月間ルーキー賞2023年9月期 受賞作発表 ブロンズ賞×1、編集部期待賞×4！作品のオリジナリティを意識しよう！
ブロンズルーキー賞
「少年ジャンプ電子版」もしくは「少年ジャンプ＋」連載枠に掲載 賞金￥100,000-
月間ルーキー賞ランキング10位
カツオノエボシが大量発生していた。
女の子が好きな男の子を校舎裏に呼び出して告白する!!しかしあと一歩のところで邪魔が入り想いを伝えることができなかった！もう一度告白しようするが勇気が出ない！実は彼女には秘密が…………!!
編集部期待賞
賞金￥50,000-
UMA EATS-ユーマーイーツ-
UMA(未確認動物)の存在が明らかになった。不思議な力をもったUMA達は世界各地に出没し、人類の生活を脅かす。日常に潜むUMAをめぐる一人の少女のアクションファンタジー。
編集部コメント
この作品は最終候補の１０位以内に含まれない作品でしたが、複数の編集者の強い期待を集めたので「編集部期待賞」を贈呈します。ルーキー賞の仕組みはこちらを参照ください。画力の高さが際立っていました。ただ背景を精緻に描くだけではなく、キャラをアップで描くところでは背景を描かなかったり、背景がキャラを邪魔しないようにキャラに白フチをつけたり…と、読者に対する配慮も欠かしていない作品でした。わかりやすい勧善懲悪の話を、演出でなお一層楽しく見せるエンタメ性も魅力です。次回作以降では物語の序盤から話の本題を示したり、キャラの好感度を上げるエピソードを描くことで、より読者の興味を惹けるようになると思います。
編集部期待賞
賞金￥50,000-
編集部コメント
この作品は最終候補の１０位以内に含まれない作品でしたが、複数の編集者の強い期待を集めたので「編集部期待賞」を贈呈します。ルーキー賞の仕組みはこちらを参照ください。強烈なフックのある企画でした。強烈なフックをしっかりまとめながらも、クライマックスをきちんと用意できていた点も良かったです。目を引く設定だったことは素晴らしかったですが、主人公の設定が一般読者から遠すぎて、共感しにくい印象を受けました。主人公には特別な要素と、一般的な要素の両方を入れてあげて欲しいと思いました。次回作も期待しております。
編集部期待賞
賞金￥50,000-
編集部コメント
この作品は最終候補の１０位以内に含まれない作品でしたが、複数の編集者の強い期待を集めたので「編集部期待賞」を贈呈します。ルーキー賞の仕組みはこちらを参照ください。ギャグ一つ一つにキレを感じました。序盤のギャグがクライマックスの伏線になっている…という構成も秀逸です。一方で、現状多くのギャグが「『わかる人』にとってはものすごくツボにハマるが、『わかる人』が限られている」という状況になっているのが気になりました。ご自身のセンスは大切にしつつ、次作以降ではより多くの人に伝わるようなモチーフを選べるように意識していきましょう。
編集部期待賞
賞金￥50,000-
編集部コメント
この作品は最終候補の１０位以内に含まれない作品でしたが、複数の編集者の強い期待を集めたので「編集部期待賞」を贈呈します。ルーキー賞の仕組みはこちらを参照ください。独創性溢れる世界観に読者を引き込む力を、1ページ目から強く感じました。セリフ選び一つ一つにもセンスを感じます。次回作以降は人物、背景共に画力をさらに向上させていきましょう。また、キャラの状況がなお一層わかりやすくなるように、構図に対する意識も高めていけるといいでしょう。
最終候補作
月間ルーキー賞ランキング1位
編集部コメント
キャラクターが可愛らしく、絵との相性も良かったです。キャッチーさもあり、読者が楽しめるポイントを作れている作品だったと思います。ストーリーも丁寧で、読後温かい気持ちになれました。展開に緩急がつけられるとより読みごたえのある作品になるように感じました。次回作も期待しております。
月間ルーキー賞ランキング2位
編集部コメント
戦地に赴くまでの描写が丁寧に描かれていたと思います。写真を燃やすことで死の覚悟を表現したのも良かったです。しかし、扱う題材、キャラクターが共に普通で、どこかで読んだ話だという印象を持ってしまいます。同系統の題材を扱った話が数多くある中で、読者に読んでもらうには、新しい切り口が必要となります。既に綺麗に物語をまとめる力はあると思うので、独自性がどこにあるのかを意識して作品を作ってみてください。次回作も期待しております。
月間ルーキー賞ランキング3位
編集部コメント
斬新な設定かつシンプルな会話劇ながら、緊張感とテンポの良い台詞回しで最後まで読者の関心を引くことができていました。次回はそういった強みを生かしつつ、より長いページ数でストーリー構成力を磨きつつ、同時に画力や演出力のレベルアップも図れると良いでしょう。頑張ってください。
月間ルーキー賞ランキング4位
編集部コメント
ラーメン屋の閉店日をループしてしまうというシンプルな設定ながら、先が気になる展開で、最後まで一気に読ませる作品でした。コロナ禍での飲食店経営の難しさもリアルに描かれており、読者にとってより共感を呼ぶ物語だと思います。これからどんどん作品数を重ね、新しい題材にも挑戦して、実力を磨いていってください。次回作も期待しております。
月間ルーキー賞ランキング5位
編集部コメント
それぞれにしっかりとしたキャラクター性があり、それを活かした多様なオチの付け方が魅力的でした。お話のラストに施された仕掛けからも、読者を楽しませたいという意図が見受けられ好印象でした。一方で全体の視点役であるアンドロイドの掘り下げが希薄で、少し唐突な展開に感じられる部分もありました。次回作ではキャラの変化・成長を意識したドラマにも挑戦してみましょう。
月間ルーキー賞ランキング6位
編集部コメント
非常に丁寧に作られたストーリーでした。主人公は子供なりの愛嬌を備えた、応援したくなるキャラクターだったと思います。課題は基礎的な画力となるでしょう。キャラの描き込みや動きの描写など、たくさん勉強して欲しいです。また、後半の出来事はまだ盛り上げる余地があるかと思います。読者を驚かせるような展開を意識して入れてみてください。次回作も期待しております。
月間ルーキー賞ランキング7位
編集部コメント
世界観やキャラクターデザインに強いこだわりを感じました。一方で、序盤から登場人物や要素が多数登場するため、読者が何に期待して読み進めていいかわかりづらい状態になっているのが気になりました。ストーリー序盤から、この物語は「どの主人公が」「どんな目的の達成/問題の解決に向けて動く話なのか」がわかりやすくなるように要素を絞ったり、構成を見直していくといいでしょう。
月間ルーキー賞ランキング8位
編集部コメント
可愛らしい猫また（妖怪）との共同生活の中で、少しの切なさと優しさが溢れる素敵な作品でした。亡き祖母の思い出を挟むことにより、短いページ数の中でキャラクターに感情移入できる構成になっていたと思います。
月間ルーキー賞ランキング9位
編集部コメント
モノローグベースで主人公のヒロインへの複雑な感情を丁寧に追った作品でした。見開きや一枚絵を使い、画面的な盛り上がりを作れていた点がよかったです。ただ、描いているドラマに比して設定が多く、設定を生かしきれていない印象を受けます。ドラマに必要かという基準で要素を取捨選択するなど、次回は構成を意識してみてください。
編集部からの総評
ブロンズ賞×1、編集部期待賞×4！作品のオリジナリティを意識しよう！ 今月は1作品がブロンズ賞を、4作品が編集部期待賞を受賞する結果となりました。全体的に、話を綺麗にまとめており、読みやすい作品が多い印象でした。同時に、小さくまとまってしまっていて、インパクトのある作品は少なかったように思います。その中で、『カツオノエボシが大量発生していた』では、可愛いヒロインと、迫力あるヒーローとのギャップが上手く演出されていました。作品を作るときに、どこが推しポイントなのかを意識してみてほしいと思います。
編集部コメント
怪獣のキャラクターデザインが非常に個性的で、それをしっかりストーリーに落とし込んでいて素晴らしかったです。爽快感ある終わり方も好感が持てました。主人公の気持ちの変化が割と簡単になされてしまったような印象を受けてしまったので、より衝撃的な出来事によってキャラの心情を変えるように意識してみると、もっと応援される展開になるかと思います。次回作も期待しております。