月間ルーキー賞2015年5月期 受賞作発表 ブロンズ賞2本出る! 企画性に富む作品求む!
ブロンズルーキー賞
「少年ジャンプ電子版」もしくは「少年ジャンプ+」連載枠に掲載 賞金¥100,000-
月間ルーキー賞ランキング3位
編集部コメント
キメラと呼ばれるモンスターと、それを操るコマンダーの絆を軸とした王道ファンタジー。
ストーリー構成は分かりやすく、限られたページ数で未熟な少年の成長を描いたところは見事。登場人物の感情の動きもよく描けていました。今後の課題としては画力の向上。また、バトル要素を持ったファンタジー漫画を描いていく上ではコマ割も意識して欲しいです。1ページ丸ごと使っての大ゴマや見開きなどメリハリをきかせると、より作品に迫力が出るでしょう!
最終候補作
月間ルーキー賞ランキング1位
編集部コメント
キャラが大事ということはこの場で何回も言ってきましたが今作は可愛い猫をキャラ立てして、それを中心に物語を描いている所は評価できると思います。しかし猫が可愛いという以上の要素がなかったことが残念です。また猫マンガ雑誌が存在するほどたくさんある猫マンガの中、赤池さんオリジナルの部分があれば更に良かったです。猫マンガに限らず全てに言えることですが、作品の中に自分だけの要素を必ず入れて欲しいと思います。それを磨けばその漫画、そして作者自身の武器になるはずです。
月間ルーキー賞ランキング4位
編集部コメント
二人の女の子がお互いを認め合う友情物語と、ロボットが戦うバトルストーリーが混在した今作。どちらをとっても雰囲気を含めよく描けています。しかし、及第点は取れているがどちらも中途半端な描き方になってしまっているなと勿体無さを感じました。作品として描きたかった部分は何なのかを理解して、その分野では他には負けないという強みを持って欲しいと思います。また絵柄も少し古い印象なのでそちらも今後力を入れて取り組んでいって欲しいと思います。
月間ルーキー賞ランキング5位
編集部コメント
常連の遠藤さんということでセンスの高さ、読ませる力はさすがといったところです。今作に関して言えば、同じ人物を通して『夢と現実』とをうまく表現していますが、もう少し分かりやすく、例えば背景の色を変えるなど同じ人物でも見せ方を変えるだけで、伝わりやすさが違って見えてくると思いました。またショートものでありながらちゃんと読者にメッセージを響かせる上手さがあるので、一度キャラクターをしっかりと作った長編読切を読んでみたいと切に感じます。
月間ルーキー賞ランキング6位
編集部コメント
同作者5位の作品のアナザーストーリーとなる今作。作者が得意とするのか、短い中にもしっかりとメッセージ性のある作品を仕上げる上手さがあります。一方、画力に関して言及すると、良くも悪くも非常に淡白です。絵は作品の顔であり、伝える力を何倍にも高めてくれるものであります。作品の方向性にもよりますが更なる高みを目指すためにも、淡白のままで良いのか否か、より良いものを目指して検討して下さい。
月間ルーキー賞ランキング7位
編集部コメント
話の流れはシンプルで分かりやすく、最後まで読みやすかったです。絵柄も雰囲気に合ったもので作品の良さを高めていると思います。ただ、物語としてはロボットと男の子の追い掛けっこだけの展開で、もう一つ工夫が欲しいと感じました。また、この漫画の引きとなるものが更にあると尚良いと思います。それが萌えに特化させるのか、展開に意外性を持たせるのか、それは作家それぞれ得意な物、作品に合ったものなど色々あると思うので、そういった所を意識した作品作りを今後期待です。
月間ルーキー賞ランキング8位
編集部コメント
田舎の商店の女の子ということで、ご近所との付き合いを通した主人公の明るいキャラはとても好印象でした。また過疎化が進む商店という設定は目の付け所が面白いと思うので、そこに更なるエンタメ性があると良かったです。エンタメ性といっても過疎化の商店を掘り下げる、または主人公の女の子をもっと可愛く、はたまたギャグを入れてみる等、それぞれ作家に合ったいろんな可能性があると思います。自分らしいオリジナル溢れる要素を見つけ出し、それを作品に活かして欲しいと思いました。
月間ルーキー賞ランキング9位
編集部コメント
ファンタジー炸裂の今作だけあって、作者の世界観がはっきりと描かれています。その点が他の作品との違いを生み良い意味で異彩を放っていたかなと感じました。その感性は大事にしつつ、もっと多くの人に評価を得る為の工夫を考えて創作して欲しいと感じました。例えば、ごく普通の青年である主人公が、内的世界に入ることとなったその必然性のような物があると、キャラも立ちますし物語にも納得感が生まれると思います。そういった常に読者を意識した作品作りが今後必要でしょう。
月間ルーキー賞ランキング10位
編集部コメント
今回の10作の中に3作最終候補に入っているということは、遠藤さんの投稿作は相対的にルーキー読者に支持されているのは間違いありません。アダルトな雰囲気や切れ味鋭い台詞が評価されていると思うのですが、悪く言えば「ストーリーや展開のない会話劇」「エンターテイメントとは違ったところでの意見主張」に見え「読者を面白がらせる漫画」とは、どこか違って見えます。多作だからこそ、遠藤さんにはこの殻を是非破って戴き、「遠藤さんのセンスをエンターテイメントに載せた漫画」を描いて欲しいです。
編集部からの総評
ブロンズ賞2本出る! 企画性に富む作品求む!
今月は可愛らしい絵柄にちょっと毒を含んだキャラクターで爽やかな物語を描いた『グリングリン』と、少年ジャンプの王道マンガ的熱さを持った『COMMANDER』の2作がブロンズ賞受賞とさせて頂きました。
ジャンプルーキーは既存の枠組みにとらわれない漫画が集まる場所を目指していますが、シルバー賞やゴールド賞を目指している方、またプロとして連載し人気作家となることを目指している方は「企画性」を意識するとよいでしょう。
現代は日々多数のマンガ作品が生み出されているばかりか、アニメやゲーム、スマートフォンなど、あらゆるものと時間やお金を取り合っています。そんな時代に新規作品に注目してもらうことは簡単なことではありません。その作品を短い言葉で表した時に「読んでみたい!」と思わせるだけのワクワクできる枠組みを持った作品は強いです。
「身体がゴムのように伸び縮みする少年が、海賊の王を目指して世界の海を冒険する物語」「マッハ20の速度で動ける超生物が、教師として落ちこぼれ生徒に『暗殺』のやり方を教える学園もの」など、聞いただけでも読んでみたくなりますよね。
自分が描きたいものを、そうしたワクワクする企画に落とし込むことができないか考えてみましょう!
もちろん「企画なんて知るか!描きたいものを描く!」という、パッションのみを叩き込んだ作品も全く問題ありませんので、あくまで参考として考えてもらえれば。
今後もジャンプルーキーへの投稿お待ちしております!
編集部コメント
女の子の表情がとにかく可愛くて良かったです。脅える表情や照れている表情など、普段はツンとした女の子が見せる表情の可愛さがよく描けていました。それだけに絵はもっと丁寧に描いて欲しかったです。キャラはもちろん、背景一つ一つも大切に描いて欲しいです。
物語としては、アクションのテンポの上手さもあり最後まで難なく読むことができました。ただ物語としてもう少し狙いをしっかりと定めた方が作品としてまとまると思います。ブロンズ賞獲得を期に更なる飛躍を期待します。