ジャンプ編集部が最近騒然となった新人漫画家さんのインタビューを今回はお届けします。
なぜ騒然となったのか・・・。
それは、矢吹健太朗 漫画賞(2016年開催)で奨励賞を受賞した作品「あなたが恋と言うのなら」が、スマートフォンで描かれた作品であることが先日判明したからです。
選考において、編集部はその事実を知らないまま奨励賞受賞を決定させていただきました。
スマホで描いた漫画が漫画賞で受賞するのは、ジャンプ史上おそらく初のことだと思われます。
そんな、新世代(?)の新人漫画家・あつもりそうさんにインタビューしてみました。
―――「少年ジャンプルーキー」で開催した「矢吹健太朗 漫画賞」で奨励賞を受賞した「あなたが恋と言うのなら」はどんなツールを使って描いたのでしょうか?
iPhoneで「メディバンペイント」というスマホアプリを使って描きました。
―――タッチペンも使わずに描かれたのでしょうか?細かい線などは、どのように描いたのでしょうか?
タッチペンは使わずに指で描きました。細かい線はペンの設定を細くし、画面を出来るだけ拡大して描いていました。
―――漫画を描けるアプリを使って、スマホのみで執筆したということですが、なぜスマホで執筆したのでしょうか?
「矢吹健太朗 漫画賞」に応募しようと思っていた時、同じくらいの時期にアプリの存在を知って、ちょうどいいなと思ってスマホで描くことにしました。
漫画賞の応募には「少年ジャンプルーキー」への投稿が必須で、デジタルでの作画の方が投稿が楽かなとは思ったのですが、デジタルで漫画を描く環境がしっかりと整っていたわけではなかったので、それならスマホで描こう、という流れでしたね。
家族で共用のPCはあって、ペンタブも持ってはいたのですが、PCの調子が良くなかったり、当時は受験生で家族の前でPCを使って漫画を描くというのはやりにくかった、というのも理由の一つです。
―――スマホで描いて苦労した点、よかった点などあれば教えてください。
とにかく画面が小さくて大変でした。描きやすいサイズまで拡大すると描いている部分以外ほとんど見えませんし、長い線を何回かに分けて描くので、その点は苦労しました。
ですが、画面が小さいというのは場所を取らずにどこでも描けるので良い点でもありますね。ちょっとした待ち時間も使えるので便利でした。それにスマホがあればいいので、ペンや原稿用紙、パソコンやペンタブといったものを用意しなくていいというのも手軽で良い点だと思います。
―――次回作は、PCで描かれると伺いました。これからどのような漫画を描いていきたいか、抱負をお聞かせください。
読んだ人が少しでも幸せになれたり、前向きになれるような作品を描いていきたいです。
「少年ジャンプルーキー」は、どんな道具で描いた漫画でも大歓迎です!オープンから約2年で、連載&単行本化を果たした(または決定している)ルーキー出身作家さんは10名以上!
心からたくさんの投稿をお待ちしています!