月間ルーキー賞 2016年8月期 受賞作発表

月間ルーキー賞20168月期 受賞作発表 より読者を強く意識した作品を求む!

ランキング上位10作品から編集部の審査で選んだ月間ルーキー賞の発表です!
投稿者は受賞作品と編集部によるコメントを比較して作品作りに活かそう!
ルーキー賞について詳しくはこちら

ブロンズルーキー賞

「少年ジャンプ電子版」もしくは「少年ジャンプ+」連載枠に掲載 賞金¥100,000-

月間ルーキー賞ランキング1

ハッピーバースデー

誰しもが迎える誕生日の話

井上あさ

編集部コメント

SF作品としてはそれなりに見かける着想ではありますが、アイデアのまとめ方が巧みで読後感が非常に良かったです。話の切り取り方も上手く、ラストで一気に時間を一年後に飛ばすことで、その間に何があったか読者に想像させる構成の仕方には唸らされました。
ストーリーに関しては間違いなく力のある方なので、是非魅力的な主人公を見つけて連載を勝ち取って欲しいです!

最終候補作

月間ルーキー賞ランキング2

編集部コメント

ほのぼのとした作風と、懐かしさを感じさせる絵柄がマッチしており、コメディ作品としての完成度が非常に高いです。ただ、ジャンプ+の読者にこの企画が刺さるか…というと、疑問が残ります。もっと高年齢層に向けた作品、という印象です。企画の段階から読者層を意識して、次回作に取り組んで欲しいです。

月間ルーキー賞ランキング3

編集部コメント

明るい勢いと、良い意味でベタな展開(女性読者限定ではあるものの)が好印象でした。一方、細かい描写や、大きなキャラの気持ちの変遷など、色々と論理や表現が少々雑というか、伝わりにくいところがありました。読者にわかりやすいような丁寧な表現を心がけてください。また、次回作では、男性でも共感できやすい作品も読んでみたいです。

月間ルーキー賞ランキング4

編集部コメント

いわゆる「ツンデレ」ヒロインと等身大の男の子とのラブコメですが、短いページ数の中でも感情の機微と軽いどんでん返しがあり、楽しんで読むことができました。読者に感情移入してもらうという、非常に重要かつ難しいポイントをクリアできる方なので、ここからは他の作品に負けないよう何らかの新規性や、自分にしかない強みを探していってください!

月間ルーキー賞ランキング5

編集部コメント

2元中継で進む本作ですが、分かり難くならずにむしろ作品に対する興味をそそる形になっていたのは良かったです。ただ最終的に2つが絡むカタルシスが正直薄かったのが残念。またキャラクターは地味ながらも血が通っている感があり、魅力的でもあったのですが、企画・作家性共に読切特化であり、原作志望という所も含めて最終的な評価は辛くなりました。良い読切作品の中のどこかで「先々の連載を期待させる」作家性を見せて戴ける事を期待したいです。

月間ルーキー賞ランキング6

編集部コメント

ストーリーや、心理描写などが上手な作品でした。しかし、舞台設定のひねりかたにもったいなさを感じました。一般的に読者は科学より魔法に憧れるわけなので、魔法をあえて使わない主人公がラスト魔法を使っても、マイナスがゼロになっただけで、カタルシスが生まれにくい構成に思いました。(発達した科学の凄さを描ければ、読後感は変わったかもしれません。)また、画力も課題として残る作品でした。

月間ルーキー賞ランキング7

編集部コメント

久しぶりの投稿となる真徒氏による作品。相変わらずの着眼点と設定を活かし、読み切りとしてしっかり面白い作品を仕上げてくるところはさすがと言えます。ただ、今までの投稿作品と同様に企画だけの単発の作品となってしまっているのが残念です。力のある作家さんだからこそ、連載をも視野に入れた、連載にも耐えうる魅力あるキャラクターを見出して欲しいです。設定だけではなく、読者が目が離せないような「キャラクター」が物語を展開していくような作品を考えてみて下さい。

月間ルーキー賞ランキング8

編集部コメント

ちょっとエッチなラブコメバトルということで、ストーリーのテンポの良さ、読みやすい画面作りなど、表情の巧みさなど漫画として一定水準の力はある作家さんだと思います。ただ、今回賞の獲得に至らなかった要因としては、既視感の高い作品だなという所です。設定・キャラ・展開など、もっとオリジナル溢れるものを模索して、ぜひ再チャレンジして欲しいと思います。

月間ルーキー賞ランキング9

編集部コメント

前回(2015年5月期)の投稿から、だいぶ作品として淘汰され、過疎化が進む商店街の様子を主人公の元気あるキャラを通してしっかりと描けており良かったです。ただ一点だけ苦言を呈するならば、このままでは読み心地の良い雰囲気漫画で終わってしまう可能性が高いという点です。もう一歩「商品」として何か売りとなる部分、例えば商店街のグルメに特化したグルメ漫画などの要素を加えるなど、何か企画として一つ加えることが出来れば、なお良いと思います。

月間ルーキー賞ランキング10

編集部コメント

とても良いお話ですね。マイナス思考をキャラ化するというアイディア、可愛らしくて良いと思いました。ただ、現状だと、「ちょっと良い話」で終わってしまう作品なのかなと。まっくろが主人公であれば、もっとキャラクターを立て、しっかり読者を感動させる物語まで昇華して欲しかったなと思います。

編集部からの総評

より読者を強く意識した作品を求む! 今月も最終候補の作品のレベルに少々物足りなさを感じる結果でした。
どの作品にも共通しているのは、あと一歩、「読者」を強く意識してネーム作りをねばってほしい、ということです。自分の描きたかったことやイメージしていたレベルまでは達した、というところで満足をしないでほしいと思います。
ただ描くだけでなく、読み手が読んで面白いと感じるところまで含めて、「マンガ」が「マンガ」である意義があると思ってほしいです。このネームで、暇つぶしや口コミで試しに軽い気持ちで読んでみた初見の読者の心を、他のどんな投稿作より震わせることが果たしてできるのか。ハードルを高くもって、作品作りに努めていただければと思います。
新たな作品を期待しています!