月間ルーキー賞 2016年9月期 受賞作発表

月間ルーキー賞20169月期 受賞作発表 今月も低調…。己の「魂」をぶつけてくれ!!

ランキング上位10作品から編集部の審査で選んだ月間ルーキー賞の発表です!
投稿者は受賞作品と編集部によるコメントを比較して作品作りに活かそう!
ルーキー賞について詳しくはこちら

ブロンズルーキー賞

「少年ジャンプ電子版」もしくは「少年ジャンプ+」連載枠に掲載 賞金¥100,000-

月間ルーキー賞ランキング1

僕らの幻想曲(ファンタジア)

事故の後遺症で幻視・幻触・幻聴などの症状が残った主人公の物語

井上よしかず

編集部コメント

既存の作品の影響は感じますが、完成度の高い感動ストーリーでした。画面構成が巧みで読みやすい点も高評価です。ヒロインのデザインも、良い意味で嫌悪感を感じさせますね。短編を描く力は充分に感じましたので、次回作では是非、キャラクターを意識した、広がりのある物語に取り組んで欲しいと思います。

最終候補作

月間ルーキー賞ランキング2

編集部コメント

読みやすくて、明るいテンポがよかったです。しかし現状では、無数にある作品の中で埋もれてしまったり、女性中心の支持におさまってしまう印象です。次のステップとしては読者をより夢中にさせる「キャラクター」を生み出してほしいと思います。

月間ルーキー賞ランキング3

編集部コメント

大きな仕掛けと共に始まる社会派漫画ですが、ブラックな空気感が不思議と楽しめました。今後はこうした大きな設定の中に強いキャラクター(この作品の場合動物でもOK)を立たせ、そのキャラを中心にストーリーを組み立てていくことを考えてみましょう。読者が興味を持つのは常に設定ではなくキャラクターです。そのことを意識できれば必ずもっと面白い作品が描けるようになると思います!

月間ルーキー賞ランキング4

編集部コメント

キャラクターを中心に作っていこうという意識が感じられて良かったです。また、主人公のキャラを活かし女子同士の日常会話を毒っ気たっぷりに見せるあたりは上手いと思います。ただ、企画としてまだまだ独自性が足りないのも否めません。キャラで物語を作ることを大切に、自分にしかない強みを活かせる新規性の企画を見つけだして欲しいと思います。

月間ルーキー賞ランキング5

編集部コメント

どんなに縦にスクロールしても、ブリーフ男のネタばかりで途中まではくだらなくて笑ってしまいました。しかし、さすがにだんだんと長く感じワンパターンに感じてきました。内容に合った長さにまとめることと、次回作では一発ネタではなく読者がまた読みたいとより思うような作品を追求してみてください。

月間ルーキー賞ランキング6

編集部コメント

可愛らしいキャラクターデザインと冒頭の入りの設定でとても興味を引かれた作品。ゾンビの二人が織りなす緩い笑いは読み心地の良いもので、なにか商品になりそうな匂いを感じさせるものでした。ただまだまだ磨き上げなければ光らないものではあります。また、後半になるにつれてゾンビネタも無くなってきたのか息切れを感じました。そういった意味でも、自力を身につけて新たな可能性を見出して欲しいと思います。

月間ルーキー賞ランキング7

編集部コメント

シンプルながら気になる始まりやエンディングなど巧みさを感じます。ただ題材の重さに相応しい重厚な演出やストーリーとは言えず、どこか軽さを感じてしまったのが残念です。「話をより暗くする」が絶対の正解とは思いませんが、何かしらのエンタメとしてより昇華して欲しかったです。

月間ルーキー賞ランキング8

編集部コメント

絵も含めて独特の雰囲気があり作家性を感じます。ただ一般読者目線で考えると、それらが魅力的と言える程ではないのが残念でした。この様に漫画の作り手サイドから見ると魅力的な才能でも、読者の「身もフタもないライトな目線から見てどう感じるか」が駄目だと商業作品として伸び悩む原因になります。その点を是非検討していって戴きたいです。

月間ルーキー賞ランキング9

編集部コメント

短編もので常連となっているだらく氏の作品。今までの作品は、すべてを描き切らずに読者に考えさせる上手さがあったように感じましたが、今作はその部分が弱く感じました。また敢えて短いページ数、キャラクター不在での漫画に挑戦しているのかも知れませんが、力のある作家だと思うからこそ連載を意識して、長いページ数でキャラクターを見せて物語を作って欲しいと思います。

月間ルーキー賞ランキング10

編集部コメント

良い意味でくだらないですが、物語に引き込まれ最後の展開まで楽しく読めました。しっかりと物語の山場へ向けての構想と演出が出来ているからこそだと思います。とはいえ単発ネタであり、限定的な笑いであるので、キャラクターで笑いを生み出すことを意識して、新たな作品にチャレンジして欲しいです。

編集部からの総評

今月も低調…。己の「魂」をぶつけてくれ!! 最近、ずっと低調な回が続いている印象ですが、今月も同じくでした…。今月の作品の多くに感じたこと。それは、物語・企画としてのまとまりはあるが、悪い意味で「こじんまり」している、ということです。
「この漫画のここが一番面白い!」「このキャラクターは絶対に読者に好かれる!」「このシーンで読者を絶対に泣かせる!」「このアイディアは間違いなく新しい!」等…。どんな事でもいいので、この作品のここが凄い!を意識して漫画に取り組んで欲しい。それが作品を描く上での出発点になるべきですが、投稿作の多くが「作品を完成させる」事が目的となっているような印象を持ちます。なので、外側は整っているが、魂を感じない作品が出来上がってしまうのかなと。
ルーキー賞に限らず漫画の新人賞は、作品の完成度よりも、その作者の個性・未来の可能性を重視しています。例え荒削りでも、「作者自身」を感じさせる漫画が評価されます。是非次回作は、作品としての強みを強烈に押し出した作品に取り組んで欲しいと思います。作者の魂を、編集部に感じさせてください。