月間ルーキー賞2024年6月期 受賞作発表 ブロンズ1作品&編集部期待賞2作品!ストーリーの縦軸を動かそう!
編集部期待賞
賞金¥50,000-
編集部コメント
この作品は最終候補の10位以内に含まれない作品でしたが、複数の編集者の強い期待を集めたので「編集部期待賞」を贈呈します。ルーキー賞の仕組みはこちらを参照ください。セリフに頼りすぎずに、具体的なエピソードの積み重ねでキャラクターの心情や状況を伝えている点に力を感じました。キャラクター同士が和解するクライマックスについては、この2人が和解したことを納得しやすくなるような理由を足すか、納得感のある別のオチにできるとなお満足度が高くなると感じました。
編集部期待賞
賞金¥50,000-
編集部コメント
この作品は最終候補の10位以内に含まれない作品でしたが、複数の編集者の強い期待を集めたので「編集部期待賞」を贈呈します。ルーキー賞の仕組みはこちらを参照ください。「DX化された魔法」のアイデアが豊富な作品だと感じました。保守派の魔法使いが、改革を進める主人公の祖母を目の敵にしている理由に、もう一押し納得感があるとそのあとの展開にも俄然興味が湧きやすくなると思います。
最終候補作
月間ルーキー賞ランキング1位
編集部コメント
好感度の高いキャラクターとスピード感ある会話劇で楽しく読めました。「ハイスペックであるはずの彼女がなぜ振られるのか」という設問が、読み進めるフックになっています。徐々に違和感が漏れ出ていくコマにクスクス笑いました。一方で、スルスルとテンポが良い分、展開が尻すぼみに感じます。田中さんが奉ヶ﨑さんを受け入れるスピードが早く、キャラクターの意思が薄く見える瞬間がありました。動揺→受容に至るきっかけの描写があるとキャラが厚くなると思います。言葉の応酬だけで笑いが取れるのは大きな武器です。次回作も期待しております。
月間ルーキー賞ランキング2位
編集部コメント
何でも尖らせるというコンセプトが新鮮で、面白かったです。所々ほっこりする話を入れているのも、メリハリがあって良かったと思います。各キャラの元々持つ属性以外に、性格の面も併せて個性があるとより魅力的なキャラクターになるかと思います。次回作も応援しております。
月間ルーキー賞ランキング3位
編集部コメント
唯一無二の企画性と、ギャップのあるキャラクターが楽しい作品でした。笑いどころをめくりで見せるなど、読者を楽しませるテクニックが細部に見られた点も好印象です。独自性の高さが良い一方で、楽しみ方がわかりづらい面もあると思います。読者に近い視点キャラをしっかり立てる、キャラ数を絞って状況をわかりやすくするなど、要素を整理するとさらによくなるかと思います。次回作にも期待しております。
月間ルーキー賞ランキング4位
編集部コメント
安定した画力でキャラクターの表情を描けていたと思います!前向きな終わり方も良かったです。この作品ならではの妖怪の魅力や、善良な妖怪を読者が応援したくなるような描写をもう一歩踏み込んで描けると、より多くの読者がドラマに入り込めるような作品になっていくと思いました。
月間ルーキー賞ランキング5位
編集部コメント
不気味な雰囲気が一貫しており、短編として完成度の高い作品でした。「年齢だけ違う同じキャラクター」もデザインやセリフが難しかったと思いますが、書き分けが見事です。オチの演出も良い意味で気味悪かったです。ただ、全体としてホラーの軸が曖昧に感じました。自分の人格が年毎に消失する怖さなのか、自分の存在が朧げになる怖さなのか、自分じゃない自分が存在する異空間の怖さなのか。指針を提示すると怖さの種類がブレにくいと思います。作風の広さには目を見張るものがあります。今後とも様々な作品を楽しみにしております。
月間ルーキー賞ランキング6位
編集部コメント
「好きにしろ」という前振りからの展開がベタながらもコミカルで面白かったです。最後のオチも上手く伏線を回収できていて構成力の高さを感じました。また、ヒロインのツッコミがテンポよく、魅力的に表現できていたのも良かったと思います。商業誌という観点からだと、一発ネタで終わるのではなく、二人の前後のエピソードを入れつつドラマを演出できると、より読み応えのある作品になるかと思います。次回作も応援しております。
月間ルーキー賞ランキング9位
編集部コメント
ご自身の経験を分かりやすく描写していて、楽しく読めました。キャラクターの好感度が高いのも良かったです。更なるレベルアップの点として、キャラ・背景ともにもう少し丁寧に描くことを意識してみてください。また、テンポの良さはそのままに、話の中で心が動いたポイントなどを強調するなどしてメリハリを付けられるとより良くなるかと思います。次回作も応援しております。
月間ルーキー賞ランキング10位
編集部コメント
キャラのギャップや掛け合わせなど、ラブコメとして楽しみやすい基本構造が作れていました。さらに読者を掴むには、あまたあるラブコメ漫画の中で埋もれないような、本作ならではの要素を考え尖らせていけるよう意識してみてください。また、キャラのかわいさ・かっこよさを魅せられるような絵をより積極的に入れるのも効果的だと思います。これからも頑張ってください。
編集部からの総評
ブロンズ1作品&編集部期待賞2作品!ストーリーの縦軸を動かそう! 2024年6月期は、1作品がブロンズルーキー賞、2作品が編集部期待賞を受賞する結果となりました。受賞数としてはやや少なめ。いずれの作品も自身の好きなモノ/コトを物語に落とし込めてはいますが、ドラマ部分が弱い印象を受けます。企画に頼りきらず、縦軸でキャラクターを動かすことを意識してみましょう。キャラが生き生きするイベントを作ってあげると物語が動きます。一方で印象に残るセリフや演出も多くありました。今後とも皆様の力作を楽しみにしております。
編集部コメント
1ページ目に先の展開が気になる状況を見せてから、一旦扉絵を挟み、その後に冒頭の状況に辿り着くまでの過程を等身大の悩みを抱える主人公と並行して描かれていたので、構成力の高さを伺えました。またコメディタッチな印象を与えながらも、後半はしっかりドラマを見せられており、読後感も良かったです。この勢いのまま、次回作も頑張ってください!