【第126回】実は尖った作品が沢山!? アイデアの参考にしたいサウンド・ビジュアルノベル3選!!

いつも「ジャンプルーキー!」へご投稿いただきありがとうございます。
少年ジャンプ+編集部のTと申します。

今回のブログは、「サウンドノベル・ビジュアルノベル」というジャンルについて紹介いたします。

どんな方も、漫画の企画を考えるうえで、既存の漫画やアニメ、映画など、様々なコンテンツを参考にするかと思います。
その中で、あまり認知はされていないが、参考になるのが、今回のテーマである「サウンド・ビジュアルノベル」です。
いわゆる「ノベルゲーム」と呼ばれるもので、選択肢を選んでエンディングが分岐するものが多いです。美少女ゲームなどで良く採用されているジャンルです!

元々、18禁ゲーム等から認知されてきたジャンルということもあり、ノベルゲームには、設定・キャラ・演出など、尖ったものが多く、アイデアの出し方や展開の作り方は参考になると思います。
今回は、その中でも特に漫画に生かすポイントがありそうな作品を3つ紹介したいと思います。

3作品ともSTEAMにて購入できます。もし気になったらプレイしてみてください!


*****


【1】マブラヴ / マブラヴ オルタネイティブ

あらすじ(STEAMストアより)
数十年に渡る、滅亡に抗う人類の物語

BETAとは
[Beings of Extra-Terrestrial Origin and Adversaries of the Human Race = 人類に敵対的な地球外起源生命]
1958年に火星で初めて確認された未知の生命体である。
1967年の月面での接触から30年余りが経過した2001年、その侵略はとどまるところを知らず、人類は今、絶滅の危機に瀕していた。

世界各国はそれぞれの戦術思想に沿って戦術機開発を進めていたが、BETAの侵攻によってユーラシア大陸は陥落し、大陸沿岸を防衛線として食い止めているものの、その維持は限界に達しつつあった。
果たして人類は、”種の滅亡”から逃れることができるのか?

聞いたことのある方・影響を受けた方もいるかもしれません。
ごく普通の学生生活を送っていた主人公が、突然別の世界線に飛び、地球外生命体「BETA」と戦う物語。
特に注目したい点の一つ目が、先が気になる展開です。
マブラヴは、非常に長い作品ではあるのですが、エピソードごとの引きが上手く、常に先が気になる展開となっています。少しずつ出されていく情報、危機が去ったと思ったら、更なる危機が待っていた…と、畳みかけるように話が進んでいきます。

夕呼「そして1998年の夏、喀什の『ハイヴ』──まあ、奴らの基地をそう呼ぶんだけど、そこから東進してきたBETAが、遂に日本へ上陸」
「北九州を初めとした日本海沿岸部に上陸した彼らは、1週間もしないうちに九州、四国、中国地方に侵攻……」
「ちなみにね、この地方を全て合わせると人口は当時4000万人いたの……わかる?」

「は……はい……」
夕呼「そこに住む約4000万人の人々は…………どうなったと思う?」
「……さ、さあ」
夕呼「犠牲者3600万人。ざっと当時の日本人口の30%ね」
「…………」
夕呼「あなたの知る日本でそれだけの人間が1週間で死んだと想像していなさい」
「まあ、この時点で世界の60%以上が死んでるんだから、そのぐらい誰も驚きはしなかったんだけどね……」

「え?」
夕呼「今現在、地球の総人口は10数億人よ」
突然別世界に来た主人公・白金武。いつも通っていた学校は、軍事基地になっていた。教官に突きつけられる現実に、衝撃を受ける。

読者を飽きさせないためには、どうストーリーを構成したらよいかの参考にしてみてください。

もう一つが、印象に残る場面・セリフです。
上記とも重なりますが、とにかくパンチの強いシーン・決め台詞が多いです。
主人公たちが最後の出撃をする前に、基地の司令官が演説をしてくれるのですが、とてもシビれます。

ラダビノッド司令「(前略)
大地に眠る者達の声を聞け
海に果てた者達の声を聞け
空に散った者達の声を聞け
彼らの悲願に報いる刻が来た
そして今、若者達が旅立つ
鬼籍に入った輩と、我等の悲願を一身に背負い、孤立無援の敵地に赴こうとしているのだ
歴史が彼等に脚光を浴びせる事が無くとも
我等は刻みつけよう
名を明かす事すら許されぬ彼等の高潔を、我等の魂に刻み付けるのだ
旅立つ若者たちよ
諸君に戦う術しか教えられなかった我等を許すな
諸君を戦場に送り出す我等の無能を許すな
願わくば、諸君の挺身が、若者を戦場に送る事無き世の礎とならん事を」
人類側が満身創痍の状況でのこの演説。ダイレクトに感情を揺さぶってくるシーンです。

他にも、ピンチのシーンでは、もうどうしようもないのでは?と思うくらいの状況にしたり、
丁寧な前振りから、主人公が成長するシーン、何かを決断するシーンをかっこよく描写するなど、演出方法も工夫があります。

ぜひ参考にしてみてください。


【2】白昼夢の青写真

あらすじ(STEAMストアより)
これは、世界と呼ばれた少女の物語
ビジュアルノベルのシステムを物語構造と密接に絡ませた純愛物語。
発売されるやいなやユーザーから圧倒的な高評価を集めた『白昼夢の青写真』がSteamに登場です。

この物語は一人の青年と少女の話。
ユーザーはまず、ランダムで始まる3つの物語をプレイすることになります。

本作は、全く過去の記憶がない主人公が、「夢」として3つの物語を体験していきます。そこでは全て同じ顔のヒロインがいる。なぜ自分には記憶がないのか、なぜ夢を見なければいけないのか…。
ほとんどが謎のまま話が進むのですが、その全てが伏線となっているのが特徴です。
「実はこれが真実なのではないか」「ここはこういう意味ではないか」と考えながら読み進められる構成は必見です。
そして、最初は普通の恋愛の物語なのですが、だんだんと壮大なSFとしての全体像が見えてきて、違う読み味になっていくのも面白いポイントです。

また、3つのストーリーとも、違うタイプのヒロインが登場するのも特徴かと思います。まっすぐで気が強かったり、天真爛漫だったりと…それぞれに個性があり、魅力があります。どうやって主人公と仲を深めて、どのようなドラマが生まれるのか、様々なパターンがあるので、参考にしてみてください。


【3】ヒラヒラヒヒル

あらすじ(STEAMストアより)
みんな、普通の人間なんだ。

死んだ人間が蘇る。
古来よりそうした事例が多発する世界。

蘇った人間は、知性や記憶・認識力が衰え、コミュニケーションが困難となるばかりか、肉体も代謝が衰え、腐敗していく。

日本では彼らを「ひひる」「クサレ」などと呼び、かつては崇め、時代とともに忌避するようになっていった。

──やがて「ひひる」は医療の対象とされ、疾病として「風爛症」と名付けられる。

そして大正初期。
医学博士・加鳥周平は風爛症をとりまく環境や制度が諸外国に比べ遅れていることを嘆き、改善に向けての調査に取り組んでいた。

その調査に参加することとなった青年医師・千種正光。
本来は風爛症と関わるはずのなかった学生・天間武雄。

ふたりの視点を通して、「風爛症」と戦う人々の物語が描かれる──。

話題作を多く手掛けている瀬戸口廉也氏がシナリオを担当した作品です。本作、あらすじを読んだら想像できる通り、終始暗い!だけど面白い…!という作品です。

一般的に、暗い話というのは、それだけだと読み手にストレスを与えてしまうので、扱うのが難しいです。
特に「ヒラヒラヒヒル」では、風爛症という不治の病を題材にしているため、読んでいてしんどい場面も多いです。
ただ、そんな中でも前向きなキャラクターたちだったり、細かな描写力をベースとした、丁寧なドラマで、要所で読者の心を動かしてくれます。

物語の終盤に、主人公とヒロインとの、とあるエピソードがあるのですが、そこでの彼らの言動には、とても心を打たれます。必見です…!

この、根底にある圧倒的な描写力は、参考になります。どんなに暗い話だったとしても、演出次第で読者を感動させられる企画になるということをぜひ学んでください。


*****


いかがだったでしょうか。
今回紹介した3作品以外にも、もっとぶっとんだ設定だったり、他にない読み味の作品が沢山あります。
企画を作っていて、違う切り口の話を考えたいときや、ストーリー作りに詰まってしまったときは、ぜひノベルゲームをプレイしてみてください。


■現在募集中!
『少年ジャンプ+漫画賞 2025年3-4月期』はコチラ↓

『少年ジャンプ+登場キャラ2人だけ!漫画賞』はコチラ↓

『ジャンプ+連載争奪ランキング』はコチラ↓

『少年ジャンプ+』への持ち込みはコチラ↓

「少年ジャンプ+漫画賞2025年3-4月期」の応募受付を開始しました

少年ジャンプ+でヒットを目指す新人作家、求む!
「少年ジャンプ+漫画賞2025年3-4月期」募集開始!

『SPY×FAMILY』や『怪獣8号』など、次々とヒット作を生み出している少年ジャンプ+。
少年ジャンプ+は、次世代のヒットを担う新しい才能を求めています。
本漫画賞は今期より隔月開催にパワーアップし、
2か月ごとに年6回締切で、いつでも応募ができる常設の賞です。

3-4月期の特別審査員は、少年ジャンプ+にて『ゴーストフィクサーズ』を大好評連載中!! 田中靖規先生!!

賞の詳細や応募方法については、こちらをご覧ください。

締切は2025年4月30日(水)!!

少年ジャンプ+連載を目指す第一歩!
未来の漫画界を担うアナタのご応募、お待ちしております!

※2月28日(金)締切の「少年ジャンプ+漫画賞 2024年冬期」の結果発表は、2025年5月頃を予定しています。

「少年ジャンプ+漫画賞2025年3-4月期」の応募受付を開始

少年ジャンプ+にルーキー出身作家の読切が続々掲載!

少年ジャンプ+でルーキー出身作家の読切作品が掲載決定!
掲載スケジュールは、以下の通りです。

◆3月6日(木)「宇宙の条件」田中空
宇宙の果てに辿り着いた一隻の船。その中には、「懲役無限年」の罪に服す男がいた。気が遠くなるほどの時間の中で、男は宇宙で初めて「あるモノ」を作り出し…
『タテの国』田中空が紡ぐ、宇宙を形作る物語がここに。

◆3月9日(日)「地獄のスマイルレストラン」はまぐち檸檬
絶望しかない地獄。そこには、とあるレストランが開業していた。
チップを1000枚もらえれば、現世に転生することができる。主人公・ヒカルは地獄を抜け出すため、従業員として働くが…?

これまでにジャンプデビューしたルーキー出身作家の実績はコチラ

 少年ジャンプ+にルーキー出身作家の読切が続々掲載!

ルーキー出身作家の新連載が少年ジャンプ+で続々開始!

少年ジャンプ+でルーキー出身作家の新連載が続々開始!
掲載スケジュールは、以下の通りです。

◆3月3日(月)「ドリブルヌッコあーしちゃん」モノノヴ
あの日、あの朝、あの場所で、君をドリブルで抜いてから、あーしは恋に落ちたんだ――。
サッカー少女とサッカー少年。ぼっちのあーしと、人気者の君。
“ヌッコ”で色づく秘密の関係。春の予感に胸が躍るサッカーラブコメ、開幕です。

◆3月7日(金)「人喰いマンションと大家のメゾン」原作:田中空 作画:あきま
地球崩壊1秒前。永遠の時間が流れる奇妙な「マンション」で、人々は滅亡を免れ生活していた。
生まれた時から大家だった少女・メゾンが立ち上がる時、マンションの秘密が明かされる…!
超強力タッグが紡ぐ、奇想天外SF冒険譚!
【田中空先生の読切も連日掲載!】3月6日(木)「宇宙の条件」田中空

・モノノヴ先生の少年ジャンプ+掲載作品コチラ
・田中空先生の少年ジャンプ+掲載作品コチラ

少年ジャンプ+でルーキー出身作家の新連載が続々開始!

ルーキー出身作家のジャンプコミックス3/4(火)発売!!

3/4(火)にジャンプルーキー!出身作家のジャンプコミックスが発売!!

◆ドラマクイン 【1】 市川苦楽
宇宙人が地球を救ってから、人間と宇宙人が共に住むようになった日本。
工場で宇宙人の上司にこき使われるノマモトは、家族を宇宙人に殺されたという北見と出会う。
仲を深める2人だが、ある日北見がとんでもないことをしてしまい…
1巻試し読みはコチラ

ルーキー出身作家のジャンプコミックス発売!!

「少年ジャンプ+漫画賞 2024年秋期」の結果を発表しました

「少年ジャンプ+漫画賞 2024年秋期」の選考結果を本日発表しました。

全応募作品から、クワハリ先生と、編集部が選んだ作品は…?
結果を、ぜひチェックしてください。選考コメントも必見です!

◆「少年ジャンプ+漫画賞 2024年秋期」の選考結果はコチラ
◆現在募集中の「少年ジャンプ+漫画賞 2024年冬期」はコチラ

「少年ジャンプ+漫画賞 2024年秋期」の結果を発表しました!!

「月間ルーキー賞」変更のお知らせ

いつもジャンプルーキー!をご利用いただき、ありがとうございます。

2025年3月期より、月間ルーキー賞の「編集部期待賞」について一部変更になります。
これまでは「編集部期待賞は、最終候補のランキング20名(※)以内に含まれない作者の作品の中から、編集部が特に推したい作品に与えられます。」としていましたが、2025年3月期からは「編集部期待賞は、当月期のブロンズルーキー賞に届かなかった全対象作品の中から、編集部が特に推したい作品に与えられます。」となります。
これにより、受賞のチャンスがアップします!

10周年記念!最終候補者が10名から20名に倍増中!
これまでは「ランキング上位10名の作品」が候補作としていましたが、2024年12月期からは「ランキング上位20名の作品」が候補作となりました。
(※倍増期間は2024年12月期~2025年11月期までの1年間になります)

ジャンプルーキー!へ投稿した作品は、自動的に月間ルーキー賞の対象作品となるため、お気軽に参加できます。
みなさまのご投稿をお待ちしています!

月間ルーキー賞について詳しくは「月間ルーキー賞とは」をご覧ください。