いつもジャンプルーキー!へのご投稿ありがとうございます!
漫画には、多くのジャンルがありますが、その中でも人気なのが「スポーツ」。
ただ、実際に描こうとすると、「そもそもなんのスポーツが良いのか」「どんなシチュエーションから始めるのが良いのか」「そのスポーツを知らない人が楽しめるにはどうすれば良いのか」など、考えることが多く、難しい点が多いです。
そこで、現在少年ジャンプ+にて連載中のラグビー漫画『最強の詩』作者・宮田大介先生のインタビューを特別に掲載します! ぜひ最後まで読んでみてください。
「完璧な一団(パーフェクト・スカッド)」と呼ばれたU-15日本ラグビー代表。この最強たちがいることで高校ラグビーのパワーバランスは大きく崩れていた。ここ陸善高校もまた勝つことを諦めたものたちの集まりだった。そこに、やってきた新入生・山田金山。彼の型破りなラグビーが高校ラグビー界を大きく揺るがすこととなる!
とにかく強くて明るい前向きな主人公が好きなので、そういう主人公を描こうと。
また、ラグビーにおける分りやすいヒーローを作りたいと思いました。
基本的に全く知らない方へ向けて描いているつもりです。
スポーツものは、その競技において現実で行われる試合が1番に面白いエンタメなので、その競技の面白さをはみ出さずに信じる事と、その競技を心の底から好きでいる事だと思います。
気をつけているのは、ラグビーの面白さはゲーム性の面白さと、見ていて感じる直感的な面白さがあると区別して考える事です。
ゲーム性の面白さは難しいルールを把握しないと分りませんが、直感的な面白さは例えばタックルの激しさや痛そうさ、人間を弾き飛ばす迫力やスクラムのパワフルさはルールが分からなくてもエンタメとして楽しめるはずです。
直感的な面白さで惹きつけてから、「どういう事だろう?」となっていただけた時に少しだけルールを教えて覚えてもらうという事を繰り返していけたらと思っています。
なので、自分がラグビーを見たり、実際にやっていて感じた直感的な面白さを思い出したり、改めて感じたりして解像度を高めています。
1番に気をつけている事は「変わらない事」です。
よく物語上で主人公が成長するといいますが、例えばダメだった人物がダメじゃなくなるとキャラクター性は変わってしまう・失われてしまうと思います。
なので、キンザンがルールを覚えたり、やるべき事がわかったりする時、それでも変わらない事を強く意識しています。
自分としては、アイデアは「振り」の時に重要なもので、「オチ」の時にはハードルは低く設けて基本的にセオリーをやるようにしています。
元々ラグビーという読者にとっては未知な題材なので、捻ったオチを出してもそもそもセオリーを知らないので、ただ伝わりずらいだけになります。
なので、どんな状況に陥るか、どんな感情を抱くかなど振りの方にアイデアを出して、気持ちよくオチを受け止めてもらえるように努めているつもりです。
もちろん、あえてセオリーからはずす隙もタイミングをうかがっています。
過去、紙での連載時は週刊連載だった事もあり日々全ての時間を漫画に使っていましたが、ウェブでの連載では紙より融通が利く事もあり、育児や家事に割ける時間が増えました。
基本的に寝る事が好きでは無いので、あまり寝ずに作業をしていたのですがここ一年くらいは眠気に耐えられず睡眠時間が増えました。
いただいたファンレターやコメントを読んでモチベーションを上げてから仕事に入る事が多いです。
この業界にいて「才能」というのは、つくづく「勘違いする力」だと思います。
世間ではそう認知されていないものを「面白い!」と勘違いしたら、信じ抜いて欲しいです。
正気に戻そうとあらゆる力が働いてきますので。
とはいえ、もし「面白くない」と言われたら、読んでくれた方を疑うよりもまず、面白いはずのものを面白く描けていない自分の技術を疑って精進した方がレベルが上がりやすいと思います。
面白いと感じた自分の直感は、最後まで疑わずに信じ抜いて欲しいです。
その勘違いを信じる力が、「面白い」という説得力で世間に新しい価値観を広めると思います。そう信じて僕も頑張りたいと思います。
いかがでしょうか。スポーツ企画は難しいところも多いですが、うまく描けると、そのスポーツの魅力を引き出すことができます。もし好きなスポーツや、描いてみたいスポーツがある方は、ぜひ参考にしてみてください。
■現在募集中!
『少年ジャンプ+ 悪いヤツ漫画賞』はコチラ↓
『ジャンプ+連載争奪ランキング』はコチラ↓
『少年ジャンプ+』への持ち込みはコチラ↓