ヨコに読みます
あとがき
この作品は、「現実の無関心」という社会問題を“傍観者”という存在に置き換えて描いた寓話です。 暴力や事故に遭遇しても「誰かが助けるだろう」と見て見ぬふりをする──そんな人間の弱さや恐怖を、 怪物のように立ち尽くす「傍観者」に託しています。 彼らは何もせず、ただ記録するだけ。 しかし、その“記録”は人間の選択を映す鏡となり、 「動かないこともまた罪なのか?」と問いかけてきます。 現代社会のSNSやニュースで繰り返される「見ているだけの私たち」を、 異世界的な存在にすることで浮き彫りにした物語です。