
いつもジャンプルーキー!へのご投稿ありがとうございます!
今回はお仕事を続けながらプロの漫画家を目指されている皆様へ向けて、『少年ジャンプ+』の人気作家に仕事と執筆活動を両立するコツ、「デビューまでどのように過ごしていたか」の経験談をインタビューしました!
今回インタビューにご回答いただいた先生方はこちら!
- クワハリ先生(『ふつうの軽音部』原作)
- 川田大智先生(『半人前の恋人』)
- 静脈先生(『マリッジトキシン』原作)
連載作家陣への貴重なインタビュー、毎日の創作活動を続けるための一助としていただければ幸いです!
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クワハリ先生
※『ふつうの軽音部』あらすじ
ちょっと渋めの邦ロックを愛する新高校1年生・鳩野ちひろ。新品のギターを背に、軽音部の門を叩くも――!? 超等身大のむきだし青春&音楽奮闘ドラマ、スタート!
第1話を読む
――① デビューにいたるまでの経緯/状況について教えてください。
高校の教員として働きながら、ジャンプルーキー!に「ふつうの軽音部」を2週間に1回ぐらいのペースで描いて投稿していました。20話ぐらい載せたところで現担当から声がかかり、原作として少年ジャンプ+で連載を目指すことになりました。
――② 当時の1日(平日)のスケジュールと、休日の過ごし方について教えてください。
6時起床、7〜18時出勤という本業のスケジュールだけ決まっていて、漫画を描くスケジュールは決めずに描いてました。休日も漫画を描いたり遊びに行ったり溜まった仕事をしたり、色々なことをしていました。
――③ 仕事との両立、本当に大変だったと思うのですが、どうやって気持ちをつないでいらしたのでしょうか。
完全に趣味で描いていたので気持ちをつなぐとかは無いのですが、閲覧数やコメントがちょっとずつ増えていくのが嬉しくて、それがモチベーションになってました。
――④ ご多忙の中、どうやって時間を捻出していらしたのでしょうか。
移動中の電車の中で描いていました。ラーメン屋の行列に並びながら描いていたこともあります。別にストイックなわけではなく、そういう時間に漫画を描くとすごく得した気分になるのでやってました。
――⑤ 仕事を続けながら漫画家を目指している方々へ向けて、メッセージをお願いします!!
僕の場合は自分の漫画が好きで、自分が描かないと続きが読めないから描いていたという側面が強いです。こんな漫画は自分が描かないと他の誰も描いてくれないぞ!という題材を見つけることが重要だと思っています。
また、なるべくiPadなどを導入して、どこにいても漫画を描けるようにしたほうがいいと思います。職種にもよりますが、本業がある場合は外出先のわずかなスキマ時間でも漫画を描く習慣を身につけたほうがいいです。僕の知り合いの兼業作家の方は、友達との飲み会やカラオケに行ったときもiPadで漫画を描いているそうです。そこまでいくのは無理でも、漫画執筆作業に対するハードルを下げることが大事だと思います。
川田大智先生
※『半人前の恋人』あらすじ
ある日、美術室で学校の備品を制作していると、すごく怖そうな女子がこちらを睨んでいて…!? 職人女子×美術男子 青春グラフィティ――
第1話を読む
――① デビューにいたるまでの経緯/状況について教えてください。
会社に勤めながら、平日の夜や休日に描いた漫画をいろんな出版社や編集部の漫画賞に投稿していました。そのうち1人の編集さんから声をかけていただいて、デビューに繋がりました。
――② 当時の1日(平日)のスケジュールと、休日の過ごし方について教えてください。
6時起床、8〜17時出勤、18時半帰宅、夕食と風呂を簡単に済ませて19時半〜23時くらいが執筆の時間だったと思います。0時が目標就寝時間でしたが、1時過ぎまで描いていることもよくありました。
――③ 仕事との両立、本当に大変だったと思うのですが、どうやって気持ちをつないでいらしたのでしょうか。
「虎視眈々」と自分で書いた色紙を部屋に飾って、とにかく毎日淡々(眈々)と過ごしていました。「漫画で食えるようになる」という目標を明確にしてからは、冷静に考えてそのために必要なことはやるし不要なことはやらないというシンプルな判断基準に従って過ごしていました。
――④ ご多忙の中、どうやって時間を捻出していらしたのでしょうか。
会社の残業はほとんどなく定時(17時)で終わる日が多かったので、帰りの電車で頭を切り替えて帰宅してからはすぐに机に座って描いていました。睡眠は多くて6時間少なくて4時間半で、休日も休まずに描いていました。とにかく「すぐに切り替える」ことが大切です。ダラダラした不毛な時間が減るので使える時間が増えます。
――⑤ 仕事を続けながら漫画家を目指している方々へ向けて、メッセージをお願いします!!
「生活のために稼がなきゃ」とか「漫画が思うように描けなくてつらい」とか、現実的な壁は高いですよね…分かりますよ…! 仕事と漫画の両立は体力的にも精神的にもキツいので僕はもう2度とやりたくないですが(笑)、そこで折れずに自分にとって大切なことを見極めて何とか乗り越えたということは重要な経験だったと思っています。自分の状況を客観視して、打破するために何が必要か不要かをよく見極めてください。そうしてメタ認知能力が向上するとそれが漫画にも活かされる時がきっと来ます。全てを漫画に昇華させましょう。
静脈先生
※『マリッジトキシン』あらすじ
数百年続く殺し屋『毒使い』の青年・下呂。裏稼業に身を置き、女性が苦手な彼にとって結婚はするべきではないものだった。しかし、『毒使い』の血を絶えさせないため実家は彼の妹に対し、強制的に跡継ぎを産ませることを通告。そんな時、下呂は仕事のターゲットだった結婚詐欺師・城崎と出会い…!? 「――そんな提案(プロポーズ)、初めて」結婚詐欺師をアドバイザーにした殺し屋の婚活が始まる!目指すは最高の結婚…世界一ハードな婚活バトルアクション!!
第1話を読む
――① デビューにいたるまでの経緯/状況について教えてください。
マンガっぽいのは小学生くらいから趣味で描いてました。就職してから、「ひらめき☆マンガ教室」というマンガの教室に通いまして、「ネーム原作」という仕事があると知りました。そこでジャンプルーキー!に「※ネームです」という注釈をつけて投稿したところ、編集の方から声がかかりました。その方にかなり鍛えてもらって、ようやくモノになった…という次第です。
――② 当時の1日(平日)のスケジュールと、休日の過ごし方について教えてください。
8時起床、10-19時出勤、25時就寝。隙間の空いた時間に執筆してました。
休日も使える時間はだいたい執筆していたような気がします。
――③ 仕事との両立、本当に大変だったと思うのですが、どうやって気持ちをつないでいらしたのでしょうか。
設定された締切に間に合わせる!という意識しかなかった気がします。自分の性質上、期待が叶わなかった時に立ち直るのに時間がかかるので…粛々と、打ち合わせ等で生じた課題に応えていました。ありがたいことに金銭や時間などでカツカツに追い詰められた状況ではなかったので、商業媒体に読切が一度でも掲載できれば「もうこれで終わってもいい。だからありったけを…」という気持ちをぶつけてやっていました。
――④ ご多忙の中、どうやって時間を捻出していらしたのでしょうか。
自分の場合は「ネーム原作」という前提ですが…通勤してる最中や昼食の時間に、iPadで執筆してました。また、混雑している場合は、スマホのメモ帳で話の流れを考えたり…など。あとは、なるべく残業が発生しないよう、早めに仕事を切り上げられるように頑張ってました。やるべきことをやっていれば何も言われない職場だったので、かなり恵まれていたと思います。
――⑤ 仕事を続けながら漫画家を目指している方々へ向けて、メッセージをお願いします!!
面白いマンガを描いているはずなのに、商業的に全然評価されないな…と長年思っていました。そんな自分がブレイクスルーしたのは、誰かのためにマンガを描いてみたことです。具体的には、知人の作品を紹介するマンガを描く機会があり、次のことを念頭に置いてました。「こういう風に描いたら面白がってくれるんじゃないか。逆に、これを描いたら気分悪くなるかも…」と。ずっと自分の満足のためにやっていたのですが、その意識が入ってから、少しずつ結果がついてきたという印象です。
もちろん最初から「商品」を作れる方もいますし、自分が面白いと思ったことが評価されている場合は忘れてください。小さくまとまってしまう危険性もあるので…。
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先生方、ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか。先生方の置かれていた状況はそれぞれ異なる中、それでも皆さん共通して「描き続ける」ことの重要性を語られていたのが印象的でした。ゴールが見えない中で仕事と執筆を両立し続けるのは、軽々しく言葉にできないくらい大変なことだと思います。この記事が、少しでも皆様の助けになることを心から願っています。
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