少年ジャンプルーキー3周年記念 編集長対談!! 週刊少年ジャンプ中野編集長×少年ジャンプ+細野編集長 漫画の未来と、新人作家への熱き想いを語りつくす!

「ジャンプ」じゃなくても日本中にマンガを届けられるスマホ時代。
それでも「ジャンプ」に持ち込みするメリットとは?

───── 聞きにくい質問もあえてぶつけたいと思います。
『ヲタクに恋は難しい』のようにウェブから100万部の漫画が生まれ、「週刊少年ジャンプ」に掲載しなくても日本中の読者にマンガを届けることが出来る時代ですが、そんな中「週刊少年ジャンプ」に持ち込みする“作家さんのメリット”は何ですか?

中野デビューが決定すると、アシスタントや仕事部屋の問題がどうしても生まれるんですが、部屋を見に行ったり設備を整えたり、しっかりサポートします。

“お金で作家さんに苦労をかけない”が“「ジャンプ」グループ”の考え方ですね。

「〇〇先生の漫画が読めるのはジャンプだけ」って言葉、あれは「作家を「ジャンプ」に縛り付けてる」って悪いイメージが先行しがちですが、契約料を支払うことで漫画作りに専念できる環境を整えるメリットもあるんです。

それができるのは「ジャンプ」ならではじゃないかな。

細野新人作家に手厚いのは確かにそうで、我々編集者側のノウハウもしっかりしてるかなと思いますね。

中野若い編集者は、自分が担当する作家からヒット作を生み出すことが生き甲斐であり仕事なので、才能に惚れ込んだら、時にマネージャーのように、時に家族のように付き合っていきます。

それは“「ジャンプ」グループ”の全編集者のスタイルですね。

編集長対談

───── 「少年ジャンプ+」についても聞きにくい質問をさせてください。
紙の漫画誌では「週刊少年ジャンプ」が圧倒的なのに、漫画アプリとしては「LINEマンガ」「comico」「マンガワン」など人気アプリの中の一つくらいの位置づけに感じます。
そんな中で「少年ジャンプ+」に持ち込みする“作家さんのメリット”は何ですか?

細野たくさんある漫画アプリの中で、新人漫画家さんを1番大切にするのは『少年ジャンプ+』だと思っています。

それはケア等のサポート面であり、金銭面であり。あとは、新連載作品の数が最も多い点です。

さらに、新連載の中でも、新人作家が占める割合が本当に多いのが「ジャンプ+」の特徴だと思いますね。

そういう意味で、新人作家に一番チャンスがあると思います。

兎にも角にも「ジャンプ」はみんなの才能を待っている!
どしどし投稿してほしい!!

───── 編集部へ持っていくことに、二の足を踏んでいる作家さんは多いと思います。そういう人たちに向けてメッセージをお願いします。

中野編集長

中野編集者側としては、作家さんのトータルの力がまだ分からないので、とにかく原稿を描いてほしいです。

まだ漫画を完成させたことがないのに「ネームを持って行って良いですか」ってなった場合、ネームの段階でボツになってしまうと永遠に漫画が完成しない、ということになってしまいます。

まず若いうちは、質よりも量という考え方で、仮に編集者にダメ出しされても、「つまらないかな」って思っていても、へこたれずにどんどん描いて持ち込む、というのが大事だと思います。

これまでによく見てきたのが、アイデアや考え方は良いものを持っているのに、漫画が全然完成できずに1年も2年も賞に出さない、持ち込みに来ないという人です。

ものすごくもったいないと思います。まずは、自分でしっかり締め切りを設けて、ばんばん描いて賞に出す、または持ち込む。そこから道が開けると思いますよ。

細野編集長

細野今回の「少年ジャンプルーキー」の場合だと、5ページくらいしか仕上がっていなくても、5ページ目に「続く」って書いておけば、投稿することができます。

そういう状態でも全然構わないので、まずは投稿することが大事ですね。

例えば今日の記事を読んで、「やる気が出たので描いちゃいました」って気持ちでも良いので。

中野漫画を1作品仕上げるというのは、すごくハードルが高く、難しいんですよね。でも新人作家さんには、それを頑張ってこなしてほしい。

一方で、それができない人の中にも、才能ある人がいるって信じているので、「少年ジャンプルーキー」等で「少年ジャンプ+」からしっかりその才能を吸い上げたい。それこそ、その5ページの中にキラリと光る才能があるかもしれないしね。

“「ジャンプ」グループ”としては、「この作家さんは「ジャンプ+」向けの作品が描けるんじゃないか」、「「最強ジャンプ」向けの作品の方が描けるんじゃない?」など、色々とアドバイスができ、どんな漫画も受け入れられる体制になっています。

たとえ「この作品は「週刊少年ジャンプ」っぽくないな」と思っても、幅広くフォローできる力があるので、描いたら持ってきてくれると嬉しいです。

編集長対談

我々世代は、少年漫画が一番強かった時代だったんじゃないかと思うんです。

「来週の「ジャンプ」が読みたくてしようがない」「1分でも1秒でも早く「ジャンプ」を読みたい」という子供だったので、今の子たちもそう思えるような漫画を作っていきたいですね。

中野&細野「ジャンプ」は君たちを待っています!!

おかげさまで3周年!「少年ジャンプルーキー」の歩み