【第100回】『阿波連さんははかれない』作者・水あさと先生にインタビュー! ギャグシーンとキャラクターの魅力を高めるためには…?

こんにちは! 少年ジャンプ+編集部です。

編集部ブログもついに第100回! いつもご愛読ありがとうございます。

そんな記念すべき今回は、少年ジャンプ+で連載中の『阿波連さんははかれない』の作者・水あさと先生にインタビュー! 現在募集中の「少年ジャンプ+漫画賞 2023年【春期】」の特別審査員でもある水先生に、ギャグシーンや魅力的なキャラクターの作り方などについて伺ってきました。

新人作家の皆さん必読の内容です!

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――『阿波連さんははかれない』は、どのようなきっかけから生まれた作品なのでしょうか。

コミティアで出した同人誌が初出でしたが、その時は「キャラクターから物語を作ってみよう」と思って描きました。
ストーリーよりもまずキャラクター、「こういう人がいたらかわいい」や「面白そう」など考えてキャラを作り、それを骨組みにして物語にしました。
同人誌の『阿波連さん』を読んだ担当さんにお声をかけていただいて、自分の希望により連載化が決定しました。

――『阿波連さんははかれない』の魅力の一つに、シュールなギャグシーンがあると思います。ギャグシーンで読者を笑わせるために必要なポイントについて、教えていただきたいです。

これは1つの手段ですが、まず読者の笑いのガードを下げさせる、または予想外の角度から笑わせるのがポイントだと思います。
面白いものが来るぞと言われると、読む方は身構えてしまいます。
しかしふとした瞬間に笑える要素を入れると、うまく読者のツボに入りやすくなります。
『阿波連さん』ではまず無表情ということで、読者の笑いのガードを下げさせております。
コマ外が黒という普段の漫画では回想で使われる、割とシリアスな場面で使われがちな表現もそれに一役買っているとおもいます。

――『阿波連さんははかれない』では連載が進むにつれ、思わず応援したくなるような魅力的なキャラクターが多数登場します。水先生がキャラクターを1から考案される上で、大事にされていることがあればお聞きしたいです。

キャラの役割がかぶらないことです。
それぞれのキャラの特徴はかぶっている部分はあるものの、役割が違えばちゃんとそれぞれの魅せ方があると思っています。
あと架空のキャラクターに説得力を持たせるには、リアルな部分や共感できる部分などを一つまみ入れることが大事かと思います。
簡単な方法として、作者の実体験や考えを一部分でもいいのでキャラに加えると、キャラに深みが生まれると思います。

――「少年ジャンプ+漫画賞 2023年【春期】」の特別審査員に、今回水先生が就任されました。水先生は以前、この漫画賞に応募する新人作家さんに向けて「数をこなしましょう」とアドバイスされていました。このお考えに至った経緯について、詳しく伺えれば幸いです。

プロとアマでは圧倒的に完成させた作品の数に差があります。
うまくなるにはやはり数、逆を言えば数をこなせばうまくなるのです。
あれこれ悩むのはとりあえず後まわしにして、とにかく完成まで描ききりましょう。
描ききれば問題点もたくさん見えてきます。問題点は次回作で直しましょう。そうすると悩んでる暇はないでしょう。
あとシンプルに「数打ちゃあたる」ことにもつながります、描いたものはとにかく公開しましょう。
「いくら描いてもうまくならない」という場合は問題点の見直しが足りないか、まだまだ数が足りないか、のどちらかがほとんどです。

――「少年ジャンプ+漫画賞 2023年【春期】」の締め切りまで、残り約2ヶ月です。この漫画賞に向けて作品作りを進める新人作家の皆さんに、改めてアドバイスがありましたら、お願いいたします。

一つの作品やアイデアに縛られず、いろんなものをどんどん描きましょう。
あと2ヶ月あればあと2本描いて、どちらかいいものを選ぶくらいの気持ちでいきましょう。
もし「作画が間に合わない」というのであれば作画スタイルを見直した方がいいかもしれません。
今は作品作りに便利なものがあふれていますので、うまく使いこなして自分のこだわりとの落としどころを見つけましょう。
プロになると、全てのことにこだわる時間などありませんので。

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水先生、ありがとうございました!
まずは数をこなして、自身の課題を明確にしつつ経験を積んでいくことが、実はデビューへの最短ルートである…ということが分かりました。
「少年ジャンプ+漫画賞 2023年【春期】」の応募締め切りは5/31(水)です!まだまだ準備期間はたっぷりあります。皆さんの渾身の作品をお待ちしております!


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