオンラインで作業を進めるスタイル。
  →今回のブログ

今回は後編のリモートアシスタント編ということで
現在少年ジャンプ+にて大好評連載中の『おかえり水平線』のアシスタントさんへのインタビューを掲載します!

「アシスタントって聞いたことはあるけど、結局何をするの?」
と感じている方はもちろん!

「プロの現場に、新人の自分が入っていいの?」
など、アシスタントに興味はあるけどやるかどうか迷っている漫画家志望さんもぜひ最後までお読みください!


*****


『おかえり水平線』あらすじ
海辺の街で、祖父と銭湯を営む遼馬。いつものように学校帰りに開店準備をしていると、父の隠し子を名乗る玲臣という少年がやって来て――?
舞台は銭湯。義兄弟が繰り広げる、ビターで温かいヒューマンドラマ開幕!

第1話を読む

今回インタビューにお答えいただくのはジャンプルーキー!出身で『おかえり水平線』のアシスタントさんの柚さんです!


――早速ですが、簡単な自己紹介と『おかえり水平線』で好きなキャラクターをお願いいたします!

はじめまして、柚と申します。
今までに少年ジャンプ+に読み切りを5本程掲載していただきました。
現在は少年ジャンプ+で連載中の『おかえり水平線』(渡部大羊先生作)のアシスタントに入らせてもらっています。
アシスタントに入るまで連載経験は無く、本格的なアシスタントの経験はありませんでした。

『おかえり水平線』の中で好きなキャラは主人公の遼馬です。
一本芯の通ったカッコ良さと、独特な面白さが混在していて読んでいて魅力的なキャラです!

柚さんの最新作はこちらから読むことができます!


――週に何日、どのくらいの時間働いているのか教えてください。

『おかえり水平線』が隔週連載なので、アシスタントも同じく隔週でだいたい3〜4日くらい参加させてもらっています。
一日の作業時間は8時間で、途中お昼休憩が一時間あります。
渡部先生が定期的にお茶飲んだりおやつ休憩を取ってくださいね!と言ってくださるのでお言葉に甘えながら自主的に小休憩も挟みつつ作業をしています!


――今、主にどんな作業を担当しているのか教えてください。

背景のちょっとした建物や自然物、雑貨などの小物類の作画を任せてもらう事が多いです。3D素材を使って描いたりもします。


――リモートアシスタント作業の方法について教えてください。

使用ソフトはクリップスタジオです。
先生との連絡手段はディスコードを使っています。
基本的にはメッセージや原稿データに直接文章で指示を貰う事が多いです。
口頭で伝えた方が分かりやすい場合にはその都度ディスコードの通話を使って指示をもらいます。
作業データの受け渡しは、クリップスタジオにあるチーム制作という機能を使っています。作業したデータをクラウドにアップロードして先生から確認を仰いだりしています!


――アシスタントに入って、どんな成長を実感しましたか?

目的のある背景を描けるようになりました!
アシスタントに入る前は背景がとにかく苦手で、誤魔化しながら作画している事が多かったです。
自主的に練習をしてはいたのですが苦手意識がなかなか拭えませんでした。
今思えばそもそも、どんな背景にしたいのかが分かっていなかったことが原因かと思っています。その背景に目的を持てていないので、パースや技術を練習してもそれをどう使えば良いのか分からず時間と労力を浪費していた感じでした。

でもアシスタントに入ってからは、先生からの指示や参考資料などを与えてもらった事で背景作画に明確な目的を持つ事ができました。

例えば引きの画面だから描き込み過ぎない、悲しい場面だから影をドラマチックに入れて情緒的に…など、初歩的な事かと思うのですが目的ができて自分なりに工夫や労力を使って描くようになりました。

明確な目的、指示に沿って描くという過程をアシスタント中に何度も繰り返して行う事が背景に対する分からなかったことの理解をさせてくれたと思っています。
また経験のある人からの修正をもらえるので、技術的にも成長させてもらえました!

実際に柚さんのアシスタントに入る前と後のご自身の漫画原稿のデータを見せてもらいました!

アシスタントに入る前の原稿
 
アシスタントに入った後の原稿①

アシスタントに入った後の原稿②

元からとてもお上手ですが、比べてみると確かにアシスタントに入った後の方が影の使い方や情緒のある画面作りがよりできるようになっているのが分かりますね!


――アシスタントに入ってから1番印象に残っていることを教えてください。

自分以外の人の原稿を見られることです。
嬉しかったので一番印象に残っています。
デジタル作画のため先生や他のアシスタントの方のレイヤーの痕跡を見る事ができるタイミングで『上手いな…こうやって描いてるのか…凄いな…』と学びを得られたのが嬉しかったです。


――リモートだからこそ良かったことを教えてください。

通勤時間がない事と誰とも対面しないので身だしなみを整える手間がかからない事です。
終業してすぐにご飯を食べたり、寝たりできるので助かっています。


――最後にアシスタントに応募するか悩んでいる漫画家志望にアドバイスをお願いいたします。

アシスタントを経験すると、技術的な面や精神的な面で自分の作品への良い影響があると思っています。
もちろん人付き合いも込みのお仕事ですので、相性はあると思いますが連載してらっしゃる先生、他のアシスタントの方など新たな出会いによって成長する機会が得られる事も期待できます。

以下はあくまでも個人的に、リモートアシスタントとして活動した経験が無い方向けの応募する前に押さえておくと楽な要項です。


① リモート作業ができる環境が必要

  • 通話、メッセージや原稿データのやり取りが可能なネット環境や機材を所持している必要がある。
  • デジタル作画の場合、使用ソフトがそれぞれのアシスタント現場の規定に沿っている必要がある。
  • アナログ作画の場合、リモートでアナログ原稿を共有する術を持っている必要がある。


② 背景アシスタント希望の場合

  • 遠近法など基礎的な事を押さえておく必要がある。

指示に従って背景を描いていくため、普段自分が描いている背景、描きたい背景とは違う描き方をする場合がある事を理解しておく必要がある。


③ 仕上げのためのアシスタント募集もある

  • 現場によっては仕上げを主に行うアシスタントを募集していることもある。

なので、作画に自信がない場合でも仕上げ要員としてアシスタントに参加してみる方法もある。
後々背景のアシスタントとしても活動したい場合はその事も込みで先方に相談をしてみる事もおすすめ。

  • トーン、ベタなどの仕上げ作業でも、プロの指示を受けながらやってみるとシーンによっての使い分け、演出のための技術など自分にとって学びになる事はたくさんある。


④ コミュニケーションは避けられない

  • リモートであっても人間同士が共同で作業していくのでコミュニケーションは避けられない。先生、アシスタント同士で性格の相性などもある。
  • 作業中のリモート環境でのコミュニケーション量を先方に聞いておく方が良い。
  • グループ通話をしながら作業、通話は指示の時だけ、メッセージのみでやり取りなど現場によってリモート作業のコミュニケーション方法は違う。
  • 報告連絡相談をメッセージや通話などでしっかり行う必要がある。
  • リモートなのでコミュニケーション、人付き合いの面で楽なところ難しいところがそれぞれある。


最後になりますが、アシスタントでの経験がご自身の漫画制作を手助けしてくれる瞬間があると思いますので、無理のない範囲でチャレンジしてみて下さい!


*****


後編のリモートアシスタント編は以上です。

柚さん、快くインタビューを引き受けてくださって誠にありがとうございました!!

今回のインタビューで、アシスタントというお仕事が少しでもイメージできたなら嬉しいです。

まだ「通い編」を読んでいない方は、そちらもぜひチェックしてみてください!


最後にお知らせです!
「ジャンプルーキー!」では非公開プロフィール欄にて、ご自身のアシスタント希望の有無を設定できます。

手順:設定 → 非公開プロフィール → アシスタント と進んでいただき、ご希望の勤務形態をご選択ください。

今回の編集部ブログを読んで、少しでもアシスタントに興味を持った方はぜひ設定してみてください!



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2025年7月期のルーキー賞受賞作を発表しました!

本日、2025年7月に投稿された作品のランキング上位20名の作品から、ジャンプ編集部の選んだ月間ルーキー賞受賞作品を発表しました。

2025年7月期 受賞作発表はコチラ

受賞作はもちろん、最終候補作となったランキング上位20名の作品の全てに編集部がコメントしていますので、受賞作と合わせてご覧ください。

月間ルーキー賞は毎月開催しているマンガ賞で、現在は2025年8月期のランキングを毎日更新中です。月間ルーキー賞について詳しくは「月間ルーキー賞とは」をご覧ください。