【第63回】読切の執筆で悩むなら...「短編集」を読め!!

ジャンプルーキー!ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
ジャンプ+編集部、そろそろ2年目の岡本です。

今回はシンプルに「読切を描くにあたって参考になりそうな短編集」をご紹介します。

さて、世の中では日々、様々な漫画賞が開催されております。
「手塚賞・赤塚賞」「J新世界漫画賞」をはじめとして、ジャンプルーキー!でも「第2回 U23ジャンプWEBマンガ賞」「第4回 ジャンプルーキー!アナログ部門賞」が募集受付中。応募に向けて作品を執筆中の方も多いのではないでしょうか。そしてこう思っている方もいるのでは...?

「読切って、どうやって描けばいいんだ...!?」

そう、これらの漫画賞は「読切作品での応募」を義務付けるものがほとんどです。

たった1話で、設定や世界観を説明し、魅力的なキャラクターを出し、胸躍るストーリーを展開し、キレイに完結させる...

やることが多すぎる!収まらない!
詰め込みすぎてページ数が...!
この課題を、1話の中でどうすればクリアできるんだ...!?

お悩みの方も多いと思います。

ならば面白い読切を読もう!そしてプロの技を盗もう!!
ということで、オススメを紹介させていただきます。
「自分の作品に活かす」という視点抜きでも非常に面白いので、是非触れてみてください。
※あくまで岡本の個人的な意見です。


【WANTED! 尾田栄一郎短編集】尾田栄一郎
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<説明>
 史上最大の賞金首ギル・バスターに、幽霊がとりついた!? 幻の処女作『WANTED!』、大人気作品『ONE PIECE』の原点、もう一人のルフィがここに!『ROMANCE DAWN』ほか3編を収録!!(ジャンプBOOKストア!より)

全編傑作なのですが、特に『神から未来のプレゼント』は忘れられません!
尾田先生自身も「よくまとまってるなーっ」と評するこの作品。
特に主人公、スリのブランのキャラクターとその「魅せ方」に注目です。
冒頭2pで彼のキャラクターが説明されるのですが、それを「説明」と感じさせないその手法のスマートなこと...
また完全無欠なヒーローではなく、ちゃっかりしていたり、人並みに困惑したりと、人間臭さを残しているのも、彼の魅力的なキャラクターに貢献していると感じます。
そして彼の「武器」を活かした結末も必見!
またこちらに収録されている作品『MONSTERS』については、元ジャンプ編集者の齊藤さんがめちゃくちゃ詳しく説明しているので、こちらも併せてご覧ください。↓


【Present for me 石黒正数短編集】石黒正数
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<説明>
 名作『それでも町は廻っている』で一気に天賦の才能に花開かせた石黒正数が、2000年~2004年の頃に各誌に発表した好短編を堂々7点収録。石黒作品に流れる熱き血潮と冷静な感覚の閃きが、ここに存在する! 収録作品は『ススメ サイキック少年団』(2003年)『Present for me』(2003年)『なげなわマン』(2003年)『カウントダウン』(2002年)『バーバラ』(2002年)『泰造のヘルメット』(未発表作品。2004年)『ヒーロー』(デビュー作品。2000年)(少年画報社オフィシャルサイトより)

表題作『Present for me』、面白かったのはもちろんですが「凄い作品だ...!」と圧倒されました。
登場するのは女の子(喋らない)とロボット(表情がない)、こんなに感情表現が少ないキャラクターなのに、めちゃくちゃ魅力的!
ちょっとした動作や表情、セリフのチョイスでキャラクターの魅力を伝えることもできる...そう実感させられました。
そして何より驚いたのはラストの展開!
「読者の予想を裏切り、期待に応える」―まさにこの言葉通りの、忘れられない結末です。
こちらが気に入った方は、同じ石黒先生の『探偵綺譚』もオススメ。
ちょっとしたアイデアを作品に昇華させるヒントが随所に詰まってます。


【九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子】九井諒子
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<説明>
 前代未聞の漫画ここにあり! 2年の沈黙を破って、九井諒子ワールドの幕がふたたび開く。竜と人、人魚と野球少年、神様と小学生――それぞれの絆を題材とした過去の6作品に加え、全38ページの新作描き下ろし作品を収録。笑いあり、涙あり、きっとあなたが忘れていた、親と子の絆を思い出す7つ物語。収録作品:『竜の小塔』『人魚禁漁区』『わたしのかみさま』『狼は嘘をつかない』『金なし白祿』『子がかわいいと竜は鳴く』『犬谷家の人々』(BOOK☆WALKERより)

洋風ファンタジーから少し不思議?な短編まで、めくるめくアイデアの宝庫!
特に『人魚禁漁区』『狼は嘘をつかない』この2作品に注目です。
どちらも扱うモチーフは「人魚」「狼男」とよく知られたものですが、九井先生の手腕によって、唯一無二の作品になっています。
狼男や人魚が、実際にいたら?私たちと一緒に暮らすなら?彼らと友情を育むには...?
徹底的に考えることで、新たな魅力が見つかるかもしれません。
更に『狼は嘘をつかない』は狼男を子にもつ母親の苦悩を、なんと子育てエッセイ風に描くことから始まります。
狼男を扱った作品は数あれど、この切り口は他にないのでは!?
使い古されたモチーフも、工夫次第で輝くということを是非学んでください。


【藤田和日郎短編集 夜の歌】藤田和日郎
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<説明>
 新人コミック大賞入賞作『連絡船奇譚』を始め、『メリーゴーランドへ!』『夜に散歩しないかね』『掌の歌』『からくりの君』収録の初の傑作短編集。(小学館公式サイトより)

『うしおととら』『からくりサーカス』『双亡亭壊すべし』の藤田先生の短編集!
度肝を抜かれるデザインからバトルシーンまで、藤田先生の魅力がこれでもかと詰まった短編集です。
例えば『からくりの君』。タイトル通り、からくり人形を操る少女の活躍を描いた作品ですが...カッコ良い...!
からくり人形を操るギミック、人形のデザイン、登場シーン、そのすべてに迫力があり、斬新かつ、キマっています。
読切というと「ページ内に納めなければ」という点に苦心しがちですが、そんなときは「自分が描きたいのは何か」をもう一度考えてみるといいかもしれません。
あれもこれも、ではなく、大事なものを、全力をもって描き切る!
そんな心構えを教えてくれる作品です。


【ハードタックル~佐藤秀峰傑作短編集~】佐藤秀峰
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<説明>
 佐藤秀峰のデビュー作や雑誌未発表作を含む幻の初期作品集!!『おめでとォ!』『ハードタックル』『キムラ!』『エロ兄弟』の4篇を掲載。(BOOK☆WALKERより)

『ブラックジャックによろしく』の佐藤先生による短編集。
各作品の主人公に注目してください。熱い。熱すぎる。
スポーツものが多く収録されているのですが、それぞれの主人公は強烈な個性があるわけでも、必殺技を持っているわけでもなく、ただ、真っすぐで、熱い。
そう、たとえ今までにないキャラクター設定を考え付かなくても、誰もが持っている「素直さ」「ひたむきさ」も突き詰めるとキャラクターを支える個性になるんです!
ここに佐藤先生の鬼気迫る演出、描く表情の力が加わって、心を揺さぶられること間違いなし。
漫画の参考にとどまらず、創作への熱意を失いそうなときにも是非!

* * *

以上、5本を紹介しました。
本当はもっと紹介したい作品もあったのですが、まずは厳選してこの5本!
あくまでこれは私個人の意見ですので、ぜひご自分で、ここが面白かった、逆にこの作品は面白くなかった、どうすれば面白くなるのか...読んだ後に考えてみてください。
そうやって考えた過程は、自分だけの財産になり、創作を助けてくれるはずです。

作品を沢山読んでインプットしたら、次はアウトプット。
冒頭でも書いたように、現在ジャンプルーキー!では「月間ルーキー賞」に加え、「第2回 U23ジャンプWEBマンガ賞」「第4回 アナログ部門賞」が応募受付中!
さらに持ち込みも常時受け付け中です!
皆さんの渾身の作品を心よりお待ちしております。

(岡本 拓也)

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