「少年ジャンプ+ネーム原作マンガ賞」結果発表!!
ジャンプルーキー! 史上最多! 応募数900越え!大賞1本、準大賞2本出る!
特殊恋愛・ファンタジー部門
LINK先生コメント
冒頭から抜群のツカミですね。アーヴェンとの掛け合いも楽しく、ヒロインのルリアは骸骨なのに不思議と段々可愛く見えてきます。
楽しいコメディで大団円を迎えると思いきや、後半仕掛けがあってビタースイートな終わり方をするのも唸らされました。
最後のキスシーンは、ルリアが骸骨から段々美少女に戻っていく様子をもっと丹念に描くとより一層盛り上がるのではないかと思います。
編集部コメント
主人公とヒロインのやりとりが軽妙で読みやすく物語も非常によくまとまっていました。
ヒロインのキャラクターに愛嬌があったのもよかったです。
終盤の展開に意外性を出すためにも、序盤の演出を工夫して説得力を増すことができれば、更によくなったはずです。
特殊職業・スポーツ部門
稲垣理一郎先生コメント
主人公の女子が完全にオンリーワン。
魅力も出ているし、大事に育てて欲しいキャラ。
内容的には、バレーにアッサリ転ぶのは違和感。理屈で調整してどうにかなる点なので、キャラはハートで、シナリオは理屈で書けばイケる。
編集部コメント
力士を目指していた少女がバレーボールに目覚めるという一風変わったスポーツ作品。
どこか不思議な設定なのですが、主人公の力士としての魅力をしっかりと描きつつ、バレーボールプレイヤーとしての才能の片鱗も感じさせる展開が素晴らしかった。
一点だけ気になったのは、豊かなキャラの表情や緩い雰囲気と相まって、冒頭の師匠の死に対してどのような気持ちで読めばいいのか分かりづらい為、もう少し感情をハッキリさせた方が読者にとって物語に入りやすいように感じます。
とはいえ、仲間(ライバル)との出会いも感じさせる王道の引きで、続きが気になる作品でした。
特殊恋愛・ファンタジー部門
LINK先生コメント
主人公の宇宙人とのハーフである空子が可愛いですね。
シンプルでわかりやすい設定、好感度の高い登場人物、クライマックスでの心に残るシーン作り、どれも高いレベルにあると感じました。強いて言うなら、空子の心の問題以外に「障害」がないので、外部に解決すべき問題を設定し(事故に遭いそうな通園バスを持ち上げないといけない…など)、空子の心情変化をより劇的にすると更に面白くなると思います。
編集部コメント
マンガにおいて最も重要といえるキャラクター。今作はそのキャラクターである主役二人の好感度が非常に高く、気持ちの良い爽やかなお話が良かったです。
物語としても、わかりやすくボーイミーツガールを描けており、39Pの中に上手く纏めている点も評価が高かったです。
欲を言うならば黒岩が空子の事を好きになったきっかけも描けると良かった点と、上手くまとめてはいますが、物語にもう一捻り欲しかった点が挙げられます。今回の作品を糧にそれを超える次回作に期待します。
特殊ホラー・サスペンス部門
みつちよ丸先生コメント
人間観察、私もシュミなので主人公に気持ちよく感情移入して読んでいたら、とんでもないブーメランを食らいました(笑)
この主人公はこのヒロイン嫌いだろうな、という感情の流れにも説得力があり、自然で良かったです。少しずつ不気味さを増すヒロインを主人公が呼び出し返り討ちに遭うわけですが、それまでの過程で主人公の理不尽な悪意がちゃんと描写されているので、読み手の心が全く痛まないよう計算されているのもすごいと思いました。
編集部コメント
しっかりと嫌なやつを成敗するオチを含めて構成が良くできていました。
特にしっかりとラストでどんでん返しを入れていた点に読者を驚かせようと工夫を凝らそうとした意図が見えます。
今回は言葉とオチで逆手に取りましたが、話全体を使ってはっとするような演出や構成が切れるとさらに一歩先へとステップアップできると思います。期待しています、頑張ってください!
特殊恋愛・ファンタジー部門
LINK先生コメント
素直な登場人物の心情描写が心地よく楽しい気持ちで読めました。特に主人公の夕月が魅力的で、つい応援したくなりますね。
起承転結も意識できていると思います。
途中クトゥルフ関係の設定説明がちょいちょい挟まるのですが、設定情報は連載序盤や読切においては読者にとって負担になりがちなので、もう少し減らした方がよいと感じました。
編集部コメント
キャラ同士のドラマの作り方が上手く、設定説明の仕方なども工夫がありました。
まだまだ粗削りで、コマ割り、セリフ数、演出、構成など修正すべき点は多いですが、才能を感じる作品です。
まだまだ伸びしろがありますので、ぜひ日々の練習を重ねてレベルアップしていってください。次回作に期待しております。
LINK先生コメント
ネームのテンポがよく、特殊な設定ながらすぐに作品世界に入ることができました。
見せ場のコマ割りもこなれていて、全体を通して読みやすい作品でした。
クマのJINも可愛いですね。終盤、JINの内面の変化を象徴する行動が(ラストに少しありますが)クライマックスの方にあればよりよかったと思います。
編集部コメント
マッチングアプリという企画、主人公を可愛げのあるクマにする狙いの2つで非常に現代的な漫画でした。
それにとどまらず、主人公とヒロインの共通項を上手くストーリーに落とし込んでクライマックスのカタルシスに繋げる所は巧みでしたし、ネーム自体も非常に読みやすくテクニックを感じました。
次回作はこの良さを生かしつつ、更にオリジナリティある企画やキャラクターの着眼点に期待します!
特殊ホラー・サスペンス部門
みつちよ丸先生コメント
主人公の印象が途中で良い方にガラッと変わり「おっ」となりました。
ただ、状況が分かりづらくて引っかかる場面がいくつかあったので(助けた女の子がどうしてまた死にそうになっているのか?など)、情報の過不足を見直して読みやすさを追求すると、キャラの魅力がより引き立つのではないかと思いました。
編集部コメント
キャラクターに愛嬌があり、終盤の展開にも驚きがあって、楽しく読める作品でした。
ただ、やはり序盤の設定説明が冗長に感じてしまったので、読者に楽しんでもらいながら、極力シンプルにした設定を伝えていけるように注意しましょう。
みつちよ丸先生コメント
平凡な日常だったはずが…突然の生命の危機!?という状況について、走馬灯のような回想から少しずつ伝わってくる情報の挟み方が秀逸でした。
その一方で、全神経を研ぎ澄ませて生存方法を探る臨場感を一緒に味わっているようでとても面白かったです。助かったと思ったら二段階の絶望が待っていて、無慈悲すぎて笑ってしまいました。
編集部コメント
「落ちる」という分かりやすい恐怖と時間制限に則っているのが良かったです。情報の出し方も上手く、ちょっとずつ状況が明らかになっていく快感がありました。
ただ最後の展開には強引な印象も。作品のリアリティラインを大事にしましょう。
特殊職業・スポーツ部門
稲垣理一郎先生コメント
美術への姿勢で見せる、青い心の機微が面白い。
ただ読者にとっては、赤の他人の微妙な心の機微に興味はない。興味を持たせるには、キャラに注目する理由、もしくは応援する理由が要る。
読みやすさの工夫と、キャラ出しが必要。
編集部コメント
芸術という作品があまり身近ではない読者でも、感情移入しやすいような話の構成になっていたのがよかったです。
キャラクターを絞って、メイン2人のドラマを描き切っていたのも読みやすさにつながっていました。作中で天才といわれるキャラの作品が実際に評価されるシーンがないため、そのキャラの格がわかりづらかったのがもったいなかったです。
稲垣理一郎先生コメント
セパタクローが楽しそう!これは超大事なこと。
冒頭からキャラで話を回しているのも良い。
読切だからかキャラ見せがチャカチャカと雑なので、そこさえ丁寧に書けば即戦力かと。
あと主人公の活躍はやっぱり大事じゃないかな…
編集部コメント
レグの3人それぞれのドラマと試合展開が上手く噛み合っていて、それを率いる切れ者かつ、熱血の主人公…という配置が上手いと感じました。
読切ゆえ、やはりキャラクター3人を扱うにはページ数が足りず、ちょっとバタバタした印象になってしまったのが勿体ないです。
稲垣理一郎先生コメント
こういう女の子が書きたい!その子たちがバトるのを見せたい!というエネルギーは感じた。そういう一点突破の情熱は大事。
それを見せるための武器が、シナリオや構成。
時間をかければ身につくものなので、書きまくってほしい。
編集部コメント
キャラクター一人一人の個性が強く、後半の見せ場の作り方も巧みで、最後まで引き込まれる作品でした。
ただラストにかけて設定を詰め込んでおり、何でもありの印象を受けます。読者を驚かそうとする意識はとても良いのですが、設定に頼らないどんでん返しを作れるように頑張ってみてください。
次回作にも期待しております。
最終候補
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放課後エピローグ
青木リュー
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クニグニグニ
大木公
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弔花のカナリア
ジオライス
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DEEPER【ディーパー】
玄田啓助
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プリザーブドフラワー
嗤ヰ声/わらいごえ
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ゾンビ飼いのシェリル
九大
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現世転生
中原公彦
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Goal to W cup
Taka
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狸の鋳掛屋
清水いち
総評
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LINK先生
どの作品にも企画性があり、冒頭あるいはクライマックスで読者をあっと言わせてやろうという野心を感じ、楽しく選考させて頂きました。
気になった点としては、「設定情報」の扱いがあります。特殊な設定のある作品の場合、ジャンルがなんであれその特殊設定をいかに読者に負担なく飲み込ませるかが腕の見せ所です。候補作の中でも、セリフやナレーションなどの文字を極力減らし、できる限り絵で伝える工夫がどれだけ施されているかで差があったように感じました。
また、原作者志望の方の場合、企画性は勿論のこと、作画をする漫画家さんが張り切って描きたくなるような印象的な絵作りのアイデアをどれだけ盛り込めるかに存在意義が左右されます。
私自身まだまだ勉強中の身ですが、「アイデアの足し算」と「情報の引き算」を繰り返すことで限られたページ数が濃密なものになっていくのではないでしょうか。
今回のネーム原作賞では、私も大いに刺激をもらいました。皆さん才能のある方ばかりだと思うので、今後のご活躍を楽しみにしています! -
みつちよ丸先生
最終選考に残っただけあってどの作品もレベルが高く、ドキドキハラハラしながら読ませていただきました。
どの作品からも「このシーンを描きたい!」という熱量が伝わってきたので、そこまでの途中経過をいかに自然に作り込んでいるかで、点数を決めさせていただきました。
サスペンスやホラーでは、設定に多少の無理があってもキャラクターの行動原理さえしっかりしていれば細かいところはそれほど気にならない場合がありますが、逆にキャラクターの感情や動きが不自然だと途端に粗(あら)が目立つようになりストーリーに集中できません。
ここに残った作品には、その点をクリアして自分たちの世界観に引き込んで読ませる力がありました。
最終選考に残らなかった方も、自分の作り出したキャラクターの動きに不自然な点が無いか見直すだけでも、次の作品では一皮剥けた仕上がりになると思います。 -
稲垣理一郎先生
みんな上手いなあ!
今回は全体的にキャラ立てが良かった気がします。
ネーム作家は、絵の力を作画の先生に頼ることになります。
なので、素敵な絵を入れた時に一番キャラが輝くネーム、を切らなくてはいけません。
大事なのはキャラの「動機」「実際の行動」「見せ方」です。
その全てができていれば、どんな題材でも面白くなると思います。
最終候補の全作品に、そのポテンシャルを感じました!
特殊恋愛・ファンタジー部門
LINK先生コメント
ミーリの心情描写が丁寧で、とてもスムーズに感情移入して読むことができました。ネームでも表情は十分に書き込まれており、魔王の心の動きも自然に追うことができました。
ラストで魔王の呪いが解けるシーンがあっさりしているように感じたので、そこをより丁寧に描写すればその後の二人の触れ合いも更に感動的になると思います。
編集部コメント
まずタイトルに興味を惹かれ、楽しく読み進めることが出来ました。
ファンタジーゆえか導入の情報量の多さは課題にも感じますが、それ以上に、一人の人間の人生をしっかりと描き切ったことに驚くとともに、大きな満足感がありました。可愛らしく応援しやすいキャラクターたちも素晴らしかったです。
次回作も楽しみにしております。